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【フットボールな日々】年末に思うこと

121229_01.jpg 取材・文・写真:中倉一志

 成田空港から東京へ向かう電車の中で鈴木惇の移籍を確認しました。27日の新聞報道を見て「あってはならないことだけれども、恐らく事実だろう」と思っていましたが、さすがに、何とも言いようのない気持ちでいます。プロ選手である以上、移籍は当たり前のこと。彼の決断は尊重されるべきだと思っています。しかし、地域密着を目指すクラブが、2年続けて、ユース年代から育て上げた選手を、しかもJ1昇格争いのライバルになると思われるクラブに引き抜かれるという事態に、空いた口が塞がらない思いです。

 さらに言えば、2010年のシーズンオフに、契約交渉直前まで「絶対に移籍はない」と公言していた永里源気が、残留争いの直接のライバルと見られていた甲府に移籍したことや、昨シーズン、中心選手のほとんどが移籍するなど、この2年間の契約交渉は、あり得ない内容と言わざるを得ません。もちろん、クラブ側にも言い分はあるでしょうし、個々のケースを見れば、仕方がないと言えるのかも知れません。しかし、それが続いて、しかも大量に起こることに問題があります。

「資金がない」は言い訳になりません。J2で言えば、その規模は決して少なくないからです。けれど、それが町の規模に見合っているものなのか、総予算に占めるチーム人件費の割合が適切なのかと考えた時、福岡は大きな問題を抱えています。加えて、移籍を考えていない選手が、なぜ、最終的にチームを離れることを決断するのかを考えた時、福岡が資金面以外の問題も抱えていることが浮かび上がってきます。仕方がないで片づけていては、これからも同じことが繰り返されるだけです。

 いま福岡に求められているのは、クラブ経営についての考え方を根本から見直すことです。従来の七社会、市役所からの役員派遣ではなく、外側から長く福岡を見て、抱えている問題を熟知している3人がフロントに就任した時、福岡に関わる多くの人たちが、大きな期待を寄せたのは、今度こそ抜本的な見直しを実行してくれるだろうという想いがあったからです。努力をしていないなどと批判する気はありません。しかし、結果として、従来の経営と変わらないばかりか、さらに問題が深まっている事実を重く受け止めてほしいと思っています。

 一番悔しい、情けない想いをしているのはフロントかも知れません。当事者だからこそ、周りから福岡を見ている人以上に辛い想いもしているはずです。けれど、その想いを自らに向けて、すべての原因が自分の内にあることを認めなければ、福岡改革の道はありません。いま、危機的状況に陥っているクラブを、直接、救うことが出来るのはフロントだけです。福岡にJクラブが生まれてから17年間に渡って繰り返される負の連鎖を止めるべく、経営の抜本的な見直しをしてくれることを切に望んでいます。


Comments
 
ご無沙汰してます。体質と言えば、それまでかもしれないですけど、一番怖いのは、誰がやっても変わらん、良くならないと認識されることだと思います。ましてや、実情が伝わってこないとなおさらですが、広島に住んでいる自分としては、J1で優勝したサンチェを見るにつけ、いっそう焦りを感じるます。

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