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J2第14節 湘南vs.福岡レポート

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【中倉一志=取材・文・写真】
アビスパ福岡は18日、アウェイ・Shonan BMWスタジアム平塚で13連勝中の湘南ベルマーレと対戦。福岡は湘南に圧倒された前半を無失点でしのぎ、後半は積極的にプレスを仕掛け、奪ってから素早くラインの裏を狙うサッカーで対抗してチャンスを作ったが、終了間際の86分に失点。さらな攻め上がった裏を取られてアディショナルタイムにも失点を喫して0-2で敗れた。福岡は次節(5月24日)、ホーム・レベルファイブスタジアムでモンテディオ山形と対戦する。

見せつけられた湘南の強さ
この日、湘南とマッチアップする3-4-3の布陣で臨んだ福岡の狙いは、少しラインを下げた体制から、要所で相手にプレッシングをかけ、奪ったボールを素早く背後に送り込んでカウンターを仕掛けるというものだった。開幕13連勝中の湘南の実力を認めながらも、決してひるまずに自分たちの戦い方で対抗する。それが福岡の勝利への方程式。湘南の連勝を止めるというモチベーションは高かった。しかし、それを上回る気迫で臨んできたのが湘南。13連勝中のチームは、当たり前に強かった。

豊富な運動量とスピード、そして1対1の強さを武器に徹底した攻撃サッカーを仕掛けるのが湘南。その特長を立ち上がりからフルに発揮して福岡を圧倒する。最初の決定機は5分。さらに6分、9分、10分と決定機を作り出す。マイボールの時は相手陣内に7人が入るのが基本。そこへ、最終ラインの左に構える三竿雄斗がオーバーラップを仕掛けていく。場合によっては自陣に残るのはCBの丸山祐市1人の時もある。ボールを失っても後ろ向きにはプレーしない。素早くプレスバックして、相手陣内の高い位置でボールホルダーを2人、3人で囲い込み、前へ運ぶ隙を与えない。

完全にマッチアップした布陣は目の前の相手との1対1の勝負になるはずなのだが、湘南はボールホルダーの後ろから湧き出てくるように選手がオーバーラップしてくるため、マークの的が絞れない。それが顕著だったのが福岡の右サイド。WBの位置で構える城後のマークは対面の菊池大介だが、その後ろから三竿が駆け上がってくるために、常に1対2での対応を強いられた。湘南が数ある決定機を決めきれなかったこと、そして福岡の最終ラインが粘りを見せたことで、結果として前半を0-0で折り返したが、ただ、ただ、湘南の強さが際立った前半だった。

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 福岡(3-4-3)
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 湘南(3-4-3)
残り4分で力尽きる
それでも、どんな形であれ前半を無失点で切り抜けたことで、福岡に反撃のチャンスが巡ってくる。立ち上がりからフルパワーで戦っていた湘南の運動量に、やや陰りが見えたことで、福岡の狙いとするサッカーが機能しだした。主導権は相変わらず湘南。しかし、粘り強く守り、ここぞというところでプレッシャーをかけ、相手の背後にボールを送って縦に駆け上がるシーンが増えていく。それこそが、この日、福岡が表現したかったサッカー。チームに活気がみなぎってくる。

ボールの支配率は湘南。チャンスの数も湘南。しかし、それは試合前から想定していたこと。狙い通りに戦えていたのは福岡だった。時間の経過とともに中盤が間延びし、互いのゴール前を行ったり、来たりする展開が続く。どちらがカウンター合戦を制するのか。勝負のポイントはそこにあるかに思われた。だが86分、ペナルティエリアにこぼれたボールを途中出場の吉濱遼平に決められて失点。さらに90+1分に、1点を追って総攻撃を仕掛けた裏を取られて、再び吉濱に決められて0-2。これで勝負は決した。

ギリギリの時間帯まで、どちらに転ぶか分からない試合ではあった。だが、トータルで見れば、90分間自分たちのサッカーを表現し続けたのは湘南。福岡が狙いとするサッカーを表現できたのは後半の45分だけ。サッカーの質、チャンスの数も、圧倒的に湘南の方が上だった。勝てる可能性があった試合であったことは間違いないが、その一方で、両者の間にある実力の差も感じられた試合。そういう意味では、0-2の敗戦は妥当な結果と言えるものだった。

勝負を分けたのは「質」の差
勝敗を分けたのはサッカーの質と言うしかない。互いのサッカーの大前提になる『走る』という点で優ったのは間違いなく湘南。試合の入り方という面で、チャレンジャーであるはずの福岡が受けに回ってしまったのもチームとしての質の差。残り4分となったところで吉濱をフリーにしてしまったのも、先に力尽きてしまった証拠だ。そして、選手層の差。1点勝負になっていた時間帯に湘南がFW吉濱を投入してきたが、石津を下げる選択をした福岡のベンチにはFW登録の選手はいなかった。

そして何より、チームとして積み上げてきたものの差が大きかった。自分たちのプレーに対して微塵の迷いも感じさせずに、リスクを背負って前へ攻め続けた湘南に対し、ここまで自分たちのサッカーを表現しきれていないのが福岡。その差が、様々な局面に影響していたのは間違いない。そして、自分たちのサッカーを突き抜けるまで追求してきた湘南の姿は、いまの福岡が何をしなければいけないのかを示しているようにも見えた。


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