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【J2第27節プレビュー】全ては自分たちの内にある

120805_01.jpg 2012Jリーグ Division2 第27節
FC岐阜-アビスパ福岡
日時/2012年8月5日(日)18:00
会場/長良川競技場

取材・文・写真/中倉一志

 福岡が迷い込んだトンネル。それは出口の見えない、長いトンネルのように思える。いい時間帯がないわけではない。けれど、ひとたび相手のリズムになると、それを耐えることが出来ず、後半に入ると別のチームになり早々にゴールを失う。そして、なくならない「あり得ないミス」。それが、まるでリプレイのように繰り返される。その現実を前に、チームは、何を、どのように修正すればよいのか、その糸口を見つけられずにいるように思える。先制点を奪われると、一気にバランスを崩してしまうのは、自分たちのサッカーに寄り所がないことを示しているからなのだろう。ポテンシャルで言えば、現在の17位という成績は不本意なものだが、実際にピッチの上で表現するパフォーマンスから言えば17位は正当な順位。その現実が、悔しく、そして情けない。

 しかし、それでも選手たちは必死になって前を向いている。岐阜戦に向けてのトレーニングは試合形式が中心。現状から抜け出すために何かの手段を講じるというよりも、とにかくハードワークに徹することを狙いとしているようにも見えたが、まずはサッカーの原点とも言うべきところに立ち返ろうという指揮官の意図が感じられる。そして、トレーニングのインターバルでは、選手たちがボードを使って話し合い、トレーニング終了後も話し合いを続けているのか、なかなか、ロッカールームから姿を現さない。そんな選手たちの姿からは、何をすべきかを探し出し、現状から抜けだそうという必死な気持ちが伝わってくる。城後寿は話す。

「苦しい状況だが最後までやるしかない。サポーターは最後まで声を出して応援してくれているし、こういう状況にも拘わらず、スタジアムに足を運んでくれる人たちがいる。それなのに、非常に申し訳ない試合が続いているので、次は何としても勝たなければいけない。そんなファン、サポーターの想いを背負って戦わなければいけないし、なんとか、自分たちの気持ちをプレーで見せたいという想いもある。前節は自分のミスで失点したので、岐阜戦では自分のゴールでチームを勝たせるという気持ちで臨みたい。とにかく、1日も早く、サポーターに勝点3をプレゼントしたい」

 もちろん、ハードワークは戦う上での最低限のベース。それだけで事態が変わるわけではない。福岡に求められているのは、いい時間帯も、悪い時間帯も含めて、90分間をどうやって戦うのかということにある。4連敗中は、いずれの試合でも立ち上がりに主導権を握ってチャンスを作っているが、だからと言って、必ずしもゴールが生まれるとは限らないのがサッカーというスポーツ。もちろん、早い時間帯にゴールを奪うに越したことはないが、そうならなかったときに、どのように相手の反撃をしのぐのか。そして、どうやって自分たちのリズムを取り戻すのか。それが、勝敗の行方を大きく左右する。

「ここのところ、前半はいいリズムの時間帯が続くが、悪いリズムになった時に守備の時のスタートの位置が曖昧になってやられることが多い。チームのやり方にこだわるばかりではなく、試合で起こっている状況をみんなで感じて、声を掛け合いながら、どうやって試合を進めるかということが必要。リズムが悪くなった時には、割り切って一度下がってからスタートさせて、しっかりと声を掛け合いながら、細かいところに全員で気を付けて試合を進めたい」(鈴木惇)
 いい時間帯があれば、悪い時間帯もあるのがサッカー。やみくもに、自分たちのサッカーをぶつけることだけにこだわっていては、試合をコントロールすることはできない。

 さて、岐阜との対戦で注目したいのは前後半の入り方。これまでの試合では、試合の立ち上がりに一気に方を付けてしまおうという形のものだったが、それでは90分間持たないのは、4連敗中の試合が証明している。立ち上がりに主導権を握る戦いを継続しつつも、その時間帯を90分間の中で、どのように位置づけるかを明確にしてプレーしたい。そして、相手が仕掛けてくる後半の立ち上がりに、もう一度前から仕掛けて主導権を握り、その上で、試合の流れや、相手の状況を判断しながら、行く時と、行かない時のメリハリを付けたい。受けに回った時の守備が機能しない現状の中では、あくまでも、自分たちが意図する形で守ることが最優先。それが失点を少なくすることにつながる。

 ただ、これまでの試合がそうであったように、岐阜との戦いも難しいものであることは間違いない。どちらかと言えば、思うように試合を運べる時間は少ないかもしれない。しかし、それが今のチームの現実。そこから逃げずに、どこまで辛抱強く戦えるかが何よりも大切だ。「こういう状況にしたのは自分たちの責任。改善するのも自分たちの責任として、しっかりやっていきたい」。そう話す古賀正紘の言葉通り、自分たちの力で立ち向かわない限り光明は見えてこない。どんな試合になっても、最後まで勝利を目指す試合が見たい。


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