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【フットボールな日々】求められる守備組織の構築

120904_02.jpg 取材・文・写真/中倉一志

「立ち上がりは積極的に行って、ゲームが落ち着いたらブロックを作って、判断しながら守備をするというのが前半は出来ていた」(鈴木惇)。その言葉通り、千葉の調子が上がらないこともあって、前半は福岡のペース。記者会見では、ペナルティエリアでの仕掛けが少ないという指摘もありましたが、今の福岡は、まずはバランスを取ることが先決。ボールを持ちながら辛抱強く試合を進め、ここぞというところで攻撃を仕掛ける形が最も勝利に近いと思っていましたので、そういう観点からすれば、決して悪くない前半でした。

 しかし、いつものように、後半開始直後の15分間という危険な時間帯に失点を喫し、いつものように、立て続けに追加点を奪われ、これで勝負が決しました。57分の失点は、直接FKを蹴った兵働昭弘(千葉)を誉めるべきですが、もったいなかったのは2失点目。鈴木は「前の方は1点を取り返したいから前へ行き、後ろは体力的にきつくなっていて、そこで全体が間延びしてしまった。あの場面で、中で意思統一をしなければいけなかった」と振り返りますが、この時間帯こそ我慢が必要でした。

 一時期に比べて、バタバタする時間帯は減ってきたように思います。しかし、前後半の立ち上がりの15分で喫した失点はJ2ワースト。後半30分までの失点数はワースト2(同)。さらに言えば総失点でもワースト2(同)。その傾向は変わらず、これが大きな足かせになっています。ボール保持率を上げて守備の時間を減らすことや、積極的に仕掛けることでゴールを奪って試合の流れを自分たちのモノにするという考えを否定する気はありませんが、それ以前に、まずは守備組織を整備しなければ先へは進めません。

 この日の敗戦も、攻撃力の差と言うよりも、悪い時間帯に耐える術がないことが本当の敗因だったと思っています。「前半は本当にチームとして難しくて耐える前半になった。でも、試合は90分あるので、前半はとにかく失点は0でいこうと、0-0でかまわないとピッチ内で話してやっていた」という佐藤勇人の言葉を実行した千葉と、前述の鈴木の言葉のように、悪い時間帯に意思統一ができずに崩れた福岡。この違いこそが、福岡が勝点を落とし続けている原因だと思います。

 もちろん、福岡は攻撃にも課題を抱えています。しかし、サッカーや他のスポーツに限らず、勝負事では相手の攻撃を防ぎきることが鉄則。その上に勝利があります。いま福岡には、オズマールの加入や、石津大介、木原正和らの成長など、攻撃面では変化が感じられるようになりました。だからこそ、目を向けるべきは、守備を安定させるために何をするかだと思っています。残り試合は10。その期間で、いかにして守備組織の構築を図るか。それが福岡に与えられた命題であり、その実行こそが、福岡の未来に向けての基礎が築かれることになるのだと思っています。


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