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レギュラーシリーズ優勝の行方は?(2)

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文/西森彰  写真/金子悟


 首位・浦和レッズレディースと4位のアルビレックス新潟レディースは、8月17日(日)の17時から最終戦を戦う。


 開幕前プレスカンファレンスの際、新潟Lの能仲太司監督に「今季は『上位リーグ進出は確定的』くらいの感触ですか?」と問いかけると「まあ、それくらいで書いておいてもらえればちょうどいいですね。あまり注目されるとプレッシャーにもなりますし、気づいたら優勝していたというほうがかっこいいですから」と笑顔で返答された。

 前に出る局面と、守備ブロックを固める局面の見極めができるようになり、皇后杯では準優勝。代表では今ひとつチャンスを与えられているとはいいがたい上尾野辺めぐみも、新潟Lでは大黒柱にふさわしい活躍を続けている。守備の中心、中村楓の故障や、ティファニー・マッカーティの退団があった。「数年前にも、ケガ人が重なったことがあったそうですから」(能仲監督)、そうしたマイナス要素を計算に入れても、指揮官はそこそこ自信があったらしい。

 アジアカップには小原由梨愛も追加招集。A代表のキャリアをスタートさせた。空港へスーツ姿で合流した小原は、なでしこジャパンの面々に同じタイミングで挨拶していた航空会社職員の一員に間違えられ「JAL」とあだ名される一幕もあった。「代表の戦術理解はまだまだですが、(新潟でやっている)自分のプレーは多少できたと思います」。本人だけでなく、代表を目指す他のチームメートに与えた刺激も少なくないだろう。

 新潟Lが優勝するためには、1〜3位のチームが総崩れになり、且つ、自チームの大勝が必要。初タイトルを手にする可能性は、コンマいくつかでしかないが、それを自ら放棄する必要などどこにもない。


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 昨年の不振から一変、今季のなでしこリーグで主役を務める浦和レッズレディースは、首位に立ったまま、最終コーナーを回った。昨季は接戦をことごとく落とし、残留争いに巻き込まれたが、シーズン半ばで吉田靖監督を迎えて蘇生した。

 I神戸との開幕戦もそうだが、直近の試合で敗れた対戦相手に連敗をしないのが、吉田監督就任以後の大きな特徴のひとつ。指揮官の高いスカウティング力が窺える。自分たちを“挑戦者”と定義し、取り入れた、前線からのハイプレスも効いている。どちらかと言えば、これまで手を焼いてきた白兵戦に、今季は自ら持ち込み、これを制している。

 若返りを果たしたチームで、2010年、2012年のU−20日本女子代表メンバーが台頭。ディフェンディング・チャンピオンのINAC神戸レオネッサを開幕戦で沈めて、混戦なでしこリーグの機運を高めた殊勲者・猶本光は、好調・浦和を象徴する存在だ。

「昨年は出場機会も少なく、チームに合わせることを考え過ぎていました。今年は自分の良さを出そうと思ってプレーしています」(猶本)

 2トップの吉良知夏、後藤三知、両SHの柴田華絵、加藤千佳、そしてコンビを組む岸川奈津希、藤田のぞみも、やはり2010-12の“ヤンなで世代”。自信をつけた彼女たちは、チャンスとみるとバランスを気にせず、ペナルティエリアに飛び込んでくる。当然のように得点力がアップ。第12節までは全試合でゴールを奪い、1試合平均も2点を超えた。吉良、後藤(登録枠拡大に伴う追加招集)が揃ってアジアカップに召集されたのも当然だ。

「(代表に)呼んでほしいという気持ちはこれまでもありましたが、チームの状態も悪かったので、代表に行っても自信をもってプレーできたかどうかはわかりません。今は、チームの成績も充実していますし、継続的に呼んでもらえるように結果を出していきたいと思います」(吉良)

 ここ6試合で被完封試合が5試合と、得点力不足に苦しんでいるが、これはセンターラインに故障者が続出したことと、他チームの浦和対策が相まってのもの。優勝経験のない選手揃いのため、ゴールが近づくに連れてプレッシャーも大きくなってくる。だが、ここを乗り越えて身に着くものもあるはず。エキサイティングシリーズに向けて、体を小さく縮こまらせることなく、のびのびとプレーしてほしい。


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 新潟Lは伊賀FCくノ一、そして自力優勝がかかる浦和は昨季の女王・I神戸を、それぞれホームで迎え撃つ。2014プレナスなでしこリーグはこの2試合で全日程を終了。8月17日の19時頃には、優勝チームが決定する。
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