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佐賀東、善戦も及ばず。終わってみれば東福岡が貫禄勝ち。

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第92回 全国高校サッカー選手権大会 2回戦
日時/2014年1月2日(木)14:10 kick off
会場/浦和駒場スタジアム
結果/佐賀東 0-3(前半0-1、後半0-2) 東福岡
得点者/[東福岡]草野(13分)、木戸(65分)、阿部(79分)

1回戦で見せた東福岡の戦いぶりは、改めて、東福岡が優勝候補の名にふさわしい実力を有していることを証明するものだった。外側に両ウイングを広く開いた伝統の4-3-2-1の布陣から、草野昂希、阿部敬太、松田天馬の3人のMFが自由に中盤を動いてゲームを作り、決定力に優れる木戸皓貴がゴールを狙うスタイルの完成度は高い。狙うは、第76回大会、第77回大会以来となる3度目の全国の頂点だ。

その東福岡と2回戦で対戦するのは同じく九州の佐賀東高校。東福岡との対戦が決まった時に蒲原晶昭監督は「九州プリンスリーグ2部で東福岡のセカンドチームと一緒だったが、そのチームにも大敗するようなチームなので(1-6、1-5)、ちょっと怖い」と話していたが、相手がどこであろうと、ひとつでも多く勝ちたいと思う気持ちは他のチームと変わらない。「世の中の人たちは、みんな赤が勝つと思っている。けれど、自分たちだけは、それをひっくり返すために一致団結して戦う」(同)。戦う武器は、1回戦で見せた粘り強さだ。

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試合はゆったりとした立ち上がりを見せたが、それは縦に急ぐことなく、ボールを動かしながら相手を崩す東福岡のリズム。チーム全体で相手にのしかかるようにプレッシャーをかけて佐賀東を自陣内に押し込んで行く。そして先制点は16分。岸田優からのパスを受けた木戸皓貴がドリブルから放ったシュートは、GK眞子雄司が防いだが、そのこぼれ球に、ゴール前に詰めていた草野が右足を振り抜いた。守りから入った佐賀東からあっさりとゴールを奪うところは「東福岡強し」を印象づけるものだった。

しかし、ここから佐賀東が持ち味である粘り強さを発揮する。佐賀東の狙いは、ボールホルダーにプレッシャーをかけて、そこから出てくる縦パスを狙うことと、東福岡の中盤の3人の関係を断ち切ること。ファールも辞さない勢いで、ボールホルダーに対してガツガツとプレッシャーをかけていく。そして、その戦い方に東福岡がはまっていく。思うようにパスをつなげずにリズムを刻めない東福岡から、1回戦では見られなかったロングボールや、1本で裏を狙うようなプレーが増えていく。

「1回戦の疲労がある中で、相手の厳しいプレッシャーに戸惑った部分があったと思う。外から見ている分には、もう少しつなげるのではないかと思っていたが、選手たちは、つなげそうにないという判断をしたのか長いボールが多くなってしまった。オフ ザ ボールの動きの質も悪かった」(森重潤也監督・東福岡)
やがて試合は膠着状態に。佐賀東は相手のパスワークを寸断することはできても、奪ったボールを効果的に運ぶことができずにシュートチャンスを作れないが、互いの力関係を考えれば望む展開と言えた。

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そして、80分間を同点で終えれば決着はPK戦で付けるというレギュレーションも、粘り強く戦えた要因のひとつだった。
「1点取られても、1点を返せばPK戦があると蒲原監督から言われていた。だから、先制点を取られた後も、まずは集中を切らさずに守備から入って、どこかで1点を取りに行くと声をかけていた」(篠原佑太朗)
後半も流れは全く変わらない。東福岡は53分、61分、62分と決定機を作ったが、GK眞子の好セーブに阻まれ、あるいはクロスバーやポストに嫌われゴールにはつながらない。東福岡にとって嫌な時間帯が続く。

そんな中、虎視眈々とゴールを狙っていたのが木戸だった。「自分としては次の1点を取れば勝てると思っていた。狙っていた」。そして65分、その木戸の右足がゴールを奪う。左サイドのスペースでボールを引き出した木戸は、まずは中央へとボールを送る。そのボールを松田と赤城翼が中央でつなぐと、長い距離を走ってきた木戸が再び拾って右足を振り抜いた。次の瞬間、ゴールネットが大きく揺れた。

「チームが苦しい時間帯でのゴールだったので大きかったと思う」と話したのは木戸。その言葉通り、このゴールで、粘り強さを見せていた佐賀東の集中力も切れた。そして、終了間際の79分には、安部が左からのCKを直接決めて3-0。東福岡は苦しい戦いを強いられながら、終わってみれば、力の差を見せつける形で順当勝ち。これも強さの証明だろう。

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「自分たちのプレースタイルである粘り強い守備からの攻撃というのを貫いてやろうと決めていたので、それが出来たのは良かったが、最後の最後で粘りきれなかったのが悔しい」。涙をこらえながら話したのは、強烈なキャプテンシーでチームを引っ張ってきた篠原。その姿を見ながら、蒲原監督は次のように試合を振り返った。

「今年のチームは上手いとは言えないチームだったが、本当に頑張ってくれた。特に3年生の頑張りには監督としても感動した。優勝候補と呼ばれているチームに、よくここまで頑張れた。高く評価している」
蒲原監督によれば、3年生が入部してきた時は、技術的にも、メンタル的にも備わっておらず、また人数も少なかったと言う。その3年生がチームを引っ張った試合。彼らの3年間のがんばりと成長ぶりは、後輩たちに受け継がれていくはずだ。そして、まだ果たせぬ2回戦突破は、その後輩たちが成し遂げてくれることだろう。

そして3回戦へ駒を進めた東福岡は再び九州勢の日章学園(宮崎県代表)と相まみえる。今シーズンの九州大会では2回戦で対戦。2-0で下した相手だが、森重監督は慎重な姿勢を崩さない。
「九州大会で勝ったから、また勝てると思うのではなく、全く気持ちを変えて臨まなければいけない。ここまで勝ち上がってきたチームなので絶対に侮れない。どのように80分間を戦っていくかを考えて先発メンバーを決めたい」
そして、九州勢同士の対戦は両者一歩も引かない戦いとなる。

【佐賀東】
 GK:眞子雄司
 DF:吉田和磨、篠原佑太朗、吉田圭佑、西原悠晟
 MF:川内真一、古川雅人、田中優斗(51分/龍卓実)、藤野奨悟(67分/江口雄規)、中原貴志
 FW:渡邊亮太

【東福岡】  GK:中西正明
 DF:熊本雄太、KIM YO DAN、岸田優、中島圭大
 MF:草野昂希、阿部敬太、松田天馬、藤本拓臣(48分/池辺龍次朗)、赤木翼(76分/柳田 佑也)
 FW:木戸皓貴(69分/中島賢星)

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