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福岡の決定力~平井将生

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【中倉一志=取材・文・写真】
「どうなんですかね」
ここまでの活躍ぶりをどのように捉えているのか尋ねると、そんな言葉が返ってきた。平井将生のいつもの口癖だ。いつも飄々として掴みどころがない。決して力が抜けているわけではないのだが、だからと言って、体全体から湧きあがる力強さのようなものが伝わってくるわけでもない。しかし、何気なく口にする言葉に、点取り屋として強烈なプライドと自信がのぞく。
「ピッチが滑っていたのが良かったですね。でも全部計算してましたけれどね、グァンソンが競り勝つことも、どこにこぼれてくるかも。長い間FWをやってきた経験のようなものが出たゴールでした」
これは横浜FC戦で決勝ゴールを挙げた直後の言葉。この時も飄々と話していた。

ここまで6試合に出場して2得点3アシスト。スーパーサブ的に使われているため出場時間は275分と短いが、その中でしっかりと結果を残している。しかも、2得点はいずれも決勝ゴール。3アシストの内訳は、熊本戦での坂田のゴール他、磐田戦の貴重な同点ゴールと岐阜戦の決勝ゴールだ。
「アシストは決めた人次第。まあゴールのところは自分の持ち味が出せていると思うんですけれど」
本人は涼しい顔で言うが、そのほとんどが勝敗の行方を大きく左右する局面で生まれたもの。もちろん、ゴールも、アシストも、11人がボールを運んだ結果だが、今の福岡の成績は平井のゴールとアシストなくしては語ることはできない。

2006年にG大阪ユースからトップチームに昇格してプロの道を歩き始めた平井。2010年にはリーグ戦に30試合出場して14得点。日本人としては前田遼一に次ぐ2番目のゴール数で、地元紙からは「浪速のアンリ」と呼ばれたこともある。ラストサードでのプレーの上手さは光り輝いている。一番好きなポジションは真ん中の一番上。「ゴールに近いし、相手のディフェンダーとも駆け引きができる」と話す。それでも、福岡のスタイルに合わせるべく走り続ける毎日が続く。
「どうなんですかね。アビスパに来る前は、できるだけ攻撃に力を出したいので、守備はベーシックなところだけで+アルファはなかったんですけれども、ここでは+アルファが求められる。そこが自分の課題でもあるんですけれども」

それでもゴールに対する強烈な意識は少しも揺るがない。
「ディフェンスの人からしたら、自分が点を取るのが一番いいと思うし、自分がどれだけ守備しても、点が取れなければ、それはそれで違うと思うので、守備をしっかりとやった上で上手くバランスを取りながらやらないといけない」
プシュニク監督からは、もっとは走るように言われているという。それでも、プシュニク監督が平井をスーパーサブ的に使うのは、平井の得点能力を高く評価しているからなのだろう。今シーズンの福岡は、粘り強さと勝負強さが際立っているが、メンタル面での成長に加え、ここぞというところで平井が仕事をすることも粘り強さを引き出している要因のひとつだ。

そして、週末に迎える長崎戦に向けて、次のように話す。
「長崎はハードワークしてくるチームで、京都とか、ジュビロとかとは違った個性のあるチーム。ハードワーク対ハードワークですから、どちらがハードワークできるかでしょうね。このチームは、相手に合わせるよりも自分たちのサッカーをした方がいいと思うので、受け身にならずにアタックしないと」
ポイントは、チャンスを決めきれるかどうかだ。
「チャンスで決めるか、決めないか。チャンスは必ずあると思うし、先制すれば有利。ズルズル0-0で行ったら後半しんどくなる。僕自身は相性がいいんですけれどね、去年も2点決めていますし」

もちろん、平井が求めるものはゴールだ。
「途中出場と言っても、ここまでは後半の頭からなので途中から出る難しさとかはないですけれどね。まあ、点が決められれば満足ですから、マジで」
新しいチームで、新しいスタイルに挑戦しながら、ゴール量産を目標に置く平井。長崎戦でも大きな鍵を握ることになりそうだ。


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