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J2第3節 札幌-福岡プレビュー


【中倉一志=取材・文・写真】
2015明治安田生命J2リーグ第3節
対戦:コンサドーレ札幌vsアビスパ福岡
日時:3月21日(土)14:00キックオフ
会場:札幌ドーム

福岡は絶対に落とせない試合を札幌と戦う。本来なら、昇格争いのライバルとのアウェイでの戦いはドローで十分な結果だが、連敗スタートとなった福岡に必要なものは勝点3。さらに勝点を落とすようなら、チームを後押ししようという機運が高まっている福岡の町の空気にも影響が出かねず、チームもズルズルと行きかねない。自分たちのサッカーを表現することは大切だが、昇格を目標とするのであれば、この試合に限っては勝利以外に必要なものは何もない。

あの2人に仕事をさせてはいけない
「あの2人に絶対に仕事をさせてはいけない」。井原正巳監督も、選手たちも口を揃える。その2人とは昨シーズン17得点を挙げ、今シーズンから札幌でプレーするナザリトと、2列目に構えて虎視眈々とゴールを狙う都倉賢だ。

ナザリトは、高さ、スピード、パワーを兼ね備えた抜群の身体能力を誇るストライカー。ゴールだけではなく、ボールを収めて攻撃の起点にもなれる万能プレーヤーでもある。ボールが入れば、そのパワーとスピードを止めることは難しい。そして都倉もまた、高さ、スピード、技術、どれをとっても申し分のないプレーヤーで、その実力を思い知らされた昨シーズン第41節の戦いは記憶に新しい。

もちろん、注意すべき相手は2人だけではない。正確なフィードが武器の藤森晃斗。両サイドから積極果敢に駆け上がる前貴之と石井謙伍。ボランチには上里一将と今シーズンから加入したベテラン稲本潤一が構える。前への推進力に特長を持つチームで、勢いに乗せてしまうと捕まえるのは難しい。

戦い方はいたってシンプル。手間をかけずにナザリトに向かってボールを送り、そこを起点にしてゴールを目指す。いわばナザリトありきの戦術ではあるのだが、ナザリトが昨シーズンに挙げた17得点のうち、8ゴールがワンタッチプレーから生まれていることからも分かるように、ひとたびナザリトにボールが入れば、それを確実にチャンスに結びつける力がある。わずか一度の隙や油断が命取りになりかねず、福岡にとっては、どこまで集中力を高められるかが鍵になる。

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札幌第1節(3-4-2-1)
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札幌第2節(3-4-2-1)
前に出る勇気を持てるか
だが、ナザリト、都倉を警戒するあまり、気持ちが守りに入れば京都、愛媛との試合の二の舞になりかねない。福岡に求められているのは、立ち上がりから、いかにして前への推進力を発揮できるかということにある。そして、今シーズンから取り組んでいる守備戦術は、前へアグレッシブにボールを奪いに行ってこそ機能する。ただ3ラインを敷いてコンパクトなゾーンを作り、相手の出方を窺うだけなら、高い最終ラインの裏を簡単に取られてしまうのは明らか。リスク管理をしながらも、怖がらずに前へ出ていけるかどうかが試合の結果を左右することになる。

幸い、強力な攻撃陣を誇る札幌も、チームの成熟度という点で見れば決して高くはない。自分たちが前に向かって進んでいるときはスピード豊かな攻撃を展開する一方で、相手のボールホルダーに対し、ファーストディフェンダーが定まらずに、ボールに対してプレスに行けないという福岡と同様の問題を抱えている。前節の長崎戦では、その課題が露呈。自分たちのサッカーを表現できずに0-1で敗れている。勇気がまされば試合の主導権は握れる。

併せて、開幕2連敗という結果を受けて、井原監督がどのような修正を施してくるのかも注目を集める。監督就任会見時から、相手の状況を見ながら臨機応変に戦うという言葉を繰り返してきた。開幕間もない時期は、当然のように「我慢と継続」が必要だが、同時に成功体験も積んでいかなければチームは成長しない。自分たちのサッカーのベースを守りつつも、どのらようなエッセンスを加えてチームを活性化しようと試みるかは興味深いところだ。

勝負を分けるのはセカンドボール
おそらく、立ち上がりは互いにシンプルに前へボールを送る展開になるのではないか。札幌は、それがチームのスタイル。福岡は、立ち上がりに前に出ることが出来なかったという過去2試合の反省を活かして、意図的に前への意識を高めさせるために長いボールを使うのは、ひとつの有効な手段だからだ。実際、愛媛戦で失点するまでの6分間は、同様の形からチャンスも作っている。その中てセカンドボールの奪い合いが序盤戦のキーポイント。ここで上回った方が試合の主導権を握る。

もう一つのポイントは、1対1の球際での争いだ。過去2試合で、福岡は、この戦いを制していたとは言い切れない。また、ここまでの5失点に見られるように、大切なところでの当たりの弱さや、ここぞと言うところで集中しきれていないプレーが目立つ。「それが今のチームの力。そういったところも含めて詰めていかなければいけない」と井原監督は話すが、この1週間で取り組んできた成果を札幌戦で見せなければならない。
19日の練習終了後、選手たちはミーティングを行った。その場で、互いの意見や、改善策、勝負にこだわる姿勢等々を確認しあったはず。札幌戦では、それを見せてほしい。

※この記事は、WEBマガジン「football fukuoka」から転載したものです。
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