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【フットボールな日々】受け入れ難い敗戦

121023_01.jpg 2012Jリーグ Division2
第39節 福岡-甲府
日時/2012年10月21日(日)
会場/レベルファイブスタジアム
結果/福岡2-3甲府

取材・文・写真/中倉一志

 J's GOAL のレポートにも書いた通り、甲府との間にチームの成熟度という意味で大きな差を感じた試合でした。ともにJ2に降格し、新しい監督を迎え、メンバーを大幅に入れ替え、決して潤沢とは言えない経営資金でクラブを運営しなければいけないという同じような状況で2012年シーズンをスタートさせながら、39試合目を迎えた両チームの間には絶望的とも言える差がありました。それはまさしく「受け入れ難い」もの。前半の出来が悪かったとか、後半のチャンスを活かせなかったとか、そういう次元の問題ではないものを感じています。

 ここまでの試合で、前田浩二監督が再三指摘しているように、選手たちの経験のなさや、メンタル的な弱さが勝点を落とし続けている要因のひとつであることは間違いありません。特に強く自分を表現したり、相手に要求したりする選手がいないことや、ピッチ内の監督と言えるようなリーダーシップを持つ選手がいない現状では、チームとしての強さが生まれないのは当然で、中心選手を10人以上入れ替えたチーム編成は、1年でJ1昇格を狙うという意味では、結果として失敗だったと言わざるを得ない状況にあります。

 しかしながら、甲府との試合で改めて明確になったのは、経験のなさによる流れを読む力が足りないことや、自発的に行動を起こせないメンタル面の弱さもさることながら、それ以前の問題のところ、いわゆる、サッカーをやる上での基本とされるプレーや、チームとして何をやるのかという部分が徹底されていないということでした。それが顕著に表れていたのが守備面。前半の3失点は、それが原因で失ったものだと思います。

 甲府側から見れば、いずれも素晴らしいゴールでした。しかし、甲府に素晴らしいプレーを許したのは、ボールホルダーに対して間合いを詰めず、プレッシャーも甘く、数的優位を作るという動作もせず、最後はボールウォッチャーになるという基本的な動作を欠いたことによるもの。後半は攻め込むシーンが見られましたが、既に甲府がJ1昇格を決めていたこと、甲府に優勝へのプレッシャーがあったこと、そして、あのまま逃げきろうとしていたことを考慮に入れなければなりません。

 いまだに守備の形が見えない中、残り3試合で守備組織を構築させることは難しいと感じています。けれど、トレーニングを通じて、サッカーの基本とも言える部分を徹底することは可能です。それは目先の試合に勝つための方策ではなく、サッカーの形を作るためのベースとなるもの。それなくして戦術の構築はあり得ないとも感じています。いま福岡に求められているのは、どのように戦うかではなく、当たり前のことを徹底できるかということ。「受け入れ難い敗戦」が、それを気付かせてくれることを願うばかりです。


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