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【フットボールな日々】差は見せつけたものの

120912_01.jpg 取材・文・写真/中倉一志

 当たり前のことですが、プロとアマチュアの差を示した試合。それが天皇杯2回戦だったと感じています。試合内容は決して満足のいくものではありませんでしたし、福岡大学に許した2失点は、今シーズンのリーグ戦で繰り返している失点と同様のもので、チーム状況に変化は感じられませんでした。それでも、4-2とスコアの上では福岡大学に対して完勝したという結果は、随所に見られた差がもたらしたもの。福岡は順当に3回戦へと駒を進めました。

 乾真寛監督(福岡大学)が振り返ったように(J's GOAL記者会見コメント参照)、互いの間にあった差は、スピードと細かいところでのポジショニング。特に攻守の切り替えの速さの違いは顕著で、先制点と福岡の2点目は、まさに、その違いを見せつけたものだったと言えます。そして、福岡大学が攻守に渡ってバイタルエリアを空けるという部分も福岡にとっては好都合でした。常に相手のバイタルエリアで一息つく時間帯を作ることができましたし、2点目、4点目は、そのスペースを使って生まれたものでした。

 そして、勝利の立役者は間違いなく城後寿。今の福岡の状況から言って無失点で試合を終えることは難しく、いかに先制点を奪うか、そして常にリードを奪う展開で試合を進められるかが一番のポイントだと思っていましたが、その大事なゴールをしっかりと決めてくれました。特に2点目のゴールは「(同点になった後)城後のゴールが入ったことで、チームとしても気持ちが楽になって落ち着けた」と高橋泰が振り返ったように、試合の大勢を決めるゴールになりました。

 ただ、この日は福岡大学相手にディテールでの差を見せた福岡ですが、リーグ戦では、逆にディテールの部分に現れる差で勝点を落とし続けているのが福岡。勝利したとは言え、前述の通り、チームが抱えている問題は解決されていません。試合後、選手たちが笑顔を見せなかったのは、勝って当然というシチュエーションに加え、チーム状態に変化を感じられなかったからだと思います。やはり、問題は失点シーン。大学生相手にも2失点するという事実は非常に重たいと思っています。

 勝負の世界では守れない者が勝利を得ることはありません。そして、守備の重要性はレベルが上がれば上がるほど高まっていきます。前田浩二監督の言葉を借りれば「カウンターサッカーから、攻守に渡って主導権を握るサッカーへの転換のプロセス」を歩んでいる福岡ですが、まずは守備を構築しなければ、そのプロセスも先へ進むことはできません。福岡に残されているリーグ戦10試合と天皇杯で、どこまで守備組織を整備できるか。それが福岡の未来を決めると思っています。


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