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新たな戦いが始まる


【中倉一志=取材・文・写真】
9日、少し長めのミーティングを終えてピッチに顔を出した選手たちの表情は、いつも以上に明るく見える。前半を終えてプレーオフ圏内である6位。それはまだ何かを得られることを保証するものでもなく、選手たちもまた、何かを手にしたわけだもない。だが、様々な物を乗り越えて辿り着いた中間地点は、6位という順位以上に選手たちに力を与えている。「今は自信を持って戦えている」。石津大介の言葉はチーム全員の気持ちを代弁するものだ。

「今日からは新しいシーズン。必要なものは新しい頭。そして最後は質が物を言う」(マリヤン・プシュニク監督)。
その言葉を胸にしながら、選手たちは3日間のオフで休ませていた体を確かめるようにして動かしていく。ハードルを使ったフィジカルメニュー。ゆったりとしたリズムで連携を確かめていくパスワーク。そして、戦術確認と紅白戦。トレーニングの途中では、コーチ陣、選手全員をピッチ中央に集めてプシュニク監督が檄を飛ばすシーンもあったが、その光景に新しいチャレンジが始まることを改めて感じる。

そして、自分たちの現在地に手応えを感じながらも、誰も満足はしていない。
「これからの4試合は上位との対決。去年と同じような状況に陥るのか、踏ん張って上位に食い込めるかの分かれ道」(石津)
「天皇杯を終えての4試合は、ほぼ近い順位のチームとの対戦。そこが本当に重要になる」(神山竜一)

乗り越えるべき最初の山場は、天皇杯を挟んで20日から始まるリーグ後半戦の立ち上がりの4試合。大事なことは、いま6位にいることではなく、厳しい戦いを乗り越えて6位以内に入ること。それもチーム全員に共通する想いだ。昨シーズンは、夏場の上位陣との直接対決で、ことごとく星を落としたことでチームは急降下したが、まずは、ここを乗り越えなければ何も始まらない。

リーグ戦の再開までは10日余り。「我々は戦い方は変えない」。そう強く宣言するプシュニク監督の元、選手たちはチームの代名詞となったハードーワークに磨きをかけ、パスワークと連携に磨きをかけるべく、これまでと変わらない姿でボールを追う。きつくなった時に雁の巣球技場に響く山口和樹の甲高い声。最終ラインの左側で、誰よりも多く、大きな声でコーチングする阿部巧。そして、ピッチのあちこちから、仲間を呼び、指示するコーチングが起こる。そうやってチームは成長を続けてきた。

そして新たに求められるものは新戦力の台頭だ。42試合を戦うリーグ戦を固定されたメンバーだけで戦うことは難しい。しかも、ハードワークを身上とする福岡にとって、夏の暑さは最大の敵でもある。前半戦はベンチを温めてきた選手、あるいはベンチの外からチームの戦いぶりを見てきた選手たちの中からピッチー飛び出していく選手が必ず必要になる。13日に行われる天皇杯は、勝利はもちろん、そうした選手を試す機会でもある。胸に秘めていた想いを公式戦にぶつけるプレーは楽しみでもある。

つかの間の休息は終わり。さらに激しく、熱い戦いが始まる。


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