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【フットボールな日々】目の前の壁を乗り越えろ!

130327_01.jpg 取材・文・写真/中倉一志

 25日、雁の巣球技場競技場にマリヤン・プシュニク監督の大きな声が響き渡りました。ピッチの外では、穏やかな表情しか見せないプシュニク監督も、トレーニング中は、時に大きな声で選手を叱責することは珍しいことではありません。しかし、この日は緊張感が違いました。3連敗を喫した札幌戦後の記者会見で「明日から練習の質と内容を上げる。試合に出られるのは、それに付いて来る、あるいは、付いて来ようとする選手。そうでない選手は出られない」と話した言葉が、そのまま雁の巣球技場に持ち込まれていました。

 緊張感を高めただけではありません。トレーニングメニューも、これまでの試合翌日の内容とは違うものでした。具体的な内容については、ここで紹介することは避けますが、ここまでの5試合で見えてきた課題は何か、そして、いま自分たちが取り組まなければいけないことは何か、それが具体的に伝わってくるものでした。しかも、練習時間は、試合翌日としては異例の2時間強。何事にも妥協せず、やるべきことをやるというマリヤン・アビスパの姿勢が表れていました。

 そして、何よりも強く伝わって来たのは、今やすっかりCMでお馴染みになったフレーズの「じゃあ、いつやるか?いまでしょ」というメッセージでした。試合の翌日であることを考えれば、まずは疲れを十分にとり、その翌日から課題に取り組んだとしても、大きな問題はなかったかも知れません。けれども、負荷を調整しながらも、これまでとは質と内容の違うトレーニングを行った姿からは、問題の解決は、どんな事情があろうとも、決して先送りしてはいけないということを、強いメッセージとして発信しているのだと感じました。

 さて、福岡は5戦を終えて2勝3敗。これまでの戦いぶりを見ていると、新生アビスパと銘打って再スタートを切った2003年当時の様子と、よく似ているなと感じています。チームに変化は感じられる。いいゲームもする。けれども、スルリと勝ちが手からこぼれ落ちて行く。チームは確実にいい方向へ進んでいるけれども、目の前にある壁を乗り越えるまでの力は身についていない。そんな状況だと思っています。

 いま求められているのは、改めて力を蓄え、それをピッチの中で思う存分に発揮して、目の前に現れた最初の壁を乗り越えることです。25日のトレーニングの最大の目的は、それを伝えるためにあったのではないかと考えています。Jリーグ40チーム中、36番目のチームがJ1の舞台に辿り着くのは容易なことではありません。けれど、それがクラブの、チームの、選手の、そして福岡に関わる人たちの夢であり、目標です。「自分たちは変わるんだ」という揺るぎない強い意志で、まずは最初の正念場を乗り切って欲しいと思っています。


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