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【J2第2節 町田-福岡】苦しみながらも2連勝

2012J2 第2節
2012年3月11日(日)13:04
駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場
入場者数:4,286人 天候:晴
FC町田ゼルビア 0-1 アビスパ福岡
得点者:27分鈴木惇(福岡)

文・写真/中倉一志

 Jリーグで初めてのホームゲームを戦う日。この日、FC町田ゼルビアは特別な日を迎えた。一歩ずつ歩みを重ねてたどりついた夢の舞台。その記念べき日を自らのホームスタジアムで開催できないという無念さを感じながらも、それでも誰もが晴れやかな笑顔を浮かべている。ついにこの日がやってきた。様々な出来事を胸に抱きながら、そんな想いがスタジアム全体から感じられる。同時に、たどりついたゴールは新たな歴史へのスタート。このゲームでJリーグに最初の一歩を刻もうという意識は高い。

 その町田と戦うのはアビスパ福岡。Jリーグ参入17年目を迎える福岡も、今シーズンは監督を始めスタッフを総入れ替えしたことに加え、新加入選手10人を迎えて新たなチームとしてリスタートを切った。Jリーグでの歴史、経験で言えば町田を大きくリードするが、それだけで勝利が得られるほどサッカーは甘くない。前田監督も「相手のホームゲームで戦う試合。メンタル面で強い気持ちで臨まないといけない。全員が注意すべき相手」と警戒心を緩めない。

 試合は13:04にキックオフ。互いにボールを落ちつけられない時間帯を経て、主導権を町田が握る。最初の決定機は7分。平本一樹がドリブルで仕掛けた。その後も、13分、19分、そして20分と町田は立て続けにチャンスを演出していく。戦い方はシンプル。手間をかけずに早めに前線にボールを入れ、セカンドボールを拾って縦へ仕掛ける。前節の愛媛戦では、ほとんど何もさせてもらえなかったが、ホーム開幕戦ということもあって、全員がはつらつとアグレッシブにゴールを目指す。その町田の前に福岡は完全に後手に回った。

 さらに、ピッチコンディションの悪さが福岡から攻め手を奪う。グラウンダーのパスがポンポンと跳ね上がるピッチの上でボールコントロールに苦しみ、パスを思うようにつなげず、やがて守備のリズムも狂っていく。
 それでも、先制点を奪ったのは福岡だった。時間は27分。一瞬の隙をついて鈴木惇が左足を振り抜いた。「流れを引き戻すために力を抜いて打った。フィニィッシュに入る前の段階が出来ていなくて、ゴール前へ運んでフリーになったのは、あの場面くらいしかなかったので、ここはパスを出してカウンターを受けるよりはシュートと決めていた」(鈴木)。鮮やかな弾道を描いたボールがゴールネットに突き刺さった。

 その後も、自分たちのリズムで戦い続けたのは町田。しかし、福岡にとって、先制ゴールは精神的に大きな寄り所になったようだ。そして福岡は、0-1のまま試合を終わらせる選択をする。「パスをつなぐサッカーは難しいなと感じていたので、ハーフタイムに、みんなで割り切って戦おうと話していた」(木原正和)。町田同様に早めに前線にボールを放り込み、併せて、両SBの攻撃参加を控え、リスクを最小限に抑える。さらに、62分に高橋泰に代えて木原を投入し、裏へ走らせて町田の前へのパワーを減少させ、68分には成岡に代えて末吉をピッチへ送り出して、中盤を守備的な布陣に変えた。そして福岡の狙い通り、試合は0-1で終了。苦しみながらも福岡が開幕2連勝を飾った。

 90分間を通してみれば、試合の主導権を握っていたのは町田。後半も、60分、71分、75分には決定機を演出。ゴールチャンスは明らかに町田の方が多かった。しかし、クロスバーに阻まれ、右ポストにはね返され、そして、誰もがゴールだと確信した勝俣のシュートは、クロスバーを大きく越え、結局、ゴールネットを揺らすことができなかった。どれかひとつが決まっていれば、この日の結果は全く違うものになっていたはずで、町田にとっては悔やんでも悔やみきれないシーンだった。

 一方の福岡。開幕戦も、町田との戦いも、決して両手を上げて喜べるように内容ではなかったことは確かだ。しかし、それでも2試合を終えて手にした勝点は6。「引き分けでも仕方ない試合内容だったし、終始押されてもいたが、最終的に勝ったのはうち。そこは評価できる所じゃないかと思う」と高橋泰は試合を振り返る。リーグ戦は1年間の積み重ねで勝負する場所。苦しい展開に追い込まれた時に、どうやって勝点を積み重ねていくかを全員で考え、それを実行することでチームに本当の力と勢いがついていく。そういう意味では、1年でJ1復帰を目指す福岡にとっては上々のスタートになった。


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