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波に乗る初陣履正社、ついに8強到達!



第92回 全国高校サッカー選手権大会 3回戦
日時:2014年1月3日(金)14:10 kick off
会場:ニッパツ三ツ沢競技場
結果:青森山田 1-1(前半0-1、後半1-0)、PK4-5 履正社
得点者:[履正社]川畑隼人(18分)、[青森山田]橋本峻弥(65分)

試合前、関係者に配布されるメンバー表に平均身長、体重とともに、平均年齢が載っている。高校生だけの大会に平均年齢など不要な気もするが、比べてみれば青森山田は3年生の中に2年生が2人だけで17.8歳。対する履正社は1歳以上若い16.7歳だ。2年生5人、1年生4人、3年生はわずかに2人。対照的な学年構成のチーム同士の対戦となった。

青森山田は17年連続19回目の出場、09年度に準優勝経験を持つ、いわずと知れた東北の強豪。今大会は2回戦から登場し相手は米子北だった。セットプレーから先行されて苦しんだが、1点リードされた後半33分に李相赫の同点ゴールで追いつき、PK戦でなんとか振り切って3回戦へとコマを進めてきた。初優勝を目指す青森山田にとってこの3回戦突破はかなりの難所。ここ3年連続(0-2滝川二、0-1大分、0-2星稜)で敗退しているのが3回戦なのだ。

一方、創部11年目で初出場を果たした履正社は、1回戦2-0秋田商、2回戦1-0徳島市立と2戦連続のクリーンシート。中心をなす1、2年生が試合を経験するたびに著しい成長を見せ、攻守のバランスが取れた戦いぶりで勝ち上がってきた。

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お互いに出方を探りあうような序盤。最初のシュートは3分。青森山田のキャプテンMF山田武典が狙ったがクロスバーを越えた。15分には、左からのFKがゴール前にぬけてくるところをMF飯島諒が左足で合わせるがワクをとらえられない。

青森山田にボールを回されチャンスを作れなかった履正社だったが、DFラインを低く設定したブロックで堅実な守備を構築する。そして、ワンチャンスを活かして先制したのが18分。左タッチからDF小川明がロングスローを入れると、MF川畑隼人が青森山田DFと空中戦。しかし、ともに届かずワンバウンド。これをDFがクリアできずボールは川畑の元へ戻ってくると、その落ち際をダイレクトボレーで叩いた川畑。ボールはゴール右スミに吸い込まれていった。

これで調子づいた履正社は20分、MF多田将希がCKをきわどいところへ蹴り相手GK田中雄大を脅かす。22分にもMF林大地のドリブルからスイッチして受けたFW瀧本高志が遠目から狙うがワクを越える。

2回戦に続いて追いかける立場となってしまった青森山田は27分、センターサークルからのパスをDFと入れ違いながらワントラップし前を向いたFW李が強烈な右足ミドル。しかし、不運にもクロスバーをヒットしてしまう。履正社は30分、MF石川玲のラストパスを瀧本が強引にシュートするが、大きくふかしてしまう。

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履正社が1点リードして迎えた後半、主導権を握り続ける青森山田だが、履正社の守備ブロックを崩せず、セットプレーもゴール前で集中力を切らせない履正社にはね返されてしまう。

しかし、履正社のわずかなスキを突いたのは64分。1度失ったマイボールを激しいプレスバックで奪い返したのは後半9分に交代出場していたFW橋本峻弥だ。そのまま左足を豪快に一閃、ボールは激しくクロスバーに打ちつけられた。畳み掛ける青森山田は、この直後の右タッチからDF中島優のスローインを飯島が頭で落とすと、履正社DFはクリアに失敗、こぼれは直前に惜しいシュートを放った橋本の前へ。ニアサイドを打ち抜く同点ゴールで試合は振り出しに戻った。

次の1点を奪いたい両チームだったが、焦りも手伝い、なかなかチャンスを作れない。青森山田・李のシュートはワクを大きく外し、交代選手2人を送って圧力を高めようとする履正社だが、FKを狙った石川のキックも壁に阻まれる。青森山田はアディショナルタイムに右からの李のクロスに橋本が頭で合わせるが薄く当たってゴールへは飛ばない。

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青森山田は2回戦に続き、履正社は今大会初のPK戦に決着は委ねられることになった。 静まり返るスタジアム。スポットに立つ選手たちのキックは次々と痛快なほどきれいにネットを揺らしていく。しかし、先に蹴る履正社は5番手が青森山田GK田中に止められてしまう。そして、決めれば勝利となる圧迫感からか、青森山田の5番手もバーに当てて失敗。サドンデスに入って6番手は履正社が落ちついて決めたのに対して、青森山田は履正社GK安川魁が右手一本でストップ。勝者と敗者、明暗が分かれた瞬間だった。

「運があったかな」とは履正社・平野直樹監督。そう言いつつも、「(この大会で)選手は大きく成長している」と試合を重ねる毎に選手たちの変化をみるのが楽しくてならない気持ちがその顔に溢れていた。一方、「これ以上勝つには、どんなチームを作ればいいのか分からなくなった。でも挑戦し続けるだけ」と青森山田・黒田剛監督は対照的な沈んだ表情だった。

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