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J2第3節 福岡vs.愛媛レポート

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【中倉一志=取材・文・写真】
アビスパ福岡は16日、レベルファイブスタジアムで愛媛FCと対戦。開始早々から軽快な動きを見せる福岡は7分、プノセバッチのプレスから始まる流れるような攻撃で先制したが、その直後からトーンダウン。22分に同点ゴールを許すと、以降は試合の主導権を愛媛に許した。最終スコアは1-1のドローに終わったが、愛媛に一方的に試合をコントロールされた後味の悪い内容になった。福岡は次節(3月22日 19:00キックオフ)、アウェイ・ヤマハスタジアムでジュビロ磐田と対戦する。

ふたつの顔を見せた福岡
立ち上がりから10分、福岡は面白いように自分たちのサッカーを披露した。高い位置からのアグレッシブなプレス。奪ってからの素早い攻撃。「アビスパカラーを見せることができた」とは、前節の戦い方を評したプシュニク監督の言葉だが、そのサッカーは、まさしく福岡が求めるサッカーだった。2分には、ミドルレンジから放った阿部巧のシュートがポストを叩き、7分には、細かいパスワークとニアサイドへの鋭いクロスで決定機を演出。そして7分、その勢いのままに先制ゴールを奪った。

ゴールの形は福岡の狙い通りの展開から。愛媛CB林堂眞にボールが入ると、そこへプノセバッチが鋭くプレス。その動きに連動して素早くフォローした石津大介がボールを奪ったところで勝負あり。最後はゴール前に詰めた城後寿が右足で押し込んだ。ここまでは、攻守に渡って完全に福岡の形。京都戦で得た自信が感じられる時間帯だった。

ところが、このゴールを機会に流れが変わる。1点ビハインドの愛媛が前に出て来たこともあるが、福岡は高い位置からプレスが掛からず、奪ったボールも前へつなげず、簡単にボールを失うシーンが増えていく。15分以降は愛媛のペース。22分には右サイドを簡単に崩されて同点に追い付かれた。そして、愛媛が完全に試合を支配。組織化された守備をベースにカウンターを仕掛ける愛媛が、福岡を完全にはめ込んだ。結果はドローだったが、自由自在に自分たちのサッカーを披露した愛媛と、15分以降は全くと言っていいほど自分たちのサッカーを表現できなかった福岡。終了後の表情は勝者と敗者程の違いがあった。

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 福岡(4-1-2-3)
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 愛媛(3-4-2-1)
福岡に何が起こったのか?
リズムがおかしくなった原因は、失点直後、この試合最初の勝負所を抑えきれなかったことにある。この時間帯、愛媛は前への意識を強くして高い位置からプレスをかけ、局面で激しい守備を仕掛けて来た。互いに激しく応酬し合う時間が続いたが、この争いで福岡は後手を踏んだ。長いボールが増え始め、高い位置からのプレスが効かなくなる。自由を得た愛媛は中盤のスペースを使ってボールをつなぎ、福岡を寄せておいてから、三島勇太の後ろのスペースへボールを送ってショートカウンターを仕掛ける。22分の同点ゴールは、その形から。これで完全に福岡のリズムが崩れた。

「先制点を取った後もプレスをかけたかったが、逆に自分たちが足を止めてしまう時間が増えてしまった。ボールを回す距離や、パススピードという点で、1人、1人がメリハリのないプレーになってしまい、自分たちでリズムを悪くしてしまった感じ」(堤俊輔)
足が止まった福岡はボールをつなげず、簡単に失い、カウンターを喰らうというシーンを繰り返す。

後半の頭から平井を投入し、攻撃の活性化を図った福岡だったが、今度は自陣に守備ブロックを敷いて福岡を待ち構える愛媛を崩せず、不用意に仕掛けて、相手に引っ掛かり、攻め返されることを繰り返す。そして、最後までリズムを取り戻せないまま試合を終えた。
「中々上手くいかず、みんなどうしていいのか分からないという部分が多かったと思う」(中原秀人)
個で仕掛けて愛媛を慌てさせる場面も作ったが、それがチームとして徹底されることもなかった。

J1昇格争いは勝者のメンタリティを得る戦い
どんなチームでも、強みと弱みは同居している。その中で、相手の強みを消し、自分たちの強みを発揮するための駆け引きが行われる。そして、互いの陣地を奪い合うサッカーでは、必ず相手の時間帯がある。そういう中では、勝負所で後手を踏まないメンタルの強さに加え、上手くいかない時に耐える力、自分たちの良さを消された時でも、臨機応変に対応して自分たちの良さを表現できる懐の広さが求められる。それをどうやって手に入れるか。それが今シーズンの福岡にとっての最大の課題であると言える。その壁を乗り越えるための戦いは続く。


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