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【ライジング福岡】強さの要因

取材・文・写真:中倉一志

 日田に乗り込んで戦ったアウェイ・大分ヒートデビルズ戦の初戦。経営難に陥った大分ヒートがbjリーグを退会し、代わってbjリーグ 公式試合安定開催基金を利用して立ち上がった財団法人テンポラリーゲームオペレーションが運営することになった大分が、まだ混乱状況にあることもあり、ライジングは前半を終えた段階で34-57と大量リード。後半も得点を重ね、トータルスコア73-101で圧勝した。しかし、金沢篤志HCは試合後の記者会見で「及第点ではない。高いステージを目指してやるのであれば、目標も高くしてやっていきたいと思う」と話した。その理由を改めて次のように振り返る。

「自分たちが出来てなかったり、求める内容ではなくても、相手の状況もあって得点で来てしまったり、守れてしまったりということで、お互いにフィードバックしあうときに『でも点は取れていたよね』『でも守れていたよね』というようになってしまうところで難しさがあった。課題意識のない、あるいは、ゲームを終えたときに達成感、満足感のない試合をするとチームの勢いが止まってしまう」
 リーグ戦を制するためには目の前の1戦、1戦を勝つことが大事であることは間違いないが、いい時も、悪い時もある長丁場の戦いでは、その波を極力小さくし、シーズンを通して安定した戦いをすることが必要不可欠。相手の状況があったからこそ、より課題意識を明確にして、内容も、結果も求める必要があった。

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 そして迎えた第2戦。ライジングは前日とは違った姿を披露。そして、59-104と前日以上の得点差をつけて大分を圧倒した。「前半は相手のペースで少しスローテンポな展開だったが、後半は、選手たちが課題意識を明確にしてプレーしてくれたことで、チームとしては、意味のある後半20分になったのではないか」と金沢HCは試合を振り返った。

 きっかけとなったのは、第2戦のハーフタイムの出来事だった。
「勝つためにやるということだけではなく、シーズンを勝つためには何が必要かということを、2戦目のハーフタイムで、もう一度テーマにした。そうしたところ、選手の口から、戦術面や連携面で、こういう試合だからこそやれることがあるんじゃないかという言葉が出てきた。このまま勝っても何も得るものはない、ああやろう、こうやろうと、選手たちの中で、いい議論が出来た」

 そして、ライジングらしい速く、相手を圧倒する攻撃が復活する。守っても、自分たちが意図する守り方で大分の攻撃を抑えた。ライジングの強さを「終わった後に、何が悪かったのか、何が良かったのが、そして、その日の自分たちの出来について、みんなが話し合って、その内容について、みんなが必ず納得して終わる。プロは個性の強い人たちが集まっている集団なので『それは違うだろ』ということもあると思うが、そういうことが、このチームには全くない。悪ければ悪かったで、タイムアウトやハーフタイムを利用して、その場で話し、すぐに修正しようとするし、その内容をみんなが納得し、そして実践に移すところ」と桝本純也は話すが、まさにライジングの強さの要因が見えた試合だったと言える。

 また、桝本、高畠佳助らが経験を積むことが出来たのもライジングにとっては好材料だった。特に桝本は初戦は11分、第2戦は16分という短い時間ながらも随所に好プレーを見せた。「シーズンが始まって、試合に少しずつ出るようになって、普段の練習にも少しずつ慣れてきて、そして、慣れただけではなく手応えも感じられるようになってきた。そうした手応えを、毎日、ひとつでも掴んで試合に臨めたら、試合でも同じことができるんじゃないかなと思ってやっている」とは本人の弁。ベンチスタートの選手としては、これまで徳永林太郎が勝負どころを抑えるプレーを見せているが、そこへ新たに桝本の存在が加わることになれば、ライジングは、さらに一段ステップアップすることになる。

 ライジングが年内に残す試合は、22、23日に行われる宮崎との2戦のみ。宮崎はここまで20戦を戦って3勝。順位と数字の上ではライジングとの間には差があるが、誰一人として宮崎を下に見る選手はいない。「相手が宮崎だからという特別な意識はない。どの試合であっても、どんな相手であっても、試合に出られたら、自分がチャンスメイクして得点につなげるという意識を常に持っている。それは宮崎戦も同じ」(桝本)。それはチーム全員に共通する思いだ。それこそライジングのスタイル。それはどんな時も変わらない。

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