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なでしこジャパン、いよいよノックアウトラウンドへ。

文/西森彰

 女子ワールドカップを戦うなでしこジャパンは、グループリーグ最終戦も1点差勝ち。2試合連続で大敗を喫していたエクアドルが相手ということもあり、ゴールラッシュを期待されたが、大儀見優季の1ゴールにとどまった。得点力不足というネガティブな面がクローズアップされがちだが、ポジティブに見れば3試合続けて緊張感のある局面で(安藤梢の負傷離脱というアクシデントこそあったが)、全選手を起用できた。これはノックアウトラウンドに入ってからのスケジュールを考えると、大きなアドバンテージになる。

 今大会の変則日程により、グループCの日本は中6日の間隔を空けて、ベスト16の戦いに挑むが、対戦相手のオランダはグループリーグ最終戦から中7日。ベスト8でも中3日対中5日の不利を背負う。試合間隔が常に中3日(準決勝に負けると3位決定戦までは中2日)。ほとんどのゲームで対戦相手より疲労回復の時間が短い。また人工芝会場では予期せぬアクシデントも多く、セオリーに反するGKの使い分けも含めて、決して理由がないわけではない。



 さて、ベスト16で顔を合わせるオランダは、ヨーロッパ予選をグループ2位同士のプレーオフに勝ち残って、ワイルドカードを手にした。グループリーグで同居していたスイス、カメルーン、エクアドル同様、女子ワールドカップ初出場国。ただ、情報の少なさ、そして大会を戦いながら成長していることを考えれば、決して侮れない。

 基本的に7枚で守って前の3枚で攻めるスタイル。長いボールを、11番のマルテンス、そして7番のメリスという左右のウイングに預ける。スピードに乗ってDFラインの裏を突いてのシュート、あるいはCFのミーデマへのクロスが怖い。中盤以下の選手は、正確さにやや欠けるものの、パスの飛距離だけは十分。自陣から前線まで一発で蹴れるキック力が、3トップの良さを引き出している。

 日本は、佐々木則夫監督の選手起用に注目が集まる。MFから前はボールをつなげる選手で構成し、相手を振り回したい。ボランチに宮間あやと阪口夢穂、右に川澄奈穂美、左に鮫島彩。FWは大儀見優季のパートナーに誰を持ってくるか。オランダの最終ラインは、混戦での反射神経が今一つ。こうした場面での得点が得意な、菅澤優衣香、大野忍、そして岩渕真奈の誰を、どの時間帯で使うかもカギを握りそうだ。

 DF面では、相手の高さを計算に入れれば、GKは山根恵里奈の起用が順当。そしてカウンターへの対応力に秀でた岩清水梓、熊谷紗希まで、ゴール前のトライアングルは間違いない。問題は、佐々木監督が、オランダの両ウイングへの対応を誰に任せるのか。近賀ゆかり、宇津木瑠美ではないかと予想するが、ここも注目のポジションだ。



 単純な力の比較では日本優位は動かない。それでも優勝候補の一角・ブラジルがオーストラリアに敗れたように、一発勝負のノックアウトラウンドは、油断大敵だ。急がば回れ。楽に試合を決めようとせず、確実に勝ち点3を優先する今大会の戦いを続けることが、ベスト8への近道になるはずだ。
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