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【フットボールな日々】全てはディテールで決まる

120407_01.jpg 取材・文・写真/中倉一志

 テニスのようにネットで互いの陣地が区切られているスポーツや、野球のように攻守が明確に分かれていて、等しく攻撃の機会が与えられているスポーツでは、互いが力を出し合う好ゲームが生まれることがあります。しかし、いわゆるフットボールのように、ひとつのフィールドをお互いが取り合うスポーツでは、互いの力の和は常に100に制限されており、どちらか一方が押し込めば、もう一方は制限された中でのプレーを余儀なくされます。

 そうした条件下で行われるサッカーでは、いかにして自分たちの時間帯を長くし、いかにして悪いリズムの時間帯を短くするかの駆け引きが至る所で行われます。そして、駆け引きの末に生まれるわずかな差が、ゲーム全体のリズムに大きな影響を与えるのがサッカーというスポーツです。その差は、たとえて言うなら、ほんの一歩。その20数センチの差が互いの立場を大きく分けることになります。力の差を感じさせる試合も、実は、そうしたディテールの部分で決まっていると言えます。

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 その典型的な例が、福岡が敗戦を喫した湘南戦、京都戦の2試合だったように思います。湘南戦の前半は相手のリズムで進む試合。福岡にとっては苦しい展開でしたが、悪い時間帯をいかにして耐えるかという観点で言えば、0-0のスコアで推移する試合は、決して悪い展開ではありませんでした。ところが、前半終了まで1分を切ったところで生まれたパスミスが、すべてを大きく動かしてしまいました。あの試合は、このパスミスがすべてでした。

 そして京都戦。一方的に押し込まれ、攻め手を見つけられない前半の厳しさは湘南戦以上のものでした。しかし、前半を終えてのスコアは2-1で福岡がリード。内容はともかく、勝負という観点では、やはり悪くはないものでした。しかもゴールという結果は試合の流れに大きな影響力を持つもの。案の定、後半の立ち上がりは京都から前へのパワーが消え、福岡が一方的にボールを支配する展開に。後半になって福岡らしさを発揮しつつあるチームを見ながら、十二分に勝機があると見ていました。

 ところが、そこで生まれた1本のパスの乱れと、その後の対応の悪さが、変わりかけていた流れを元に戻してしまいます。京都と福岡の間に力の差は感じられませんでしたが、結局、京都の同点ゴールを産んだ一連のプレーが、完敗と認めざるを得ない試合内容を作り出してしまいました。もちろん、個の能力も、戦術も、試合には大木な影響を与えます。しかし、それもディテールの部分を抑えられなければ意味をなしません。ディテールにどこまでこだわれるか。それが愛媛戦の鍵になりそうに思います。

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