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J2第2節 福岡vs.京都レポート

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【中倉一志=取材・文・写真】
アビスパ福岡は9日、レベルファイブスタジアムで京都サンガと対戦。試合は、立ち上がりからアグレッシブな姿勢を前面に出して戦う福岡がコントロール。最後の精度に欠くという課題も見えたが、プノセバッチに代わってピッチに登場した平井将生が76分に貴重な先制ゴールをゲット。その後も前に出る姿勢を見せ続けて京都に反撃の機会を与えず、9年ぶりに京都から勝利を奪った。福岡は次節(3月16日 13:00キックオフ)、レベルファイブスタジアムに愛媛を迎えて第3節を戦う。

共通意識の醸成がもたらした勝利
「練習の中で、局面を、より細かく、しっかりと話したことで、あのようにいいプレー、いい試合が出来た」(中原秀人)
「自分たちが共通意識を持って戦えば、いい試合ができると感じた試合だった」(城後寿)
この2人の言葉が、この試合の勝因を的確に言い表わしている。

熊本戦の敗戦は単なる1敗ではなく、福岡に対して「どう戦えばいいのか」という問題を突きつけた1敗。それは、場合によってはチームの根幹を揺るがしかねない敗戦だった。既にこのサイトで紹介したように、マリヤン・プシュニク監督がチームを率いるようになってから最も長い1時間20分の練習前のミーティングを行ったことや、ピッチの上で厳しい表情でコーチと選手が話し合い、さらに、そこへプシュニク監督が加わっての青空ミーティングを続けたこと等々は、そんな危機感の表れだった。

結論は、相手の戦い方に合わせるのではなく、自分たちの最大の特長を活かすために何をすればいいのかということ。そのために詳細に渡って詰めた。
「我々の何が悪くて、どこをカバーしなければいけないのか。我々のストロングポイントを活かすためには何をすればいいのか。それを徹底して話し合ってきた。だから、お互いに信じあってプレーすることができた」(イ グァンソン)。
誰もが迷うことなくピッチの上を走り、アグレッシブにプレッシャーをかけ続け、そして1対1の攻防では、個の能力ではJ2屈指の実力を誇る京都を上回った。さらにチームの統一感という点でも、福岡は京都のそれを大きく上回った。

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 アビスパ福岡(4-2-3-1)
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 京都サンガ(4-4-2)
光ったセンターラインの安定感
そして、90分間に渡って前からボールを終えた最大の要因は、センターラインの安定感にあった。前線から、これでもかとばかりにボールを追う坂田大輔の姿は、仲間にアグレッシブさを思い出させた。ボランチの位置で起用され、中盤の潰し役としての役割を任されたパク ゴンは、最大の特長である対人プレーの強さを余すことなく発揮。京都の中盤に、ほとんど仕事をさせなかった。そして、堤俊輔とイ グァンソンは、ワンチャンスでゴールを決める能力を持つ横谷繁、大黒将志と堂々と渡り合い、仕事らしい仕事をさせなかった。

中でも、パク ゴンがボランチでプレーすることの意味は非常に大きかった。まずは彼が持つ前に対する強さがいかんなく発揮されたこと。そのことによって、攻守のつなぎ役を任されている中原の負担が減り、いつもより高い位置でプレーすることで攻撃に関与する機会が増えたこと。そして最大の利点は城後寿を高い位置へ推し出せたことだ。

今シーズンの福岡は、アンカーと最終ラインの4人を除く5人の攻撃に対する比重を増やしているが、それは後方の5人の守備負担が増えることにつながり、そのカバーのために、本来は攻撃に力を割かなければならない城後が下がらざるを得ないという矛盾を抱え、攻守に渡って思い描く形を作れない要因になっていた。しかし、パク ゴンのボランチ起用は、その2つの問題点を解消。終盤に入ってもラインを下げず、最後まで自分たちのサッカーが披露できたのも、パク ゴンの守備面での活躍があったからこそだ。

手に入れた自分たちの戦い方への自信
京都の状態があまり良くなかったことや、ボールをつないでくる相手には福岡のスタイルがはまりやすいことを差し引いても、アグレッシブな姿勢を貫けば、J2屈指の個の能力の高さを誇る京都に対してでも勝利が得られることや、後半に失速するという昨シーズンからの課題解消に光明が見えたこと等、この試合で福岡が手に入れたものは大きい。「ステップ バイ ステップ」とはプシュニク監督が好んで使う言葉だが、次なるステップは、この日のような試合を1試合でも多くすること。そういう意味では、次節の戦いが重要になる。次なる対戦相手は愛媛。この日と変わらぬプレーを期待したい。


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