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J2第24節 福岡vs.湘南 プレビュー

【中倉一志=取材・文・写真】
圧倒的な強さを見せる湘南
「攻撃こそ最大の防御」。湘南ベルマーレを語る時、この言葉が良く似合う。どんな時でも前に向かってプレー。さらには、ボールホルダーの後ろからも、まるで湧き出てくるかのように選手が前線へと飛び出していく。常時7人が相手陣内に入り、チャンスと見るや、3バックの両側に構える遠藤航、三竿雄斗までもが攻撃参加。8~9人で攻めることも珍しくない。湘南以外でも、福岡、長崎、松本、岡山等々、走力をベースにアグレッシブに戦うチームは存在するが、湘南の右に出るチームはない。

その湘南が最も強さを発揮するのが、自分たちがボールを失った時だ。多くのチームは、素早く攻守を切り替えて守備陣形を整えるが、湘南の場合は、その場所で、攻撃時のアグレッシブさを上回る強さと速さでプレスバック。再び奪い返して第2次、第3次攻撃を仕掛ける。常に前がかりのチームスタイルは、最終ライン中央の丸山祐市の両側、そして後方に大きなスペースが存在するのだが、相手の攻撃の始まりの部分を抑え切ってしまうことでカバーしている。相手にやらせない。それが湘南の守備の基本だ。

そして何より、曺 貴裁監督の下で3年目、アシスタントコーチ時代から数えれば6年間をかけて作ってきたチームの成熟度が、ここまで53得点、10失点、22勝1敗という圧倒的な強さで首位を走る最大の原動力になっている。大槻周平、永木亮太ら中心選手が怪我のために長期離脱を余儀なくされてもチーム力に衰えが見られないのは、所属する選手全員の戦術理解度が高いことの証だ。その上で、J1昇格はもちろん、クラブ史上最強のチームになることを目指して、ひたすら走り続けている。

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 第23節富山(3-4-2-1)
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 第22節熊本(3-4-2-1)
福岡の勝機はあるか
他の追随を許さない湘南との対戦では押し込まれる時間帯が多くなるのはやむを得ないこと。ある程度割り切って守る時間帯は必要だろう。また、湘南が最も得意とするのは奪ってからの速い攻撃で、ボールを保持しながらパスワークで崩すイメージはあまりない。ある程度ボールを持たせても不用意に飛び込まなければ、それほど危険なシーンを作られることは多くないと思われる。ボールキープ率に拘わらず、どちらのペースとも言えない膠着状態に持ち込めば、それは福岡のペース。前半0-0もありだろう。

また、あらゆる場面で中途半端なプレーで終わらないことが肝要だ。多少無理であってもシュートで終わること。ロングボールは目的を明確に持って大きく蹴り出すこと。プレッシャーのかかった状態から無理に縦につなごうとしないこと。そうすることで自分たちの攻撃が停滞することになっても、そこは割り切る必要がある。鋭いカウンターを最も得意とする湘南にとっては、中途半端なプレーは格好の餌食になるからだ。同時に、膠着状態は湘南にとっても望むものではない。

勝負所は、こちらがボールを奪った瞬間。湘南にしてみれば2次攻撃の最大の起点になるが、ここで湘南のプレスをはがせれば攻撃のスペースはいくらでもある。プレスバックしてくる相手との勝負に負けないことはもちろん、奪った瞬間に2人目、3人目が湘南よりも早く動き出せるかどうかが勝負の鍵を握っている。前述の通り、ここでの攻防は湘南が最も強みとするところだが、強い相手のウイークポイントは、ストロングポイントのすぐそばにあるもの。あえて、そこで勝負を挑むことで勝機が見えてくる。

福岡はチャレンジャー
そして、自分たちはチャレンジャーであることを忘れてはならない。それは対湘南という意味だけではなく、どのチームに対してもチャレンジャーであるということだ。「勝った者が強い」という勝負の世界の鉄則からすれば福岡はJ2で14番目のチーム。失う物はそもそも持っていない。また上手くいかないことも多く、特に強豪チームとの対戦では、押し込まれることも多くなるだろう。だが、どんなシチュエーションになっても前へ出続けるという姿勢を忘れてはいけない。

リードしたら、それを守るのではなく勝利を奪いに行くこと。リードされても下を向かずに奪い返しに行くこと。きれいなサッカーができないことは多い。しかし、不格好であっても前へ進むのだという強い姿勢を90分間にわたって示し続けること。それが最終的に勝利を手繰り寄せる力になる。そして、サッカーでは時として勝負を決することもある「運」も味方につけることができる。ホームでの戦いはチームを後押しする力強いサポーターがいる。その力も借りて、自分たちが持っているもの全てを発揮する試合にしてほしい。


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