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注目の1戦(vs.鹿島)は14:00キックオフ

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中倉一志=取材・文・写真
宮崎キャンプを終えたアビスパ福岡は9日、鹿島アントラーズとプレシーズンマッチを行う(レベルファイブスタジアム 14:00キックオフ)。J1の強豪チーム相手に現在の力を試す絶好のチャンスに、城後寿は「ただの練習試合ではない。公式戦と同じような気持ちで入らないといけない」と話す。マリヤン・プシュニク監督が、どんな試合でも口にする「戦う姿勢、態度」を示す試合であると同時に、キャンプで取り組んできたことを実践の場で表現できるかどうかも試される試合でもある。その試合での注目点を上げてみた。

【鹿島戦の見所】
1.新システムは機能するか
「相手や自分たちの状況により様々なシステムが考えられる。しかし、システムが試合をするのではない。試合をするのは選手たち」と話すプシュニク監督だが、宮崎キャンプでは従来の4-1-2-3のシステムを変更し、3人のボランチと、トップ下に2人のシャドーを置く4-3-2-1のシステムに取り組んできた。狙いは、新戦力である平井将生と森村昂太の能力を活かすことにある。
その戦い方は非常に特長的だ。4-1-2-3のポジションにセットするのはりスタートの時のみ。ひとたびボールが入れば、1トップの坂田大輔、その下に位置する平井将生と石津大介、そして、両サイドに開く城後寿と森村昂太の5人が、前線から中盤を自由にポジションチェンジしながらゴールを目指す。前線の選手が動き出すことで生まれるスペースに、代わる代わる、次から次へと走り込み、さらには両SBも攻撃に参加する。「アグレッシブというところは去年と同じだが、よりアグレッシブになった」(城後)と話す攻撃は、分厚く、スピードに溢れる。まだ発展途上だが、鹿島相手にどれだけ通用するかは興味深いところだ。

2.光永祐也をどのポジションで、いつ起用するのか
始動日以来、積極的にプレーでアピールする光永祐也。特長はスピードを活かした左サイドからのオーバーラップで、練習試合や紅白戦では左SHとして起用されることもあり、プシュニク監督も、その攻撃力に魅力を感じている模様。アグレッシブなプレースタイルを評して「だからトップチームに上げた」と話す。基本的にはSBのポジションで起用するものと思われるが、選手層の薄い現状の中では、左サイドの高い位置での起用も考えられ、この試合の使われ方によっては、プシュニク監督の構想が窺い知れることになるだろう。
また、現在、左SBのポジションは武田英二郎、阿部巧、光永の3人で争っているが、キャンプの段階では武田が一歩リードも、光永も遜色のないプレーを見せており、先発でピッチに立つ可能性もある。

3.新戦力は、どの程度フィットしているか
常に前向きのプレーを求められ、さらに奪ってからの速い攻撃に、当初は戸惑いを見せていた平井、森村だったが、キャンプでトレーニングを重ねるなかで、日に、日に、アビスパのスタイルを身に付けてきた。現段階では、まずは福岡のやり方を理解することが最優先で、自身が持っている特長を存分に発揮するためには、もう少し時間が必要だが、それでも、どの程度のことが表現できるのかはチェックしておきたい項目だ。
平井は、何度も動き直してポジションを取り、タイミングの良い動き出しから相手の裏のスペースを奪うのが特長で、横浜F・マリノス戦では、何度かのシーンで平井らしいプレーを見せた。また「今までのサッカー観を0にして吸収している状態。楽しい」という森村は、プシュニク監督から叱責されながらも、練習を重ねるごとに新しい自分を見つけている。どれだけ前線に顔を出せるのか。森村にとっては、それが鹿島戦でのチェックポイントになるだろう。

4.控え選手のプレーぶり
残念なことではあるが、現時点では、レギュラー組と思われる選手たちと、それ以外の選手たちの間には明確な差がある。キャンプ中に行われた3試合のトレーニングマッチでは、プシュニク監督にしては珍しく、ほぼメンバーを固めて戦ったのは、そういう事情があってのことだろう。しかし、1年間を通して固定メンバーで戦うことは不可能で、また、上位を狙うにはチーム全体の底上げは不可欠。鹿島戦では、キャンプの疲労を考慮しながらのメンバー編成になるため、現時点で主力組ではない選手たちにとっては、先発起用であれ、途中交代であれ、大きなチャンス。どんなプレーを見せてくれるのかを注目したい。

【注目選手】
何人かのコンディション不良の選手がいるものの、全体的に見れば、それぞれが良い状態で過ごし、良いアピールをした宮崎キャンプ。そういう意味では、どの選手も注目に値するが、敢えて以下の5人の選手に注目したい。

1.森村昂太
日に、日に、変化して行く姿はサッカーIQの高さを窺わせる。柔らかなボールタッチとパスセンスの良さは広く知られることだが、そのプレーからは、パスだけではなく、オールマイティな能力を備えていることが分かる。今シーズンの福岡の成績は彼のプレーにかかっていると言っても、言いすぎではない。

2.平井将生
福岡の得点力アップの鍵を握るのが平井であることは、改めて言うまでもない。最大の特長は本人も口にする「スピードとシュート力」。ドリブル等で突破を図ると言うよりも、的確なポジショニングと、スペースを見つけて飛び込む能力の高さ、そしてゴールへの嗅覚の鋭さで勝負する。ゴールを期待したい。

3.中原秀人
1年を通してプレーすることが成長につながることを身を持って示している。いまや押しも押されぬ中盤の要で、キャンプの様子を見る限り、チームには欠かせない絶対的な存在になりつつある。自ら課す課題はシンプルに、そして速くプレーすること。本来の特長である攻撃面の良さを活かすことも目指している。

4.光永祐也
高卒ルーキーらしい初々しさと謙虚な気持ちを持ちつつも、プロの先輩プレーヤーたちに物おじすることなくボールを追う。サイドを駆け上がる時のスピードと迫力だけで見せられる選手でもある。昨シーズンにブレイクした金森健志、三島勇太、中原秀人らに次ぐ存在になる可能性は非常に高い。

5.城後寿
やはり、城後無くして福岡は語れない。昨シーズンはあらゆるポジションでプレー。それを経験させてくれたプシュニク監督に感謝を表しながらも、今年はゴールを狙うと宣言する。「攻撃に絡むのが自分の最大の特長。そしてサポーターは僕にゴールを期待している」。そのダイナミックなプレーからは目が離せない

もちろん、5人以外の注目の選手はいる。相変わらずの運動量で献身的にプレーする坂田。FWとしての怖さを身に付けつつある石津。クレバーさを感じさせる武田。圧倒的な高さを有するイ グァンソン。本来の能力を取り戻した堤俊輔。昨シーズンと変わらぬあ具っれし部な姿勢を貫き通す三島勇太。ベテランの域に達し、チームを牽引する役割も担う神山竜一。ブレイクを誓う牛之濵拓。チームとして戦うプシュニク流では、注目されない選手は1人もいない。それぞれの選手が何を表現してくれるのかを見逃さずにチェックしたいところだ。 そして、キックオフは本日14:00(レベルファイブスタジアム)。あいにくの雨模様だが、好ゲームを期待したい。


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