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【ブラサカ・アジア選手権2011】激闘の記録 1

ブラインドサッカー・アジア選手権2011
日本代表vs.中国代表
日時/12月22日(木)11:00
場所/元気フィールド仙台
結果/日本0-2中国

取材・文・写真/中倉一志

 12月21日、前日に振った雪がまだ残る元気フィールド仙台で、ブラインドサッカー日本代表チームの初のパラリンピック出場権をかけた第4回アジア選手権が戦いが始まった。戦うチームは、中国、韓国、イラン、そして日本の4チーム。既に中国がパラリンピック出場権を獲得しているため、残る1枠を韓国、イランと3か国で争う。日本が歴史を変えるべく臨む大会に臨むに当たり、日本ブラインドサッカー協会の釜本美佐子理事長は次のように話す。「ブラインドサッカー協会を設立して10年目の節目の年。監督、選手、そして私も含めて、全員一致の気持ちでパラリンピック出場を目指すというのが共通の想い」。そして11:00。日本の初戦が始まった。

 戦う相手はアジアNo.1の実力を有する中国。現在、大会2連覇中の押しも押されぬアジアチャンピオンだ。特長は高い技術を伴う高速ドリブルで、スピードに乗ったら複数で囲んでも止めることは難しい。大会前日の20日に行われた公開練習に参加せず、仙台入りは20日の晩。既にパラリンピック出場が決まっているため、どの程度の本気度で来るか疑問視する向きもあったが、ウォーミングアップで見せるテクニックの高さは、この大会が彼らにとって決して消化試合ではないことを物語る。試合が始まると、持ち味であるドリブルと、高いテクニックを伴ったターンを駆使して、日本の守備組織を左右に揺さぶり、隙ができたと見るや果敢に縦に仕掛けてゴールを狙う。

 日本も決して負けてはいない。中国封じの決め手は、キャンプの時から取り組んできた高い位置からのハイプレッシャー。中国がスピードに乗る前に止めてしまうのが狙いだ。ベンチに控える風祭喜一監督、そして最後方に構えるGKの声を頼りに4人が連動しながら高い位置からボールを追う。そして壁際の争いでは体ごと激しくぶつかっていく。他のチームが自陣に守備網を敷いて相手を待ち構え、入ってくる所を捕まえる守備とは全く違った守り方。だが、日本の特長である連動性を活かした戦い方は、中国の攻撃力を半減させた。試合は五分と五分の拮抗した展開。手に汗握る戦いが続く。

 だが、やはり中国は強かった。前半の21分27秒11、日本の4人のプレーヤーの間に出来たスペースを突いてYafen Wangがドリブル突破。スピードに乗ったまま放った右足からのシュートが日本のゴールネットを揺らす。そして中国の2点目はWenfa Zheng。後半の17分36秒10に自身からスピードに乗ったドリブルを仕掛け、そのままゴールを陥れた。いずれも、機能していた日本の前線からの守備が緩んだ一瞬の隙を突いたもの。わずかな緩みを見逃さない中国の強さを改めて感じさせられたゴールシーンだった。

 それでも、日本代表にショックはない。
「相手の10番(Wenfa Zheng)、11番(Yafen Wang)のドリブルの切れがよく、それにやられてしまった。だいぶ止めていたけれども、やはり、あのドリブルはすごかった。ちょっと見てしまったのが残念。それでも、ボールを取ることも出来たし、ルーズボールへの反応もよかったので、キャンプでやってきた高い位置からのプレスをかけることに対する手応えは十分にある」とは風祭喜一監督。黒田智成も「チーム全体として戦えていた。負けたことは悔しいけれど、手応えを感じる場面も沢山あったので、明日から全力で戦って勝って、決勝戦では中国を倒そうとみんなで話した」と話す。

 その日本の第2戦の相手は宿敵韓国。4年前のアジア選手権最終戦で敗れ、あと一歩に迫っていた北京パラリンピック出場を阻まれた相手だ。その雪辱を果たし、そしてロンドンへの道を切り開くには勝つしかない。そして23日、日本はその思いの全てをピッチの上で表現することになる。

(続く)


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