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【フットボールな日々】やるべきことを当たり前に

取材・文・写真/中倉一志

 水戸の天候は曇り。気温は24度。それほど湿気もなく比較的過ごしやすい気候です。水戸を初めて訪れたのは2004年。私が全試合取材を始めた年の最初のアウェイ取材場所が、まだ水戸市立陸上競技場と言われていた、このスタジアムでした。「J2は、こんなところにある、こんなスタジアムで試合をしなければいけないのか」。それが、当時の率直な印象でしたが、すっかり様変わりした駅前とスタジアムを見ながら、「世間はどんどん変わっていく。何もせずにいたら置いていかれる」という当たり前のことを感じています。

 さて、今日はJ2第25節の水戸戦。後半戦での巻き返しを図る福岡は、違った姿を見せられないま3試合を過ごしてしまいました。前田浩二監督は「とにかく、やりきること」と繰り返しますが、チームは自分たちのサッカーを表現することなく、不用意なミスを繰り返して勝点を落とし続けています。トレーニングは相変わらず緊張感もあり、モチベーションも高く、決して精神的に落ちているわけではないのですが、試合になると自ら崩れていく。そんな試合を続けています。

 ただし、注意深く見ていると、不用意なミスや、単純なマークミスが試合と同じように散見されます。サッカーにはミスがつきもので、ミスが起こること自体に問題ではないのですが、やってはいけない場所で、やってはならないミスをする。しかもそれは、ほんの少し注意深くプレーすれば、あるいは、それぞれの役割をしっかりと理解していれば起こるはずのないミス。さらに言えば、特定の誰かではなく、まんべんなくミスが起こる。そこに福岡が抱える大きな問題があるようです。

 個々の意識の問題は大きいと思います。しかし、それだけではなく、状況を考えたポジショニングや、サポート、カバーへのこだわりが薄いようにも感じています。あと一歩動いていれば。あと数10センチだけ距離を詰めていれば。そんなシーンが多く見受けられます。サッカーは1人でやるスポーツではありません。バスの出し手と受け手。サポートされる側とサポートする側。その両方にディテールに対するこだわりがなければ、ボールを運ぶことはできません。

 言い換えれば、個々の意識はもちろんですが、チームとしてディテールに対する意識が甘いことが、今の状況を招いているように思います。今週のトレーニングでは、前田監督は「連動する」ことをテーマに、ボールの反対側にいる選手のポジショニングを細かく修正していましたが、それを実践の場で表現できるか否かが、今日の試合の行方を握っているように思います。相手云々ではなく、自分たちがやるべきことをやりきれるか。今までとは違った流れで勝利してほしい。切にそう願っています。


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