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【フットボールな日々】さあ、仕切り直し

120612_01.jpg 取材・文・写真/中倉一志

「ピッチの中でしか分からないことがある」。以前、福岡に所属していた選手が、良く使っていた言葉です。そして、第18節の福岡ダービーを見ながら、その言葉を思い出していました。スタンドから俯瞰で見る限り、いわゆるダービーを感じさせる激しいぶつかり合いは多くはありませんでしたが、66分の城後寿の途中交代や、84分に古賀正紘がピッチを一度離れたシーンは、地味に見えても激しく動き回っていたことを感じさせるシーンでした。

 その成果が表れたのか前半だったと思います。全員が細かく動きながらパスを回し、ジャブを打ちこむように、相手の選手の間に入り込む選手に楔のボールを入れて守備網を崩しにかかり、それが駄目なら、もう一度作り直してから、相手のラインにギャップを産ませるべく再び楔のボールを入れる。縦に急がず、丁寧にそれを繰り返し、ギャップ出来たと見るやラインの裏を陥れる。25本のパスを回して奪ったゴールは、まさにその形から。これまでの試合と比較して、自分たちが目指すサッカーを最も表現できた時間帯でした。

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 それを中盤で支えていたのが岡田隆だったと思います。
「攻撃で相手を圧倒しようというコンセプトがある中で、それを実現するためには守備で圧倒しなければ難しいと感じていたので、自分がスイッチになって、周りを動かしながら、相手にプレーをさせないために、早く奪って自分たちの時間を多くするということを意識してプレーした。」(岡田)
 その言葉通り、この日の前半の福岡は、失ったボールに対して素早くプレスバックして簡単に奪い返し、ほぼ一方的にボールをまわして主導権を握り続けました。

 そして、もうひとつ重要なファクターが「声」でした。
「1人、1人が、より声を出していたし、行かせる声と、行かせない声が、すごく後ろから聞こえた。隆にしろ、章吾にしろ、自信を持って声を出してくれた」(高橋泰)
「なるべく声を切らさないようにしていた。みんなも、きつい時間帯ほど声が出ていたし、それが最後まで集中力を保つことができた要因になった」(小原章吾)
 後半は北九州に押し込まれる形にはなりましたが、それを無失点で切り抜けられたのも、最後はゴール前に鍵をかけて守り抜くという意思統一が出来たのも、互いに掛け合い、要求し合う声があったからでした。

 すべてがうまく行ったわけではありません。最後は割り切ったとはいえ、守備一辺倒になってしまった後半の戦い方には課題が残りました。しかし、今の福岡に必要な物は内容によりも勝点。それを重ねることでチームに自信が産まれ、この日の前半の戦い方を続けることがチームの成長につながります。次の試合は中3日で迎えるアウェイ・松本山雅戦。いつものように簡単な試合にはならないと思いますが、しっかりと勝利を手にして帰ってきてほしいと思っています。

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