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アウェイの旅2015 大分編(その2)


【中倉一志=取材・文・写真】
スポーツの楽しみのひとつが非日常性にあるのなら、アウェイ観戦はまさに非日常。それは家を出た時から始まる。事前に調べた行程にしたがって、いつもなら使わない交通機関を使い、あるいは、いつもは通らない道を通って、目的地へと向かう。時には、道中でアクシデントに会うこともある。そんな時は「これもアウェイの洗礼だ」とつぶやきながら、困難に1人で立ち向かうヒーローよろしく、にやりとするのも悪くない。戦う場所は相手チームのホームスタジアム。もともと、思い通りに行くなどとは思っていない。

道中、ネイビーを身に付けた仲間を見つける。言葉は交わさなくても心が通う。そして、アウェイのスタジアムに前に立つと、身が引き締まるのを感じる。ゴール裏に足を運べば、レプリカユニフォームを着た仲間たちがいる。いつも会う顔も、初めて会う顔もいる。みんなチームとともに戦うためにアウェイの地まで足を運んだ仲間たち。互いの距離が一気に縮まるのを感じる。そして選手たちがピッチに現れると、ありったけの想いを込めてチャントを歌う。全員の心がひとつになる瞬間だ。

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この日、誰もが胸に抱いていたのは、ビッグアイ(大分銀行ドーム)で初勝利を挙げること。ダービーの因縁、歴史は鳥栖とのダービーとは比べ物にならない。ライバル意識という点で言えば、同じ福岡県内にある北九州に対する気持ちの方が強い。けれど、同じ九州のチーム相手に、12回戦って1勝4分7敗、ビッグアイでは1勝もしていないという事実は受け入れ難い。チームの順位も大切だが、これ以上、大分の好きにさせるわけにはいかない。

前半、福岡は厳しい戦いを強いられた。後半、そんなチームを後押しするために、チャントの声がさらに大きくなる。そして選手たちが前へ出る。先制点は56分の末吉が放ったロングシュート。さらに67分、キング城後が続く。ゴールが決まると一目散にサポーターのもとへ走る城後。誰よりもサポーターを大切にする城後らして喜びの爆発させ方だった。そしてアディショナルタイム、サポーターは選手たちの背中を押すように「博多へ帰ろ~う、みんなで帰ろう!」と歌い続ける。1点を失った。しかし、その直後に試合終了のホイッスルが鳴った。

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試合後、記者会見場に足を運ぶ。井原監督のコメントを取ったらミックスゾーンに移動。選手たちに試合を振り返ってもらう。それらは、試合の結果に拘わらずメディアとしてのルーティーンワーク。それでも、福岡の勝利の日は質問も滑らかになり、そして選手たちの口も軽い。チームとしての課題は、まだまだ多い。戦術理解度も、もっと、もっと上げなければいけない。しかし、現時点での自分たちの力で、どのように戦えば勝てるのか。その点において、チームの意思統一がなされているのを感じた。

ひと仕事済ませたら、大分トキハ前から福岡行きのパスに乗り込む。遅めの夕食は、大分へ行ったら必ず立ち寄る「五車堂」の「チキンカツ弁当」。五車堂は商店街の中にある昔ながらの洋食屋さん。カウンターがメインのお店は、食事時にはいつも満員。持ち帰りの弁当も人気だ。ノートパソコンほどある弁当の蓋をあけると、大きなチキンカツが顔を出す。大きな口をあけてかぶりつけば、幸せが口の中いっぱいに広がる。やはり、勝利は最高のスパイスだ。さて、次節もアウェイ。北九州との福岡ダービーが待っている。もちろん、勝利あるのみだ。(了)

※この記事は、WEBマガジン「football fukuoka」から転載したものです。
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