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2回戦注目の強豪対決は京都橘が制す

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第92回 全国高校サッカー選手権大会 2回戦
日時/2014年1月2日(木)14:10 kick off
会場/フクダ電子アリーナ
結果/藤枝東 0-2(前半0-1、後半0-1) 京都橘
得点者/[京都橘]林大樹(20分)、赤澤祥平(67分)

サッカーに限らず、どんな大会でも、「初戦で対戦させるのはもったいない」と言われる対戦カードがあるものだ。サッカー王国の代表と前回準優勝チームの対戦、今大会ではまさしくこの藤枝東対京都橘がそれに該当するだろう。

京都橘は、記憶に新しい昨年の準優勝チームだ。持ち前のスピードを活かし大会得点王となったFW小屋松知哉が、その後U-18代表に選出され、来季からJ1名古屋への加入も決まり、FWとしての幅を広げるとともに切れ味をも増している。大きな強みは、昨年1・2年生で決勝戦のピッチに立った選手が小屋松を含め6人、ベンチにいた選手が1人、スタメンに名前を連ねていることだ。京都府予選では、5試合すべてで3得点ずつを挙げ15得点、失点はわずか1、と力を遺憾なく発揮し2年連続3回目の出場を決めた。

対する藤枝東は、1970年度が最後とはいえ過去4度の優勝経験を誇る名門校。前回出場時も、河井陽介・村松大輔(ともにJ1清水)を擁して準優勝を果たしている。それ以前のOBには中山雅史、長谷部誠、山田暢久、山田大記ら日本代表選手の錚々たる面々を輩出してきている。静岡県予選では、前年優勝の常葉学園橘、伝統校の清水桜が丘(旧清水商)を倒し復活、5年ぶり24回目の出場となった。伝統のパスワークをベースに、早さと技術に優れた片井巧、櫻井敬基ら攻撃陣に注目だ。

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まず京都橘が2分のFK、3分のCK、4分のFKとセットプレーでチャンスを作る。一方、藤枝東は右サイドから櫻井の仕掛ける緩急をうまく使ったドリブルが京都橘DF陣の手を焼かせ、10分にMF長瀬燎哉のボレー、14分のMF大場淳矢の遠目からループ気味のシュートで反撃する。

そして、先制したのは京都橘だ。20分、CKの流れから、DF小川礼太が左へ展開し、MF宮吉悠太がゴール前へクロスを入れると、数人がなだれ込み、攻め残っていたDF林大樹が頭から飛び込んで合わせ藤枝東ゴールを割った。

さらに畳み掛ける京都橘は、MF中野克哉のドリブルに小屋松が絡み藤枝東ゴールに迫る。藤枝東もFW小谷春日、櫻井、片井らが連係し、中央突破を図る。しかし、ともにDF陣が食らいつくような守備で対応し、0-1で前半は終わる。

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後半、先にチャンスを作ったのは京都橘。守備意識を高めながらカウンターを狙っていた6分、右からの宮吉のスルーパスをMF中山俊輝が受けるがフィニッシュできない。さらに7分、今度は右サイドからボックスにドリブルで仕掛けた中野が倒され判定はPK。しかし、小屋松のキックは藤枝東GK長沢祐弥が右へ跳びストップするビッグセーブで藤枝東の窮地を救う。

PKストップから8分。今度は藤枝東だ。ボックス右から仕掛けた片井が倒されてPKを得る。しかし、片井自ら、短い助走で蹴ったPKは、GK永井建成ががっちり止めて見せる。小屋松のPK失敗を「何をしてるんや!」と思ったという永井。さすがは小屋松と並ぶ京都橘の2枚看板、J2熊本内定GKの面目躍如といえた。

2つのPKで試合の流れは2チームの間を行って、戻った印象だ。そして、京都橘を苦しめ続けていた藤枝東の櫻井が足の故障を悪化させピッチを後にしてしまう。そして、試合を決定づける得点が京都橘に生まれる。27分、自陣からのロングフィードが左サイドから飛び出した小屋松の前へ。ワンバウンドしたボールをロビングで中央へ送ると、中央に走り込んできたFW赤澤祥平がダイレクトで合わせゴールネットを揺らした。直前に交代出場した赤澤のファーストタッチが貴重な追加点を生み出したのだ。

2点の重いビハインドにも藤枝東はあきらめない。33分には右サイドから藤原賢吏のFK、37分には左から田口史也のクロス、40+2分にも左からのクロスが入るが、いずれも中とのタイミングが合わない。40+4分のチャンスもシュートはGK正面へ。そしてタイムアップとなった。

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藤枝東・櫻井を京都橘は最も警戒していた。大小の切り返しを交えた緩急多彩なドリブルは相手を振り回していただけに、彼の負傷交代は攻撃力の低下を招いたし、試合結果にも大きく影響した。大会前から痛めていた足がファウルを受けた際に悪化してしまったのだが、不運というしかない。そして、PKの失敗。確かに両チームともにPKを失敗したし、もちろん両GKをほめるべきなのだが、藤枝東にとって同点ゴールとなるべきものだったし、残り時間も少なかっただけに、負った痛手は藤枝東側の方が明らかに大きく、敗因といっても過言ではないだろう。

京都橘は、チャンスの数でも、シュート数でも藤枝東を下回った。しかし、勝利は京都橘のものだった。京都橘が藤枝東の櫻井を警戒したように、藤枝東は小屋松とともにドリブラーの中野を要注意人物としていた。OBである山田大記(J1磐田)が練習参加した時に、「仮想・中野としてプレーしてもらった」(藤枝東・櫻井)というほどだったが、その警戒された中野は存分に突破力を発揮しPKも獲得した。そして、期待されながら得点もできず、それどころかPKまで失敗した小屋松だったが、そのショックに負けず、失敗の責任をとり返すパスで2点目をアシストしたのはさすがだった。攻守にバランスのとれた京都橘は昨年同様の活躍が期待できそうだ。

【藤枝東】
 GK:長沢祐弥
 DF:熱川徳政、安藤寛和、大村海太
 MF:原田守、長瀬燎哉(80+1分/山田盛央)、藤原賢吏(80+1分/松田優也)、大場淳矢
 FW:小谷春日、片井巧、櫻井敬基(61分/田口史也)

【京都橘】
 GK:永井建成
 DF:倉本光太郎、林大樹、小川礼太(78分/山村龍平)、清水遼大
 MF:志知大輝、藤村洋太、中山俊輝(61分/赤澤祥平)、中野克哉(79分/杉本智崇)
 FW:宮吉悠太、小屋松知哉

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