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ショルジーニョ監督の思い出

121224_01.jpg 取材・文・写真:中倉一志

 23日、味の素スタジアムで行われた第92回天皇杯全日本サッカー選手権大会準々決勝・ジェフユナイテッド千葉vs.鹿島アントラーズの試合終了後のジョルジーニョ監督(鹿島)の記者会見を聞きながら、ある出来事を思い出していました。それは、今から14年前に行われた第78回天皇杯3回戦終了後の出来事でした。場所は笠松運動公園陸上競技場。対戦カードは鹿島アントラーズvs.筑波大学。当時、鹿島アントラーズに選手として在籍していたジョルジーニョの日本での最後の試合でした。

 翌日の飛行機でブラジルに帰ることになっていたジョルジーニョ選手は、日本での最後の挨拶をするために記者会見場にやってきました。そして、窓の外から会見場を覗きこんでいたファン・サポーターの姿に気がつくと、自ら窓を開けて最後の交流を始めました。どんな時でも、誰を隔てることもなく、ファンを大切にするジョルジーニョ。それは、日本で過ごした4年間で、一度も変わらなかった姿でした。ただひとつ残念だったことは、その記者会見場にいたのが、私と、かなり年輩の記者(?)の2人だけだったことでした。

 けれど、その状況が思わぬ事態に発展します。会見場には、まだ協会役員も、通訳も現れていません。そんな中、ファンサービスを続けるジョルジーニョの姿を眺めながら、どちらからともなく、私たち2人の目が合いました。「やっちゃおうか」と目で問いかけてくる年配の記者。「いいんじゃないですか」と目で応える私。そしてジョルジーニョに近付いて行きました。手にしていたのはサインペンと大会パンフレット。その時のパンフレットは、今も私の大事な宝物です。

 そして、ブラジル代表としてW杯優勝を経験し、日本では鹿島の数々のタイトル獲得に貢献したジョルジーニョの最後の記者会見としては、あまりにもさびしい状況の中、ジョルジーニョはいつもと全く変わらない真摯な態度で話をしてくれました。どんな時も、ファン、サポーター、メディアを大事にし、どんな時でも真面目な態度を崩さずに全力で対応する姿を見て、長きに渡って世界の第一線を歩くということが、どのようなことであるのかを教えられたような気がしたものです。

 当時と立場は変わりましたが、昨日の記者会見での真摯な態度は、あの時と全く変わることはありませんでした。そして、自分の考えをきちんと説明する姿を見ながら、聞かせてもらう側も、もっと、もっと勉強しなくてはいけないと改めて教えられているような気持ちになりました。天皇杯準決勝は横浜F・マリノスvs.柏レイソルを取材する予定ですが、元旦の決勝戦では、あの時と同じように、日本を去る前の最後の記者会見に同席させてもらえることを願っています。さすがにサインをもらうことは無理でしょうけれども(汗)・・・


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