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これが九州魂。劣勢の試合も日章学園が粘り勝ち

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第92回 全国高校サッカー選手権大会 2回戦
日時/2014年1月2日(木)12:05 kick off
会場/浦和駒場スタジアム
結果/日章学園 2-1(前半1-1、後半1-0) 桐生第一
得点者/[日章学園]甲斐(18分)、[桐生第一]斎藤(29分)、[日章学園]松田(78分)

昨年の大会で、1戦、1戦を粘り強く戦いながら頂点の座に辿り着いた宮崎鵬翔高校。宮崎県に初優勝をもたらした活躍に地元は大いに賑わった。その快挙を早稲田一男監督(日章学園)は次のように振り返る。 「昨年の鵬翔さんに絶対的な力があったわけではないと思う。だからこそ、鵬翔さんが何故、日本一になれたのかを学びたいし、見習わなければいけないと思う」 その鵬翔高校を県予選決勝でPKの末に下してやってきた全国の舞台。2年ぶり10度目の全国の舞台で県勢2連覇を狙う。

対するは2年ぶり2度目の出場となる桐生第一。初出場時の2年前はベスト8まで進出。県予選では全国に知られる前橋育英を下して堂々の出場を果たした。今大会では、前回のベスト8を上回る成績を狙う。攻守ともにハードワーク出来るのが特徴。そして、戦初メンバーの平均身長で、日章学園のそれを約4センチ上回る高さで、まずは大会初戦突破を目指す。

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立ち上がりからリズムを刻んだのは桐生第一。激しいプレッシャーと、縦への力強い攻めでグイグイと日章学園を押し込んでいく。ゲームを作るのは浦丸治也。斎藤雄大が縦へのスピードを生かしてゴール前へと迫れば、出村楓太が鋭いドリブルで日章学園の中盤を切り裂いていく。「予想通り、高さ、技術に加え、プレッシングが厳しかった。うちが、これだけつなげないゲームというのは、あまり記憶にない」とは早稲田監督(日章学園)の言葉。日章学園は守備に追われる展開が続く。

それでも、日章学園は粘り強く守りながら逆襲の機会を窺う。体格に勝る桐生第一とのファーストコンタクトでは不利は否めなかったが、その代わり、セカンドボールからのチャンスを虎視眈々と狙う。「相手のボールの失い方が悪かった時に、守から攻の移行をスムーズにやろうと話していた。中々セカンドも拾えなかったが、それを狙いながら、我慢強く守備をしようということだった」(早稲田監督)。

そして18分、狙い通りの形から日章学園が先制点をあげる。左サイドの攻防からセカンドボールを拾った日章学園は、鋭く切り替えて縦へ。村田航一のポストプレーから甲斐匠がペナルティエリアー飛び込んで混戦となったところを、再び村田が拾い、最後は甲斐が落ち着いてゴールネット揺らした。日章学園は、これが初シュート。まさにワンチャンスを生かした形だ。

だが、桐生第一の攻勢は止まらない。それが形になったのは29分。相手が飛び込んできたところを交わしてフリーになった浦丸が左サイドから中央へ向けてドリブルを仕掛ける。その動きを見ながらラインの裏へ飛び出す斎藤。そこへ、ここしかないというタイミングスルーパスが渡った。前半のスコアは1-1。勝負は後半に持ち越された。

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後半も一方的に攻めるのは桐生第一。粘る日章学園に対し、これでもかと言わんばかりに縦に、縦に、押し込んでいく。52分には、桐生隼人に代えて大塚遼太郎を投入。4-4-2の布陣から4-1-4-1に代えて、さらに攻勢を強めていく。悔やまれるのは、攻めている割にシュートが少なかったこと。田野監督は「逆転のチャンスはあったが、最後のところで、フィニィッシュに行くよりも、大事にかわして確実に取ろうとしたことで、結局、相手に引っかかって決まらなかったことが大きかった」と振り返る。

それでも、60分、63分、そして77分とあと一歩の場面も作った。ほんの少し、何かが違っていれば、試合結果も全く別なものになっていただろう。「相手に決定力があったら、まず勝てていないと思う」と早稲田監督も話す。ただ、そうはさせなかった理由の一つには、日章学園の粘り強さもあげられる。80分間のほとんどの時間を攻めていたのは桐生第一。守備に追われる日章学園の集中は、いつ切れてもおかしくない状況だったが、最後まで体を張ってゴールを守りぬいた。

その粘り強さが、勝利を手繰り寄せた。時間は、PK戦が視野に入ってきた78分。日章学園は、またしてもワンチャンスをものにする。中央でのボールの奪い合いを制した甲斐が左サイドへ展開。そのボールを受けて縦に抜け出した木橋春暁の折り返しは、ゴール前を横切るかに思えたが、そこへ勢いよく飛び込んできたのは松田岳。思い切り伸ばした右足の先で捉えたボールが、ゴールへと転がり込んだ。日章学園にとって4本目のシュートが決勝ゴールを生んだ。「最後は九州魂というか、根性で乗り切った」(早稲田監督)。粘りに粘り抜いた日章学園が3回戦進出を決めた。

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さて、この日の浦和駒場スタジアムには、10台ものパスを仕立てて桐生第一の応援団が乗り込んできていた。その大応援団の声援を背に、桐生第一は自分たちの持ち味を発揮し、力の限りに戦った。「内容は県大会と比べても悪くなかったし、入り方も悪くなかった」とは田野監督の言葉。だが、それが必ずしも結果につながるわけではないのがサッカーというスポーツ。この日、彼らは力を出し切れなかったわけではない。いつも聞かれる言葉だが、「これがサッカー」という試合だった。

だからこそ、悔しさも募る。 「内容は勝ち切れそうな内容で負けたというのが、子供たちも悔しいだろうし、そこがうちの甘さかなと。日章さんの方が、そこの部分は1枚上だった」(田野監督) けれど、敗戦の悔しさと経験はチームの力として蓄積される。この日、先発のピッチに立った11人のうち5人が2年生。悔しさを晴らすための戦いは、今日から始まっている。

【日章学園】
 GK:永本康造
 DF:岩切龍二、鴫山昂平、大川雄平
 MF:松田岳、井谷一勝、菊池禎晃、木橋春暁、河野翔太(73分/藤堂貴久)
 FW:村田航一、甲斐匠

【桐生第一】
 GK:依田龍司
 DF:坂井滉祐、乾貴哉、松島奨真、橋場洸貴(66分/田中大輔)
 MF:角田駿、木村光希、出村颯太、浦丸治也
 FW:齋藤雄大、桐生隼人(52分/大塚遼太郎→80分/若月佑介)

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