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【フットボールな日々】足りないものを求めて

120412_01.jpg 取材・文・写真/中倉一志

 愛媛戦については既にレポートを掲載しましたが、強く印象に残ったのは「意識」という言葉でした。愛媛側からすれば、4得点はいずれも素晴らしいプレーから生まれたものでしょうが、いずれの失点も、ほんの少しアラートさがあれば防げたものでした。相手のポジションを確認する。走り込んでくる選手をケアする。一番危険な場所がどこかを事前に察知する。クリアとつなぎをはっきりと分ける。ほんの少しの注意深さが足りなかったことが、敗戦を招いた要因だと感じています。

「このくらいでいい」という言葉は勝負の世界では通用しません。万全の注意を払い、さらに、わずかな危険性をも排除する注意深さが必要です。そして、「分かっているはず」という言葉は勝負の世界では命取り。どんなことでも、互いに確認を怠らないことが、わずかな隙を作らないことにつながります。選手たちがいい加減にプレーしていたとは思いませんが、チームとしての意識のレベルが、まだ十分ではないということ。それが4失点の意味するところだと思います。

 また、前へ出る強さ、勇気という点でも物足りなさを感じた試合でもありました。サッカーはお互いにいい時間帯と、悪い時間帯が行ったり来たりするスポーツ。その中では、悪い時間をいかに過ごすかがポイントになりますが、ただ耐え忍んでいるだけでは苦しい時間は過ぎ去ってくれません。我慢の時間は、自分たちのリズムに戻すべく反撃の機会を見つけるためのもの。どんな時でも、隙さえあれば、即座に押し返すという強い勇気と準備がなければ勝利を手にすることはできません。

 千葉戦、鳥取戦のように、ゲームをコントロールして戦うのも福岡なら、京都戦、愛媛戦で見せた姿も福岡。どちらが本物かということではなく、すべてが福岡の実力なのだと思います。ファーストディフェンダーが定まらなかったり、あるいは強く行けないという課題はありますが、やはり、チームとしての意識レベルが安定しないことが、いまの状況を作り出しているのだと思います。いわば「勝者のメンタリティ」をいかにして手に入れるか。それが福岡に課された宿題のような気がします。

 そもそも、J2で戦っているという現実は、チームとして何かが足りないことを意味しています。いわば、足りないものを手に入れるための戦いがJ1昇格レース。そして、足りないものを手に入れたチームに、J1の舞台が用意されているのだと思います。
 2日間のオフを終えた11日、前田浩二監督の檄を浴びながら、選手たちは大きな声で指示を出し合ってボールを追っていました。立ち止まっている時間も、下を向いている時間もありません。足りないものを嘆くのではなく、足りないものを手に入れるためにチャレンジし続けること。それが今の福岡に必要なことだと思います。


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