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【ライジング福岡】敗戦は次の勝利への糧

121201_02.jpg 取材・文・写真:中倉一志

 11月24、25日に行われた沖縄戦。ライジング福岡は琉球ゴールデンキングス(沖縄)に2戦とも敗れた。互角に戦えた。自分たちがやっているバスケットが十分に通用することも分かった。金澤篤志HCは悔しさを飲みこみながら「沖縄との距離感が確認できた。すごく遠いわけでもないし、基本的な部分で何かを変えなければいけないわけではない。届く範囲にいることが分かったのは収穫だった」と試合を振り返る。そして、27日に行われたチームミーティングで、100メートル走を例に上げて選手たちに話した。

「初心者の段階であれば、1秒、2秒縮めることは難しくはない。けれど、世界記録を出すような選手であれば、0.1秒、あるいは百分の何秒かを、どうやって縮めるかという次元の勝負になる。いまライジングは、そういう次元に来ている」
 悲願でもあるbjリーグの頂点の座を掴むには、沖縄は必ず倒さなければいけない相手。ほんのわずかの差を、どうやって詰め、そして乗り越えるかが、これからのテーマになる。

 同時に、勝負を制するためには何が大切なのかを、改めて教えられた試合でもあった。竹野明倫は話す。
「自分たちらしさが出ている時間帯もあったが、それは『出せた』ではなくて『出た』という感覚だった。『なんか、いつもの僕たちじゃない』。そんな感じだった。もちろん、細かいところでの修正点はあるが、その前に、どれだけ自分を信じて、チームメイトを信じてプレーできるかだと思う。自分たちがいつもやっているプレーを、誰が相手だろうが最後までやれるかが大事だということ」

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 どんな相手にも気負うことなく、また侮ることなく、常に平常心で自分たちのバスケットを出し切ることだけに集中出来るか。互いの力に大きな差がないプロの世界で、しかも、本当に細かいところを抑えて勝利を手にするには、そうしたメンタル面の強さは欠かせない。「沖縄を倒したい、チャンピオンチームを倒してやるというのを意識しすぎた部分があった。過度に意識することなく、自分たちらしさを出せば結果は付いてくると思うし、今までもそうやって結果を残してきた」と金澤HCが話すように、相手を意識するのではなく、どんな相手であろうと、どこまで自分たちを貫き通せるかで、ライジングの最終的な立ち位置が決まる。

 そして迎える大阪エヴェッサとの試合。もちろんテーマは、沖縄との戦いで学んだことを試合で発揮すること、そして勝利を手にすることにある。大阪は、前回対戦時(11月17、18日)には2連勝した相手だが、その後、新たにマイク・ベルを獲得。前回とはチーム事情が違う。また、前回対戦時にゾーンディフェンスでライジングのリズムを崩したことから、今回は新たな対策を立てて試合に臨んでくる。まして戦いの場所は、大阪のホームである「なみはやドーム」。当然ながら、勝利に対する意気込みは、前回戦った時とは比べ物にならないほど強い。

「大阪のライジングに対する立場は、自分たちの沖縄に対する立場と同じ。今度はしっかりと修正してくるだろうし、必ず勝ってやろうと勢いを付けて試合に臨んでくるはず。そこで、前回勝っているからと言って受け身になると、さらに相手を勢いづけることになる。だから、相手に合わせず、自分たちのバスケットをしっかりやることが大事。自分たちが沖縄との対戦で学んだことを、沖縄戦だけだ出すのではなく、全チームに対して出さないと意味がない」(石谷聡)。その想いは、金澤HC、チームスタッフ、そして選手全員に共通する想いだろう。

 そして、大阪との2連戦の後は、沖縄、大分、宮崎と試合が続く。沖縄、大分が好調であるのは言うまでもなく、また、宮崎は2勝しか挙げていないとは言え、新外国籍選手を補強して大分を破るなど、決して侮れる存在ではなくなっている。しかも、先週の沖縄戦から数えれば、ライジングは5試合連続で遠征を伴う試合。ライジングにとっての12月はシーズン最初の山場とも言えるものだ。この期間で沖縄戦の敗戦を糧にして何を表現できるのか。真価が問われる試合が続く。

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