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【J2第24節】重たい敗戦

120717_01.jpg 2012Jリーグ Division2 第24節
モンテディオ山形-アビスパ福岡
日時/2012年7月15日(日)19:00
会場/NDソフトスタジアム山形
結果/山形3-1福岡

取材・文・写真/中倉一志

 前半戦を首位で折り返しながら、最近の5試合を見れば1勝2分2敗と思うように勝点を伸ばせない山形。J1昇格争い後半戦での巻き返しを図りながら、ホームで戦った前節の徳島戦を自滅の形で落とした福岡。互いが置かれている立場は大きく違うが、どちらも勝点3しか必要がない試合であることに変わりはなかった。そして、10000人を超す山形サポーターが大声援でチームを後押しすれば、完全アウェイの中で勝利を得ようと、はるか遠くからスタジアムにかけつけた福岡サポーターも、あらん限りの声をあげてチームを勇気づける。

 そんな中、立ち上がりの主導権を握ったのは福岡。コンパクトなゾーンを形成して高い位置からプレスをかけてボールを奪取。ワンボランチで守る宮坂政樹の両脇に素早く楔のボールを入れて起点を作ったかと思えば、ラインの裏を狙う坂田大輔、城後寿らにシンプルにボールを入れる。そして、ボールを失っても高い位置ですばやくプレスバックして奪い返す。出足の速さでも山形を上回る福岡は、狙い通りのサッカーで山形を自陣内へと押し込んでいく。完全アウェイのスタジアムで躍動する姿に、遠方から駆けつけたサポーターのゴールへの期待が膨らむ。

 だが、粘り強さと安定感をチームカラーとする山形はゴールを許さない。福岡の攻撃に振り回されていた序盤の時間帯を凌ぎながら、徐々に体制を整え、15分を過ぎたあたりからは、すばやく守備ブロックを敷いて福岡の攻撃を封じ込めることに成功すると、30分を過ぎてからは攻撃に反転。福岡を攻める時間が増えていく。そして40分、GK神山竜一がハイボールをキャッチしようとしてファンブルしてこぼれたボールに石井秀典が右足を振り抜いて先制ゴールを奪った。ゴールそのものは相手のミスによるものだったが、劣勢にもリズムを崩さず、そして、安定した戦い方で試合を自分たちのペースに持ち込むのは山形の戦い方。山形らしさが際立った前半だった。

 それでも、まだ前半が終わっただけ。この時点では福岡にもまだチャンスはあった。先制点を奪われた直後にはカウンターから西田剛が裏へ飛び出して決定機を演出。立ち上がりのサッカーを続けていけば十分に巻き返す時間もあった。
 しかし、そうはならなかった。後半の立ち上がりに課題を抱える福岡は、この日も前半とは全く違うチーム。積極的に仕掛ける山形の前に全く守備が機能しない。サイドアタックになす術もなく陣形を崩され、そしてクロスボールにDFラインが大きく振られる。そして後半立ち上がりの50分にカウンターから鮮やかに攻め込まれて2失点目を喫すると、58分には中島裕希に右サイドを突破され、最後は船山祐二をゴール前でフリーにしてしまって3点目を失った。80分に途中出場の木原正和が1点を返したものの流れは変わらず。試合は3-1で山形が制した。

 互いの差が顕著に結果に表れた試合だった。
 劣勢にも大きく乱れず、堅固な守備をベースに自分たちのリズムを取り戻したのが山形なら、自分たちの時間帯に決定的な仕事が出来ず、1点をリードされると、そのまま悪い流れに飲み込まれて自分たちのリズムを崩してしまったのが福岡。前田浩二監督は「忍耐力の差」と試合を振り返った。そして、球際の争いでも戦えていなかったのは福岡。「簡単にクロスを上げさせないとか、あそこでスライディングをしておけばとかの問題。その部分は明らかに山形との違いだった」(同)。勝負所の局面で、軽いプレーでピンチを広げていたのが福岡だった。

「終わってみれば情けないというか。前半はいい入り方をして、そこで2点、3点取っていれば絶対にこちらのペースだったし、最初からの流れで行けば絶対に勝てる試合だった」と試合を振り返ったのは畑本時央。その表情からは消すことの出来ない悔しさが滲み出ていた。しかし、悪い流れを凌ぐことが出来ずにズルズルとやられるのは、今シーズンの福岡が抱えている大きな問題。流れのいい時間帯に得点を奪うことはもちろんだが、自分たちが仕掛ける守備は機能しても、相手を受けた時の守備が全く機能しない。どんな相手との試合であっても、サッカーには必ず相手の時間帯がある。それを凌ぎきれなければ勝利は遠い。抱える問題をどのようにして解決するのか。残る試合が少なくなる中、福岡が抱える問題は小さくはない。


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