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J2第1節 熊本vs.福岡レポート

【中倉一志=取材・文・写真】
アビスパ福岡は2日、うまかな・よかなスタジアムでロアッソ熊本と対戦。2014シーズン開幕戦で勝利を目指したが、徹底してロングボールを多用する熊本の前にリズムを掴めず。33分には片山奨典が放った約30メートルのスーパーゴールで先制点を奪われ、52分にもカウンターから2失点目を喫した。57分には1点を返し、なおも攻め続ける姿勢を見せたが、金森健志のシュートがクロスバーにはじかれる不運もあり、1-2で敗れた。福岡は次節(3月9日 16:00キックオフ)、レベルファイブスタジアムに京都を迎えてホーム開幕戦を戦う。

アグレッシブさが消えた前半
「私は悲しく感じている。何故かと言えば、試合前のミーティングで話していたことと、試合での実際の対応の仕方が違っていたからだ」(マリヤン・プシュニク監督)。この言葉が、この日の戦いを端的に物語っている。この日、試合前に確認されていたことは、アグレッシブに戦うこと、そして先発メンバーは体力温存を考えずにフルパワーでプレーすること。それは、プシュニク監督が福岡を率いるようになってから徹底してきた、言わば、福岡の生命線とするところだ。

なりふり構わず裏へ狙って蹴り出す。なりふり構わず相手の攻撃を寸断しにかかる。そんな戦い方を徹底した熊本に戸惑ったことは事実だろう。福岡対策を練ってきた相手に対し、別の戦い方を選択するべきだったという考えもあるだろう。しかしながら、球際の部分や、セカンドボールの争いで負けないのはサッカーの基本。まして、その部分を強調して戦うことをスタイルとする福岡にとっては、なおさらのことだ。しかし、この日の福岡は、譲ってはいけないところで後手を踏んだ。

ちぐはぐな戦いを繰り返した90分
そして、90分間を通して、ちぐはぐな戦い方も目立った。
相手の狙いが分かっていながら、前の5人が高い位置からボールを追い、それを見透かされたように大きく蹴られ、戻れずにセカンドボールを奪われることを前半は繰り返した。2失点目を喫したのは、ルーズボールを拾った相手に対して2人が同時にスライディングに行ってかわされたことがきっかけだった。

後半はいい形でゴール前にせまったが、クロスが味方に合わず。昨シーズン、リーグ最多のクロスボールを上げながら、中の選手に合うことが極端に少なかった精度の低さは改善されていない。そして、後半に入って1点を返し、なおも猛攻を繰り出したのは、石津の投入と、平井将生のポジションを中央の高い位置に変えたことでリズムが生まれたからだが、平井から金森への交代は、結果として、生まれ始めた攻撃のリズムを消すことになった。

求められる臨機応変な戦い方
「相手がどんどんボールを蹴っているんだったら、そのセカンドボールを狙うとかしなければ、サッカーはできない。自分たちの生命線はアグレッシブに行くところで、それをベースに戦うが、相手が前半、ああいう戦い方をして来たのであれば、それに合わせられるサッカー観を、みんなが付けないといけない」
坂田の言葉は、選手全員が口にする言葉。福岡対策を練ってくる相手に対して、どのように戦えばいいのか。この日の敗戦は、それを問いかけている。

後半に入ってから1点を返すまでの時間帯は、前の5人が自由にポジションを変えながら、入れ替わり、立ち替わりゴール前に顔を出す福岡の特長が出た時間帯。ゴールはその結果。取り組んでいることに間違いがないことを示すものだった。しかし、試合は相手との駆け引きの中で成り立つもの。試合の流れ、相手の狙い、それらを感じとり、自分たちのスタイルを表現するために、いま、何をすればいいのか。それをピッチの中で選手たち自身が見つけることが求められている。

何回起き上がるのか それが問題
だが、敗戦という結果や、ふがいない試合内容を、ただ悔やむことには何も意味はない。結果を糧にして、同じことを繰り返さないこと。一歩でも、半歩でも前へ進むこと。その繰り返しの中で強いチームに成長していくこと。それが今シーズンの福岡がやらなければいけないことだ。
「熊本戦は、アウェイに、あれだけ多くのサポーターが来てくれたにも拘わらず、ああいう試合になってしまった。次はホームゲーム。どんな形であれ勝点3を取りたい」(石津大介)
「何回転んだが問題ではない。何回起き上がるのか。それが問題なのだ」。昨シーズン、プシュニク監督が何度となく口にした言葉。京都戦は、それを実践する舞台になる。


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