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【高校サッカー】無念 東海大五 昨年の雪辱ならず

121230_01.jpg 第91回 全国高校サッカー選手権大会 開幕戦
日時:2012年12月30日(日)13:10 kick off
会場:国立競技場
結果:実践学園 2-1 東海大五
写真:金子悟・星智徳
文:サカモト マコト

 91回目を迎えた「全国高校サッカー選手権大会」。開幕となった30日の東京の空は、残念ながら生憎の雨模様。そんな中、開幕を待ちわびた熱心なサッカーファンが、ゲート前に列を作って開門を待つ。また、雨の影響で開会式も簡略化されたものになったが、出場48校を代表して壇上に立った片倉冬威主将(香川西)は「試合終了のホイッスルが鳴るまで『一意専心』の言葉を胸に正々堂々、全力でプレーすることを誓います」と宣誓。憧れの舞台で戦う気持ちは、いつもと変わらない。そして、開幕戦のカードに選ばれた実践学園(東京都B)と東海大五(福岡県)の両チームがピッチに登場すると、国立競技場にピンと張り詰めた空気が漂い始める。

 8年ぶり2回目の出場を果たしたのは実践学園。フォーメーションは4-2-3-1で、堅固な守備をベースにしてリズムを作るのがスタイル。キャプテン・鴻田直人が統率する最終ラインの安定感は高い。対する東海大五は2年連続14回目の出場。昨年に引き続き開幕戦を引き当てた。布陣は4ー1ー4ー1。J2ファジアーノ岡山に内定しているFW小林秀征のスピードを生かし、そこへ2列目、3列目の選手が絡んでいく厚みのある攻撃がチームの特長だ。そして13時10分、主審の笛が吹かれ、大会のオープニングゲームがキックオフされた。

 序盤、試合の主導権を握ったのは東海大五だった。昨年の開幕戦を経験しているメンバーを、多数、スタメンに連ねたチームは、出足の鋭さで実践学園を上回って好機を演出。大きな意味を持つ先取点を奪いに行く。だが、実践学院GK天野将貴の好守に阻まれ、あるいはシュートの精度に欠き、チャンスを活かしきれない。一方、前半15分を過ぎた辺りから、相手の猛攻を凌いだ実践学園は、左サイドの原が得意のドリブルから好機を演出すると、徐々に流れが実践学園に傾いていく。だが、ここは東海大五の2年生GK鈴木光が落ち着いたセーブで守りきる。そして、あっという間の前半40分は、両チーム無得点のまま終了した。

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 前半の勢いそのままに、後半も前掛かりに東海大五が攻め込む。後半開始4分には、ゴール前で得たフリーキックを、中井栞吏が直接狙う。だが、その3分後、ゲームの流れを大きく変えるプレーが生まれる。東海大五CB山村欣也がクリアしようとしたところ、スリッピーなピッチの影響でコントロールを失い、そのボールが無情にも右腕に当たる。判定はPK。そして、実践学園キャプテンの鴻田が「自信があったコース」と自らが語る様に、冷静にゴール左隅に決めて、実践学園が先制する。

 試合を優位に進めていただけに、東海大五イレブンの動揺は隠せなかった。そして、それに乗じて実践学園が2点目を奪う。時間は後半8分。東海大五DFがクリアしようとしたところに、原が激しくプレッシャーをかけて、これをブロック。そのままボールを奪って左サイドをドリブルでゴールへ向かうと、東海大五DFとGKを交わし、角度の無い所から豪快にシュートを決めた。優位に立った実践学園は、攻守の出足が良くなり、中盤で東海大五の攻撃陣に自由を与えることが無くなった。

 先ずは1点を返したい東海大五は、残り10分に山村、中田涼太のCB2人を前線に上げ、FWを4枚にしてパワープレーを仕掛ける。その効果は後半37分に実を結ぶ。ゴールキーパーからのキックが、相手ディフェンダーの頭上を超えると、裏を取った小林がペナルティエリア右から冷静に左に流し込み1点を返した。これで勢いを取り戻した東海大五は、さらにアディショナルタイムの2分には、相手DFともつれるようにしながら山村が強烈なシュートを放つ。しかし、これは無情にも右ポストに弾かれた。そして、最後まで集中力を切らさず、体を張って守り続けた実践学園が東海大五の猛攻を凌ぎ切り、選手権初勝利を飾った。

「しっかりと失点をしないというのが、うちの勝ちに繋がる基本的な考え。そういう意味で今日の試合もうちらしい、実践らしい勝ちだったと思う」と話したのは深町幸一監督(実戦学園)。5000人を超す地元の大応援団の前で勝利を飾ったことについて「一言で言えばホッとしている」と表情を緩めた。そして、その応援団とともに2回戦突破を目指す。
 一方、「決めれば良かったというだけ。前半で1点でも取っていれば」と悔しい表情を見せたのは大丸監督(東海大五)。2年連続で開幕戦を引き当てたが、無念の初戦敗退となった。だが、敗戦は次なる戦いへのスタート。大丸監督は「今日、応援してくれた仲間と、保護者の方に感謝の気持ちを伝えて、新たなスタートを切ろう」と選手たちに伝えた。雪辱を果たすのは、来年の全国の舞台だ。

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