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【bjリーグ 第7戦 福岡-高松】試合を制した守備力

bjリーグ2012-2013 第7戦
日時:2012年11月3日(土)19:00 tip off
会場:福岡市民体育館
結果:ライジング福岡 85-77 高松ファイブアローズ
取材・文・写真/中倉一志

「前半は、ディフェンス面では、今週、自分たちがやってきた練習を試合に出せたが、オフェンスは走れてなくて、自分たちの持ち味をあまり出せずに少し重たい感じだった」(石谷聡)。良い面と悪い面。それが等しく同居する前半のライジングは、我慢の展開を強いられていた。守備面では、ボールマンに素早くプレッシャーをかけて自由を奪い、ディフェンスリバウンドを制して高松の前半の攻撃を32点に抑えた。その反面、良いディフェンスをベースに何度も流れを掴みかけるものの、ここぞと言うところでシュートを外し、相手に付き合うようにムキになってボールを運んではミスを重ねた。前半の2ポイントの成功率は38.5%。ターンオーバーは7つを数えた。互いのリングの下を行ったり来たりする慌ただしい展開は、ライジングとっては避けたい展開。前半を終えて34-32とリードを奪っていたとは言え、試合はどちらに転んでもおかしくない様相を呈していた。

 そして、第3Qも同じような展開で幕を開ける。激しいディフェンスで高松の攻撃を抑える半面、スチールや、あるいはリバウンドを制してチャンスを作るのだが、肝心なシュートが決まらない。
 しかし、ライジングは慌ててはいなかった。そして、前半から光っていた高いディフェンスの意識から一気に流れを引き寄せることに成功する。口火を切ったのは竹野明倫。自らのスチールから2点を奪取すると、リバウンドを奪ってからの攻撃で、レジー・ウォーレンがバスケットカウントで3点を追加して続く。そして41-37の局面から仲西淳がドライブインから得点を奪うと、ここからはライジングのゴールショー。レジ―ウォーレンが連続して3Pを決めれば、ジョシュ・ペッパーズも3Pで続く。さらに、石谷、ジョシュが続いて16連続ポイント。その後も確実に得点を重ねて第3Qだけで34点。68-49と大きな差を付けて第4Qへと試合を進めた。

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 しかし、高松も簡単には勝たせてくれない。19点差を詰めるべく、ライジングボールの時も自陣に下がらずに高い位置からボールを追いかけてプレッシャーをかけ始めた。この変化にライジングがはまってしまった。得点差が開いていたことに対する気の緩みがあったのかも知れない。ゼ―ン・ジョンソンが怪我のためにプレーできなかったことで、3人の外国籍選手に疲労の色が濃くなっていたことも影響したのかも知れない。明らかにライジングの運動量が落ち、トランジションが遅れ、そしてプレーの選択や連携面での判断ミスが続く。そして形勢は完全に逆転。高松に13連続ポイントを許し、5分11秒を残してスコアは70-64。勝敗の行方は分からなくなった。それでも、肝心なところでは落ち着きを失わないのが今のライジングの強さ。プレッシャーがかかる難しい局面でジョシュが7点を重ねてリードを堅持。最後はファールゲームを仕掛けてきた高松に対して、確実にフリースローを決めて85-77で逃げ切った。

 第4Qで思わぬ苦境に立たされ、試合の終わらせ方という点で課題を残したライジングだが、これで4連勝。京都に連勝して五分に戻した直後の試合だっだけに、何よりも勝ちきったことが大きな収穫だった。
 また、互いにムキになって攻め合った前半、互いにビッグクウォーターを作った後半と、振り返ってみれば波の激しい派手な試合だったが、40分間を通して強く印象に残ったのがライジングのディフェンスとリバウンドに対する意識の高さだった。今シーズン初勝利を挙げた浜松戦の後、選手たちは、ディフェンスとリバウンドに対する意識を高めることが勝ち続けるための課題と口を揃えたが、この日の最大の勝因は、その言葉通り、ディフェンスとリバウンドに対する意識の高さ。金澤篤志HCも「ディフェンスさえしていれば、オフェンスは、ある程度点を取ってくれるという計算があった。ゲーム前に強調したのはディフェンス。そして、選手たちがポイントを押さえてくれた」と試合を振り返った。

 そして、連携プレーから得点を挙げるシーンが増えたことも収穫のひとつ。さらに、加納督大が持ち味のディフェンス力を発揮して、重要な局面で存在感を示していることや、石谷がリングに向かって積極的に仕掛ける姿勢を強く見せるなど、日本人選手の成長も印象に残った試合だった。「試合の後のミーティングでもすぐに次を見据えて課題について話合っているのが今年のいいところ」と仲西は話すが、常に問題意識を持って臨むことが、チームや個人の成長につながっている。戦いながら成長するチーム。ライジングは、この日の試合でも、その姿を見せてくれた。

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