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【J2第4節 徳島-福岡】"らしさ"発揮できず 無念の2連敗

130323_02.jpg 2013Jリーグ Div.2 第5節
日時/2013年3月20日(祝)
13:00キックオフ
会場/鳴門大塚スポーツパーク
結果/徳島 2-1 福岡
取材・文/中倉一志

「相手にやりたいことを徹底され、自分たちは監督の指示を徹底できなかった。その差がはっきり出たゲーム」(城後寿)。その言葉通り、両チームの試合に臨む態度が、結果に明確に現れた試合だった。

 徳島の狙いはロングボールを前線に放り込んで起点を作り、そこへ2列目の津田知宏と大﨑淳矢が絡んでチャンスを広げるというもの。その態度はとにかく徹底していた。ボールを持って前を向くと、必ずと言っていいほど、高崎寛之めがけてロングボールを送る。それどころか、スローインも、高いボールを高崎に当てる徹底ぶり。もともと、徳島の攻撃のパターンはロングボールが起点になるのだが、これほどまでに徹底してきたのには、ここまで4試合を消化して未勝利という事情もあったのだろう。その徹底ぶりは、勝利のためなら、なりふり構わないという感じさえするものだった。

 一方の福岡の狙いは、高い位置からのハイプレッシャーでパスコースを限定し、中盤で数的優位を作ってボールを奪うこと。そこからの速い攻撃でゴールを目指す。しかし、徳島のロングボールを怖がってか、最終ラインを思うように高い位置にキープできずに全体が間延び。互いの距離感が遠くなってしまったチームは、相手にプレスをかけられず、間延びした中盤ではセカンドボールも拾えず、いつものリズムが生まれない。しかも、ボールを奪ってもミスを連発して相手にボールを渡すことを繰り返した。「前と後ろで長くなって、しかもセカンドが拾えない状態。ばらばらだった。選手同士の距離が遠かったので、自分達の良さであるアグレッシブな守備もできずじまいだった」と石津大介は試合を振り返る。

 加えて、高崎と福岡の最終ラインの1対1の攻防で、福岡がことごとく負け続けたこともあり、試合は一方的な徳島のリズムに。まるでリプレイを延々と繰り返しているような展開で、徳島が一方的に試合を支配していく。そして、当然のように、狙い通りの展開から徳島に先制点が生まれた。時間は30分。後方からのロングボールを追って高崎が福岡の最終ラインの裏へと走り込む。並走する山口和樹が、スピードで振り切ろうとする高崎ともつれるように転倒したところでPKの判定が下された。そして、2点目も起点になったのも高崎。高崎が頭で落としたボールを津田が拾うと、ゴール前で鮮やかにパスを回して福岡DF陣を翻弄。最後は大崎が右足でゴールネットを揺らした。「相手に合わせてしまって自分たちのサッカーをしていなかったのだから、結果は当然のものだったと言える」(プシュニク監督)。その表情に悔しさがにじむ。

 福岡がボールを回し始めたのは後半に入ってから。だが、それも福岡が盛り返したと言うよりも、福岡を悩ませ続けた高崎が、怪我のために43分にピッチから退いたことと、2点のリードを奪った徳島が、定石通りにカウンター狙いに変更したことが影響した感が強い。実際に、決定機を数多く作り出したのは徳島。シュート数は福岡の7本に対して、徳島の6本と、差は生まれなかった。迎えた88分、福岡は、金久保順、坂田大輔とつないだボールに、最後は西田剛が右足ボレーでゴールネットを揺らしたものの、反撃もここまで。徳島は会心の内容で今シーズン初勝利を挙げ、福岡には、ふがいなさばかりが残った。

 福岡には、古賀正紘がコンディション不良、尾亦弘友希が手術のために長期離脱、そして堤俊輔が出場停止であるなど、最終ラインに戦列を離脱する選手が集中していたという別の事情もあったが、とにかく最終ラインを下げさせられてしまったのが全てだった。前から激しくプレッシャーをかける福岡のスタイルに対抗するために、相手がロングボールを蹴り込んでくるのは、ある意味、当然のこと。それに対応してリスク管理をすることは当然のことでもある。しかし、必要なのは、自分たちの強みを発揮するために相手の攻撃に対応することであって、相手のやり方に合わせることではない。蹴らせるのではなく、蹴られてしまったことが問題だった。

 それでも、福岡は現在、変化の真っ最中。すべてが上手くいくわけではない。そんな中で求められているのは、やるべきことと、出来ること、そして、出来ないことを整理した上で、敗戦から学び、足りない物を身に付けるためには何をするべきかを考えること。そして、それを実行に移すことにある。岡田は話す。「体や気持ちの準備を100%して、しっかり勝てるように準備していきたい」。そして、いま最も大事なことは、敗戦の次の試合で何をするかということ。ホーム・レベルファイブスタジアムで戦う札幌戦でアビスパは何を見せるのか。そこに注目したい。


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