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J2第16節 札幌vs.福岡プレビュー


【中倉一志=取材・文・写真】
2014Jリーグ ディビジョン2 第16節
対戦: コンサドーレ札幌vsアビスパ福岡
日時: 5月31日(土)
会場: 厚別公園競技場

勢いを取り戻した札幌
前節で水戸を4-0で破って7試合ぶりの勝利を手にした札幌は、その勢いのままに福岡戦を迎える。現在は5勝4分6敗の勝点19。得失点差で福岡を上回って13位に付けている。しかし、各ラインに能力の高い選手をそろえるチームにとって、今の順位は不本意と言えるものだろう。安定感を感じさせる守備はここまで14失点でリーグ6位。反面、15得点はリーグ13位で、それが13位に甘んじている要因だが、前節の水戸戦では様々な形から4得点を挙げており、本来の力が発揮されつつあると見た方がいいだろう。

布陣は4-2-3-1。ボランチの上里一将が前後左右にボールを配ることで攻撃のスイッチが入る。攻撃の起点を作るのは左SBの上原慎也。トップの位置では長身の都倉賢がターゲットになり、2列目の石井謙伍、前田俊介、宮澤裕樹がゴール中央へと走り込んでくる。最も注意をしなければならないのは前田。高い技術とセンスを持ち、2列目から飛び出すだけではなく、ボールを納める役割も、ラストパスを出す能力も併せ持つ。いわゆるオールマイティな選手で、時間とスペースを与えれば何でもやってくる。

守備は、最終ラインと中盤が4人ずつのフラットなラインを2列形成して相手に備える。しかし、ブロックを作って待ち構えているわけではない。整備された2つのラインからボールホルダーにプレスをかけ、ボールを奪ってから素早く攻撃に転ずる。そして、最終ラインを統率するのは2年目のパウロン。高さに加え、1対1の強さと拾い守備範囲を持つCBで、両脇に控える若いディフェンダーをサポートしながらゴールを守る。

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 第14節千葉戦(4-2-3-1)
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 第15節水戸戦(4-2-3-1)
正念場の戦いを迎える福岡
福岡にとっては正念場の戦いになる。湘南戦以降、山形、札幌、千葉、東京V、水戸、栃木、松本と続く前半戦で、しっかりと勝点を積み重ねることが、プレーオフ進出に向けての大混戦リーグに生き残るための最低条件。昨シーズンは同じようなシチュエーションで連敗を続け下位グループに飲み込まれてしまったが、昨シーズンの二の舞を演じるわけにはいかない。まずは連敗を止めることが最優先だが、アウェイであっても勝点3が必要な試合でもある。

最大の問題は、坂田大輔、城後寿の不在を、どのようにカバーするかということ。札幌戦に向けてのトレーニングでは、紅白戦も含めてレギュラー組を固定せず、人を代え、ポジションを変えて行ってきたが、マリヤン・プシュニク監督は、最後まで誰が先発に名を連ねるのかを明確にはしなかった。誰が出るにせよ、2人が担ってきた仕事の代わりができる選手はおらず、全員のハードワークでカバーするという意思表示だったのだろう。交代選手も含めれば、これまで出場機会のない若手にも出番が回ってきそうだ。

その中で期待が高まっているのが金森健志の存在。右第5中足骨々折により、4月13日に行われたV・ファーレン長崎戦から戦列を離れていたが、27日の練習からフルメニューに参加。連日、怪我の影響を全く感じさせないキレのあるプレーを披露している。「影響は全くない。札幌戦も十分に行ける」とは本人の弁。復帰すれば48日振りでゲーム体力に不安も残るが、おそらく、ピッチに立つことは濃厚。はてした先発で使うのか、それとも途中からの出場で流れを変えるのか。プシュニク監督の決断に注目が集まる。

ハードワークを見せられるか
併せて、1試合を通して自分たちのリズムで戦うことができないという課題を抱える福岡にとって、非常に厳しい戦いであることは間違いない。しかし、1シーズンを通して同じメンバーで戦えることはあり得ず、いつかは2人が試合に出られないことがあるのはシーズン前から分かっていたこと。チームにとって手痛い事態であることは確かだが、だからと言って何もできないようであれば、いずれにせよ、厳しいサバイバルゲームに生き残ることは不可能だ。

福岡の戦いを支えていた欠かせない選手である2人が抜けることで、いわゆる「福岡らしい」戦いは表現できないかもしれない。しかし、誰がピッチの上に立とうとも、ハードワークは出来るはず。そして、それは福岡らしさの原点でもある。正念場の試合で自分たちの原点を表現できるかどうか。そういう意味では、札幌戦は真価が問われる試合でもある。山形戦のような臆病な戦いではなく、勝利への気持ちがあふれる試合を演じてくれることを期待したい。


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