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なでしこリーグ、第3節を終えて(その2)

代表組抜きでも、新潟Lは完成度の高いサッカーを展開。


【西森彰=取材・文・写真】

 6位から8位には、昨季のリーグ戦上位チームが続く。浦和レッドダイヤモンズレディースは、開幕戦でI神戸に敗れ、第2節のジェフL戦も落として連敗。埼玉ダービーで、ようやく今季初勝利を手にした。

 昨年も、レギュラーシリーズ、エキサイティングシリーズ、皇后杯の3大会で「この試合に勝てば優勝」というシチュエーションを幾たびも迎えたが、どの試合でも勝ち切ることができなかった(エキサイティングシリーズは得失点差で優勝)。逆転された開幕戦を含む3試合全てでビハインドを背負ったが、こういう逆境を乗り越えることが、チームの成長につながる。

 仙台から獲得した長船加奈の離脱は誤算だが「(長いリハビリ生活を)全て喋ろうとしたら、数時間はかかります」という藤田のぞみが復帰。試合ごとに先発メンバーを変えられる利点を活かせば、巻き返しの機会は巡ってくるだろう。

 昨季3位のアルビレックス新潟レディースも浦和同様に開幕2連敗を喫した。どちらも完封負けだが、シュートチャンスで大事に行き過ぎた感が強い。そのあたりを「映像を見ながら、選手同士で確認しました」(大石沙弥香)という第3戦では、17本のシュートを浴びせて勝利した。得点は僅かに1点だが、これは相手GK福元美穂の好セーブあってのもの。内容的には完勝に近い。

 北原佳奈、上尾野辺めぐみと代表組が相次いでケガに見舞われたが、このふたりを欠いても、チームバランスは機能している。能仲太司監督の下、この2年間で積み重ねたものが活きているのだろう。期待のルーキー・八坂芽衣も第3節で公式戦デビュー。「高校でもこうした場面で出ていましたし、それほど緊張はしませんでした」と八坂。1点差の場面でこうしたカードを切ることで、選手層は厚みを増していく。

 昨季、レギュラーシリーズを制した岡山湯郷Belleも、1勝2敗と出遅れた。このオフに、簡単には代えの効かない、有町紗央里、中野真奈美が移籍。昨季も選手が大きく入れ替わったが、その時との違いは、守備よりも構築に時間がかかる攻撃の再編成が必要ということ。現状の成績は満足いくものではないが想定内とも言える。

 去る者あれば来る者あり。今季は、高校女子サッカーで活躍した選手が、ひとりまたひとりとデビューを飾っている。この湯郷ベルにも、開幕戦から先発している岸野早奈をはじめ、大久保舞、森迫あやめと好素材が加入した。彼女たちのコンディションがなでしこリーグのレベルに追いついて来れば、チームの状況も上向いてくるはずだ。

丸山桂里奈(右)と成宮唯(左)のホットラインは、本並監督(右)の切り札だ。

 スペランツァFC大阪高槻とASエルフェン埼玉の2クラブが、今季未勝利。AS埼玉は昨年のタイトルホルダー3チームに3連敗。こちらも湯郷ベル同様に選手が大きく入れ替わった。新たに指揮官となった吉田弘監督は「上位リーグに進んで経験を積む」と青写真を描く。そのためには、これから始まる中位以下のクラブとの直接対決が重要になる。

 大阪高槻は、チャレンジリーグ降格後1年でなでしこリーグに返り咲いた。こちらは、昨年を勝ち抜いたメンバーを軸に、戦術面を180度変えてきた。上位チームとは彼我の力関係を認めつつ、5バック気味の布陣で守りながら、カウンターに活路を求める。降格した2年前との違いは、チーム全体でこの戦い方を理解していること。そして丸山桂里奈の復活だ。

「体調は上がってきていて、フル出場も増えてきました。ノリさん(佐々木則夫監督・なでしこジャパン)からは『おまえ、本当に全部出ていたのか?』と聞かれたりもするんですが(苦笑)。私の場合、代表での役割はスーパーサブ。そうした役割の人は他にいないと思うので、監督が描いているピーク時の私を出せるかどうか。他の人との競争じゃないと思いますし」(丸山)

 前節のI神戸戦でも、その存在感は抜群。コンディションがいい時に発せられる「今日は調子があまりよくなかった」という泣きのセリフも出てきた。ここ2年ほどはケガもあって低空飛行を続けてきたが、ワールドカップイヤーを迎えて復活間違いなし。成宮唯とのホットラインは、今後も敵を脅かしていくことだろう。



 桜の季節から、新緑の季節へ。そして夏には女子ワールドカップカナダ大会を迎える。メンバー入りもかかる、なでしこリーグの戦いに、さらに注目していきたい。
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