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“候補”市立船橋、辛勝でスタート

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第92回 全国高校サッカー選手権大会 2回戦
日時:2014年1月2日(木)12:05 kick off
会場:フクダ電子アリーナ
結果:中津東 0-1(前半0-0、後半0-1) 市立船橋
得点者:[市立船橋]山之内裕太(68分)

優勝候補筆頭と目される市立船橋が2回戦に姿を現した。第2試合で藤枝東対京都橘という好カードがあることもプラスに作用したのだろうが、地元・千葉会場のフクダ電子アリーナには、市立船橋を見ようと1万3千人超の大観衆が詰めかけ、バックスタンドの最上段には立ち見客が端から端までずらりと並んだ。対戦相手の中津東にとっては初めて体験する大観衆に違いないし、サッカー専用スタジアム特有の圧迫感あふれる歓声は大きな敵となるだろう。

6回目の優勝を狙う市立船橋は、夏のインターハイチャンピオン。その決勝で降した流経大柏に千葉県決勝で再び勝利し、2年前の全国制覇以来の19回目の出場を果たした。さらに、12月のプレミアリーグ参入戦で大阪桐蔭、新潟ユースを破り来季の昇格を決め、充実の1年を選手権優勝という有終の美で飾りたいところだ。

中津東は、2年連続3度目の出場。大分県予選決勝の大分鶴崎戦を含む3試合を逆転勝ちしてきた粘りが信条のチーム。守備にこだわりを持つ松田雄一監督の下、堅守速攻型スタイルを志向する。

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序盤はともにスムーズにパスが回らず、一進一退の展開が続く。市立船橋は細かくつなげないと見ると、ターゲットとなるFW矢村健を左右のスペースに走らせDFラインからロングフィードを送り、ラインを下げさせる狙い。また、CBの磐瀬剛、柴戸海がタイミングを見て自陣からドリブルで持ち上がりチャンスメークを図るが、中津東は、市立船橋の高いテクニックに1人が抜かれても素早いカバーリングで2人目が向かいスキを与えない。

なかなかシュートらしいシュートを打てなかった両チームだが、20分に守勢に回っていた中津東のMF赤岩郁弥がシュートを放つ。市立船橋は24分にゴール正面でのFKを得ると、FW石田雅俊とレフティのDF山之内裕太がボールの前に立つ。山之内が囮(おとり)になって、蹴ったのは石田だったが、これはGK仲慎太郎の正面に飛んだ。25分には中津東がFW楢崎颯晟と赤岩のコンビプレーでチャンスを作るがシュートは大きくそれてしまう。26分にもロングスローのこぼれをFW山本隼斗が狙うがこれもバーの上。

34分には中津東の山本がうまくフリーで抜け出すが、市立船橋・磐瀬が落ち着いた対応で時間を稼ぎ未然にピンチの芽を摘む。市立船橋は、中津東が最も警戒するエース石田のボールを受ける回数が少ないことが、チャンスを作れない要因と言えた。それでも、市立船橋は40分に右CKの流れから、室伏航の狙い済ました右足カーブシュートがゴール右上へ飛ぶが、GK仲が見事な反応でジャンプキャッチ。中津東もアディショナルタイムに楢崎のパスから杉園恭平がシュートするが、DFが身体でブロックした。

前半のシュート数だけを見れば、中津東が3本、市立船橋が2本という「貧打戦」だが、ともに守備面でのケアレスなミスが少なく、集中したプレーぶり。中津東がよく守ったというよりも市立船橋に攻撃面で活気のなさが感じられた前半だった。中津東は攻撃面でも少ないチャンスに連動した動きで市立船橋DF陣を苦しめる。

後半の9分から連続して市立船橋は得点機を作る。室伏のミドルはバーを越え、MF打越大樹の遠目からのブレ球はGKの正面へ。さらに石田が、室伏とのワンツーのフェイクからリターンせずシュート。これもワクをとらえられない。

市立船橋・朝岡隆蔵監督は交代カードのFW横前裕大を投入し、さらに圧力を加えていく。そして、28分に室伏が倒されて得たFK。前半24分に石田が直接狙ったポイントよりは、右寄り。今度は石田がいかにも蹴るぞというそぶりから、山之内の左足。美しい放物線を描いたボールにGK仲が手を伸ばしたが少し触れただけで、ゴールネットが揺れた。ついに市立船橋が先制した。

残り12分間、追いかける中津東だが、心と身体の消耗は隠せなかった。焦りは余裕のないシュートと精度の低いクロスとなって表れ、同点ゴールは遠く、タイムアップはすぐに訪れた。

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ジャイアント キリングはならなかった。流れからの失点ではなかっただけに、中津東にとって大変悔しい敗戦だろう。選手たちは雰囲気に負けず、終始のびのびとプレーし、市立船橋を十分苦しめることができた。強豪相手に通用したところ、しなかったところを今後の成長の糧にしてもらいたい。

苦しみながらもしっかり無失点勝利で終えるところは、さすがは市立船橋だ。しかし、朝岡監督は、「未熟だと思う。もう少しダイナミックな試合をすることができればと思う」と語った。初戦の難しさはあったとしても、今後も守備を固めてくる相手が多いことを考えると、素晴らしいFKだったとはいえ、その1ゴールだけ。現状では優勝への道のりは厳しいものに思えた。

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