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【フットボールな日々】徳島戦を終えて

120707_01.jpg 2012Jリーグ Division2 第23節
アビスパ福岡-徳島ヴォルティス
日時/2012年7月8日(水)18:00
会場/レベルファイブスタジアム
結果/福岡1-3徳島

取材・文・写真/中倉一志

 J's GOALにも書きましたが、福岡が犯したふたつの大きなミス。それがすべてでした。マンマークで守っていながら、相手を完全にフリーにしてしまった15分の失点。何でもないクロスボールの目測を誤って、みすみす2点目を献上してしまった52分のシーン。攻撃面で進歩が見られ、ゲームを支配していたのは福岡だったと思いますが、それでも、してはいけないミスをふたつも重ねてしまっては、サッカーの神様がほほ笑んでくれることなどありません。完全に自滅と言える試合でした。

 いま福岡が抱えている大きな問題は、過去の失点のほとんどが、あり得ないミスから産まれていることに加え、そのほとんどが、どこかで、誰かが、ほんの少し注意深さを発揮すれば起こらないものであること。そして、その傾向が、23試合を消化してもなお続いていることにあります。戦術面の徹底や、技術力の向上、はたまた戦力の充実など、やらなければならないことは幾つもありますが、まずは当たり前のことを、当たり前にやれるようにならなければ、今の状況を抜け出すことは難しいと感じています。

 徳島戦後の記者会見で前田浩二監督が話した通り、この日、選手たちは高い集中力を持って試合に臨んでいました。気合いも入っていたと思います。けれど、現実問題として、それでもディテールにこだわりきれない自分自身がいる。それがチームの現実だと思います。まずは、その事実を真摯に受け止めるところから始める必要があります。選手個々のポテンシャルが高いという評価は身内だけのものではありませんが、それも、ディテールにこだわりきれなければ、何の意味も持ちません。

 そして、直面している課題が今のチームに限ったものではなく、過去、営々と続くものであることからも目をそらしてはいけません。監督が代わっても、選手が代わっても、いつも同じ問題に直面するのは、それは、クラブが抱えている問題がチームに反映していることを意味しています。チームはクラブから独立した組織ではなく、クラブに属する組織のうちのひとつ。当然のように、チームの姿とは、クラブの姿を映し出したものであり、チームがクラブ以上の力を発揮することはないからです。

 フロントをはじめ、職員から選手まで全員が、それぞれの立場でディテールに徹底してこだわること、そして、それを実行することを互いに強く要求し合うこと。それがいま、福岡に求められています。目の前の現実から目をそらすことなく、何故そういう現象が起こったのか、何故やるべきことがやれなかったのか、では、どうすればよいのか。それを徹底的に要求しあって次へ進むこと。その繰り返しが、負の連鎖を断ち切る方法だと思います。


Comments
 ディティールとは
言わんとしているディティールとは具体的にどういうことですか?
 
>あびあびさん
コメントありがとうございます。

プレーで言えば、それほど難しいと思われない場面であっても、何気なくプレーするのではなく、あと半歩寄せるとか、あと数10センチ走り切るとか、そういう部分です。いわゆる、どうでもいいことのように思える場面や、普段なら見逃しがちな場面や部分に、細心の注意を払って行動するというような意味で使っています。

分かりやすい例で言えば、湘南戦の前半ロスタイムに失点を喫したシーンがディテールにこだわれない典型的な例でした。
スコアが0-0の状況の中、成岡が低い位置でボールを受けた時、相手のプレッシャーは全くありませんでしたが、そこから小原の前にあるスペースへ出したパスに小原が追いつくことができずボールがラインを割り、さらに、そこからのクイックスローに対応できず、堤がハンドの判定で退場。そしてPKで先制点を奪われたシーンです。

時間帯を考えれば、出し手が足下に確実に送れば、あるいは受け手がきちんと動き出していれば、パスは簡単につながって前半は終わっていたはずで、堤の退場も、PKもありませんでした。どちらの判断が悪かったということではなく、簡単にパスをつなげる状態であったとしても、細心の注意を払って、どのようなプレーを選択するかを明確にする必要があったということです。「○○は○○するだろう」ではなく、お互いが「誰が、何を、どうするのか」を確認し、あるいは互いに「こうしろ」と明確に要求しなければいけなかったということです。あの日は雨が降ってピッチがスリッピーでしたから、なおさらのことだったと思います。さらに言えば、パスミスに対してエクスキューズする前に、陣形を整えることを優先していれば、クイックスローにも対応できたはず。もちろん、福岡の僅かな隙をついてクイックスローした湘南の判断をほめるべきシーンではありましたが、あと数10秒過ごせば良かったわけですから、最新の注意を払って、どちらに優先順位があるかを判断しなければいけませんでした。
もちろん、ゲーム中に全てのことを確認できるわけではありませんし、全ての場面で正しい判断を下せるわけではありませんから、常日頃から、そういう部分にこだわる姿勢を積み重ねておかなければいけないのは言うまでもありません。

これは一例にすぎませんが、それぞれのケースでこだわらなければいけないことは違ってくるわけですし、それぞれの判断が必ずしも一致するとは限らないので、その都度、しっかりと要求し合うことが必要だということです。徳島戦の2失点目のシーンは、最後の場面に大きな問題がありましたが、ハーフウェイライン近くで、坂田が相手のボールホルダーにプレスをかけてサイドへ追いやった時点で、周りの選手のポジショニングが、あと数10センチ違っていればサイドを突破されることもなかったはずです。これもディテールにこだわり切れない一例です。

プレー以外の面で言えば、物事が上手くいかない時に、ただ「上手くいかない」と片付けたり、置かれている厳しい状況を「厳しい」と嘆くことで終わるのではなく、なぜ上手くいかないのか、何故、厳しい状況に置かれているのかについて、「なんで?なんで?」と、とことん原因を追求し、「もっと、他にすることがあるのではないか」と徹底して突き詰め、プレー面と同じように、「では、誰が、何を、どうするのか」ということを明確にしなければいけません。悪い状況を前にして「次に頑張ろう」では物事の解決にはなりません。

ニュアンスを理解していただけるとありがたいのですが…。言葉足らずですいません。

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