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【高校サッカー】鵬翔 宮崎県勢初のベスト4

130105_01.jpg 第91回 全国高校サッカー選手権大会 準々決勝
日時:2013年1月5日(土)12:05 kick off
会場:フクダ電子アリーナ
結果:立正大淞南 0-3 鵬翔
写真/文:サカモト マコト

 2回目の僅かな休息を終え、ベスト8に残った選手達がピッチに戻って来た。今日の試合に勝てば憧れの聖地国立競技場。4つしかない、その椅子を賭けた熱い戦いが、今日、キックオフされる。そして、フクダ電子アリーナで行われた準々決勝第1試合では、立正大淞南(島根)と鵬翔(宮崎)が合いまみえた。

 ここまで、全国大会の準決勝の壁に阻まれてきた立正大淞南の今大会での目標は頂点の座。2回戦で、激戦区千葉県から勝ち上がって来た八千代を7-1で圧倒。3回戦では、旭川実業(北海道)をPK戦の末に下して、順調にベスト8に駒を進めてきた。  対する鵬翔は、1、2回戦を無得点ながら堅守で守り切って、東邦(愛知県)、帝京大可児(岐阜県)を、それぞれPK戦で下すと、3回戦では、佐野日大(栃木県)を3-0で撃破。大会前に掲げていたベスト4進出に、後一歩に迫る。

 試合序盤から、両チームは中盤での激しい主導権争いを繰り広げ、攻守の切り替えの早い試合が展開される。立正大淞南が、身長164センチながら、身体の軸の強さと、一瞬のスピードに長けるFW田路大樹がチャンスを演出すれば、鵬翔は、FW澤中拓也の高さを生かしながら、その周りで自由に動き回る北村知也がチームの攻撃を引っ張る。

 最初に決定的なチャンスを作ったのは立正大淞南。19分、右サイドで後方からのクロスを受けた田路が、最初のトラップでDFを置き去りにすると、フェイントを入れて左足に持ち直してシュートを放つ。さらに29分には、細かなパス交換からペナルティエリアに進入した隅田が右足を振り抜く。しかし、いずれも鵬翔GK浅田卓人にストップされてゴールが奪えない。今大会、幾度も素晴らしいセーブで鵬翔ゴールを守り抜いてきた浅田だが、この試合でも鵬翔ゴールに鍵をかける。

 そして、この浅田のプレーに鵬翔イレブンがこたえる。時間は30分。センターサークル付近から芳川隼登がゴール前に送ったFKに、混戦の中で原田駿哉が頭で合わせると、ふわりと浮いたボールがゴールに吸い込まれた。このゴールで勢いづいた鵬翔は、立正大淞南を自陣にくぎ付けに。そして36分には、左CKからのこぼれ球に、いち早く反応した柏田崇走が右足を振り抜いて追加点。鵬翔が点差を2点に広げて前半を終えた。

 2点を追う立正大淞南は、後半開始から、右MFの田中龍也に代えて仲駿幸を投入。これで右サイドの攻撃を活性化させると、徐々にリズムを刻みだす。そして後半の8分、右サイドからドリブルを仕掛けた田路に、鵬翔DF原田がたまらずファール。この判定で得たPKを、隅田が落ち着いて決めて1点差に詰め寄った。
 しかし、「(大会)初失点をしたが、みんな集中してた」(矢野大樹)と話す通り、堅守で勝ち上がってきた鵬翔は慌てない。そして後半の13分、再び、立正大淞南を突き放す3点目を上げる。得点は、またもセットプレーから。ゴール右斜め45度の位置から、小原裕哉がゴール前に送ったボールを、芳川がヘディングシュート。右上のここしかないコースに飛んだボールに、立正大淞南GK添谷舞樹はノーチャンスだった。

 そして鵬翔は、自慢の堅守で試合を締めくくる。前線から始まる守備で相手のリズムを奪い、中盤では矢野がことごとく立正大淞南のチャンスの芽を摘み取る。そして最終ラインの人もバランスを崩さない。やがて、試合終了まホイッスルが鳴り、鵬翔は宮崎県勢初のベスト4進出を決めた。試合後、「ずっと夢見ていた舞台」と話したのはキャプテン矢野。そして、松崎博美監督は次のように話した。「こんなに、強かったのかと思える位、子供達がハツラツとしたプレーをしている。国立でも、そのハツラツとしたプレーを見せれば、宮崎県のサッカー界のレベルも上がると思う」。準決勝でも、普段通りに堅守をベースに戦う。

 そして、「こちらの得意なセットプレーで、3発も決められたのが痛かった」と試合を振り返るのは南健司監督(立正大淞南)。チームの伝統である攻撃サッカーで頂点を目指した全国の舞台だったが、残念ながら、その夢は叶わなかった。届かなかった想いに選手たちは悔し涙にくれる。だが、その想いは立正大淞南サッカー部の歴史として刻まれ、後輩たちに託された想いは、更なる成長への糧となる。そして、また、この舞台に帰って来ることだろう。全国の頂点を目指すために。


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