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J2第34節 富山vs.福岡 レポート

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【中倉一志=取材・文・写真】
アビスパ福岡は28日、アウェイ・富山県総合運動公園陸上競技場でカターレ富山と対戦。20分にセットプレーから先制点を奪われた福岡は、3連敗の悪い流れを引きずるような展開に終始。効果的な攻撃を仕掛けることができなかった。しかし、後半から平井が中盤に入ると流れが一転。60分にCKのチャンスにパク ゴンが頭で合わせて同点に追いつくと、81分にもセットプレーの流れから酒井宣福が決めて逆転勝ちを収めた。福岡は次節(10月4日)、アウェイ・フクダ電子アリーナでジェフユナイテッド千葉と対戦する。

3連敗の流れを引きずった前半
雁の巣球技場を包んでいた危機感がプレーに表れることが期待された富山戦。しかし、前半の福岡は、3連敗の悪い流れを引きずったままだった。運動量が上がらないチームは、プレスもはまらなければ、奪ったボールも思うように回せない。誰がボールを受けにくるのかという課題も未整理のまま。ラストサードに侵入してもアイデアを持てず、結局、これまでの試合同様に、待ち受ける相手に対して単純にクロスを入れるだけというパターンを繰り返すしかなかった。

対する富山は予定通りの戦い方。福岡の攻撃の起点に対しては激しくプレスをかけて自由にさせず、福岡の攻撃が停滞したと見るや、守備陣形を固めてゴール前への侵入を許さない。そして、最終ラインは1対1の強さを発揮して、福岡の攻撃陣を丁寧に潰していく。一方、攻め手は明瞭簡潔。2トップの宮吉拓実、苔口卓也、そしてトップ下に構える木本敬介の3人にシンプルにボールを預けて、3人のコンビネーションと突破力に得点を託す。試合は、富山の狙い通りの展開で進んでいた。

ただ、前半のうちに2失点目を喫しなかったことが、福岡にとっては幸いだった。しっかり守って、ワンチャンスでゴールを狙う富山は、実際に、狙い通りの形から追加点のチャンスを作っていた。自分たちがやりたいことは全て出していたと言っていいだろう。ただ、この日の富山は、前線での収まりが悪く、チャンスの芽を作っても、それを広げることができなかった。福岡にしてみれば富山の拙攻に救われた形。富山が効果的に攻撃を組み立てられていれば、試合は全く違った結果になっていたかもしれない。

流れを変えた平井のプレー
福岡は、後半開始から三島勇太に代えて平井将生を投入。城後寿を右WBの位置に動かして、代わりにトップ下の位置に置いた。この交代が試合の流れを変えることになる。「前半はボールがつなげていなかったので、積極的に間で受けて、前へ展開しようと思っていた」(平井)。平井が中盤でボールを受けることで、前線と守備陣がつながり全体の距離感が良くなった福岡は、運動量が上がり、プレーそのものがリズミカルになって行く。その動きに富山は付いていけず。ただ守るだけになっていく。

「後半は負ける気はしなかった」(平井)。その言葉通り、福岡は48分、52分に決定機を演出。その後も富山陣内でのプレーが続く。チーム状態が完全に修正されたわけではなく、流れの中からチャンスを広げられないという課題を感じさせながらも、勝負の行方が、福岡が決めるか、決めないかという点に絞られているのは明らかだった。そして60分、右サイドで得たFKのチャンスに、混戦の中でパク ゴンが合わせて同点ゴールをゲット。これで試合の流れは完全に福岡のものになった。

そして、逆転ゴールは81分。CKの流れから、中原秀人が右サイドから送り込んだクロスボールに酒井が頭で合わせてゴールネットを揺らした。「自分ができることをやっただけ」と逆転ゴールを振り返ったのは酒井。ゴール前は密集状態だったが、マークに付いていたパク テホンを背中に背負いながら抑え込み、その体制から放った高さのあるヘディングシュート。酒井の特長である体の強さが生んだゴールだった。そして福岡は、危なげなく試合を終わらせて4試合ぶりの勝利を手にした。

残り8試合 最後まで戦う
ここまで、いい時と、悪い時を繰り返しながら戦ってきた福岡は、第2節の京都戦、第17節の千葉戦、第26節の磐田戦、そして、第30節の北九州戦と、劇的な勝利を挙げることで悪い流れを断ち切ってきた。それと比較すれば、この日の試合は、相手に救われながら我慢の末に手に入れた勝利。それでも、難しい試合で勝点3を手に入れるのは、サバイバルレースに生き残るためには必要不可欠。中原は「自分たちの良さを出していくための、きっかけになった試合」と、この日の勝利を振り返った。

この日の勝利で、福岡は6位大分と勝点4差の11位に浮上。千葉、札幌、松本、山形との対戦を残す8試合に、簡単な試合はひとつもないが、プレーオフ進出の可能性は十分に残されている。また、鍋田亜人夢がチームに馴染み始めていることや、森村昂太が本来の力を取り戻しつつあること、金森健志がアジア大会から帰国したことなど、好材料もある。試合後の記者会見で「我々は最後の1試合まで、しっかりと戦う」と力強く宣言したのはマリヤン・プシュニク監督。あとは、自分たちの力を信じて、目の前の1試合、1試合を戦うだけだ。


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