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実力の証明。東福岡、万全のスタート

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第92回全国高校サッカー選手権大会 1回戦
日時/2013年12月31日(火)14:05キックオフ
会場/埼玉スタジアム2002
結果/東福岡高校 6-0(前半3-0、後半3-0) 米沢中央高校
得点者/【東福岡】木戸(11分、28分)、赤木(32分)、阿部(60分)、オウンゴール(68分)、増山(80+1分)

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大会2日目、さいたまスタジアム2002に、今大会の優勝候補のひとつとされる東福岡高校が姿を現した。初出場は第58回大会(1979年)。第76回・77回大会(1997・1998年度)では2連覇を飾り、以降、「赤い彗星」の名で広く知られる強豪校だ。昨年2月に行われた新人大会からここまで、県内の大会では負け知らず。九州新人大会、九州大会も制し、プレミアリーグウエストでは最終節まで優勝を争うなど、その実力は高い。

対するは初出場の米沢中央高校。「米沢は県内でもサッカーのレベルが少し落ちるところ」とは指揮を執る鳥羽俊正監督の言葉だが、県大会決勝戦で強豪・山形中央を下して初優勝。監督就任から9年目にしてチームを全国の舞台へと導いた。躍進の要因は、米沢出身の地元選手と、県外出身の選手を融合させたこと。「県外から来た選手たちが米沢で頑張ってくれたことで、地元選手が本気になった」と鳥羽監督は話す。初めての全国に自分たちの今を思う存分にぶつけるつもりだ。

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試合は立ち上がりから東福岡が圧倒した。先制点は11分。米沢中央のゴールキックを草野昴希がダイレクトで前線へ送ると、そのボールを受けた木戸皓貴が背負ったDFを反転しながら交わしてGKと1対1に。そして左足を振りぬいた。東福岡の2点目は28分。松田天馬からのスルーパスに反応してタイミング良く飛び出した木戸が、今度は右足で流し込んだ。木戸と松田は小学校の時から同じチーム(熊本ユナイテッド)でプレーしてきた仲。「今年で12年目」(木戸)という、さすがのコンビネーションだった。

さて、攻撃力を最大の武器にする東福岡だが、そのペースには高い位置からのプレスに始まる守備力の高さがある。なかでも、この日、目立ったのはボールを失った後のプレスバックの速さだ。「今日のゲームで一番怖いのは、相手の2トップを活かしたカウンターだったので、失った後、まずは蹴らせないためのファーストディフェンスというのを強調して試合に臨んだ」(森重監督)。その言葉通り、ファーストディフェンダーの激しいプレスと、それをサポートする選手で簡単に奪い返して、米沢中央にプレーさせる余裕を与えなかった。

そして、東福岡は36分に3点目を奪う。木戸のクイックスローを受けた阿部敬太が柔らかなボールをゴール前へ送ると、そこへ赤木翼が飛び込んで頭で合わせた。いずれも米沢中央の守備を完全に崩して奪った得点。そして、米沢中央には1本のシュートしか許さなかった。まさに東福岡の横綱相撲。米沢中央に何もさせず、自分たちりのサッカーを余すことなく披露して前半を終えた。

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前半は5バック気味で守っていた米沢中央は、後半に入ると本来の4-4-2の布陣に変更。50分には、は渋谷拓真がきわどいシュートを放った。しかし、東福岡の優位は変わらない。草野、阿部、松田の3人が中盤を流動的に動き回ってボールを動かし、両翼からは藤本拓臣、赤木が縦へのスピードを生かして突破をしかけ、ゴール前では、プレミアリーグウエスト得点ランク2位にしてU-18日本代表候補の木戸が、虎視眈々とゴールを狙う。

40分、東福岡の4点目はカウンターから。自陣右サイドからのフィードを中盤で受けた阿部は、前線で待つ木戸にボールを送って、その外側を回りこむようにしてペナルティエリアへ。その走りこんだスペースに木戸からラストパスが出されると、阿部が右足ダイレクトでゴールに流し込む。5点目は米沢中央のオウンゴール。そしてアディショナルタイムには、松田がドリブル突破からチャンスを作り、最後は木戸に代わって出場した増山朝陽が、ここしかないところへ流し込んだ。

ただ、ただ、「東福岡強し」を印象付けた80分。高い技術に加えて、自由度の高い連動性と、東福岡の代名詞でもある伝統のサイドアタック。その完成度の高さは「優勝候補」の名にふさわしいものだった。

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それでも、森重潤也監督は笑顔を見せなかった。
「全国のトップレベルに行ってもおかしくないとは思うが、そんなに簡単に行けるとは思っていない。いろんな部分で行ける要素はあっても、トータル的に見れば、まだまだかも知れない。1戦、1戦戦っていく上で、本当にそういうチームになっていければと思う」 過去、高い評判を得ながら、大会2連覇の後は6回出場してベスト8が最高位。今シーズンのインターハイでは1回戦で敗れた。全国大会は難しい。自信を感じさせながらも、その表情はそう語っていた。

さて、東福岡の前に、自分たちのプレーをさせてもらえなかった米沢中央。鳥羽監督は次のように振り返る。
「感謝の気持ちでいっぱい。この舞台につれて来てくれた選手たちには、ありがとうという気持ちだ。自分が指導を始めてから、まずは土俵に乗ることを目標にやってきた。この経験を、僕が今の1、2年生と一緒に、地域のために、地区のレベルアップも含めて、還元していかないといけないと思う」

「いままでは、山形の物差しで判断していたと思うが、これからは全国の物差しで判断しないといけない。そういう意味では、今年の選手権に出ているチームの中ではトップだと思える東福岡と、全国の舞台で真剣勝負ができたのは大きかった」(同)
米沢中央の歴史は始まったばかり。この日の経験は、これからの歴史を築いていく糧になるはずだ。

【東福岡高校】
GK:中西正明
DF:熊本雄太、キム ヨ ダン、岸田優、中島圭太
MF:草野昴希、阿部敬太、松田天馬、藤本拓臣(67分/小山拓人)、赤木翼(55分/池辺龍次朗)
FW:木戸皓貴(79分/増山朝陽)

【米沢中央高校】
GK:佐藤恵一
DF:菊地謙耶、小池雄大、嶋貫滉里、鬼頭一弥
MF:官稜真(舟山凌)、岩田春樹、村瀬翔、渋谷拓真(58分/佐藤郁也)
FW:神田大成、釜田航也(HT/大木春陽)

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