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【徳島-福岡プレビュー】生き残るのはどっちだ?

取材・文・写真/中倉一志

 Jリーグ2012年シーズンが始まって1カ月。まだ8試合しか消化していない段階で今シーズンの行方を云々するのは、あまり意味があることではない。もちろん、勝利を積み重ねるに越したことはないが、今は、シーズン前に確認した自分たちのスタイルの浸透度を深め、チームとしての完成度を上げることが何よりも大切。やるべきことを確実に積み上げていくこと。それが、中盤から終盤にかけての山場でモノを言うことになる。

 しかしながら、今日の戦いを勝ち抜けない者に明日がやって来ないのも勝負の世界の鉄則。特に、J1昇格を目標にしながら思うように勝点を積み上げられない福岡と徳島にとっては、何があっても勝点3が欲しい。その直接対決を前に神山竜一は次のように話す。
「ここで徳島を叩いておけば今後の昇格争いで優位に立てる。けれど、徳島は力のあるチーム、勝点3を与えてしまうと、勢いに乗りかねない」
 このままズルズルと下位に低迷するのか。それとも、上位陣に喰らいついて追撃態勢を整えるのか。両チームにとっては、今シーズン最初の山場と言える対戦を迎える。

 その試合で福岡に求められているのは、前節同様に安定した守備を見せることだ。守備組織、守備戦術という点で言えば、福岡は、まだまだ多くの物を積み上げる必要があるが、そのベースとなるのは、ディテールの部分にこだわり続ける姿勢。奪われたら素早くプレスバックする、攻守の切り替えをより速くする、最後まで体を寄せて相手を自由にしない等々、サッカーの基本と呼べる部分に、どこまでこだわれるか。それがあって、はじめて守備戦術が機能することになる。

 攻撃面においても、求められている物は変わらない。自分たちに流れがある時は、怖がらずに楔のパスを打ち込み、相手に流れがあるときは、守備に注力しながらカウンターを狙う。そして、カウンターを仕掛けるときはシュートで終わって打ち合いをしない。いずれも基本とも言える部分。そこにこだわり続けることが必要だ。鍵を握るのは、鈴木惇、末吉隼也のボランチコンビ。2人が、どれだけゲームをコントロールできるかで、勝負の行方が決まる。

 福岡は連敗を止めたとはいえ、まだ流れに乗っているとは言い難い。前節の引き分けが価値あるものだったのか、それとも勝点2を落としたものだったのか、それは、徳島戦の結果で決まる。悪い流れを断ち切るには勝利しかない。
「悪い流れの時は必ずあるが、それを出来るだけ短くすることが大事。そのためには、徳島戦では勝点3が必要。引き分けもいらない。サポーターに悲しい想いはさせたくないし、自分たちも野次は聞きたくない。チーム、フロント、クラブ職員、サポーター、そしてメディアの皆さんも含めて一丸となって戦い、最後は笑顔で終われるようにしたい。そのためには、まず、ピッチに立つ11人が厳しさを求めてやらないといけない」(城後寿)

 福岡にとっての徳島戦は、これまでの8試合で得た教訓をもとに、これからの戦いを上昇気流に乗って戦うための仕切り直しの1戦。勝利の二文字は譲れない。


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