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【フットボールな日々】難敵松本 鍵を握るのは我慢

120826_01.jpg 取材・文・写真/中倉一志

 前節の富山戦は劇的な3ゴールで今シーズン初の逆転勝ち。ゴールを奪った選手と言い、当日のスタジアムの一体感と言い、現在の福岡にとっては最高の勝利だったように思います。しかし、これで福岡の置かれている状況が変わったわけではありません。「これで満足しているようなら次は勝てない。この前の試合は忘れて、自分たちが置かれている立場と状況をしっかりと把握して次の試合に臨みたい」と城後寿が話した通り、福岡にとって余裕を持って戦える試合はひとつもありません。

 そして迎える松本山雅は厄介なチームです。戦うスタイルは、とにかく徹底して長いボールを1トップの塩沢勝吾に当てるというシンプルなもの。しかし、単に放り込むだけではなく、トップ下の2人、両サイド、ボランチがこぼれ球にアグレッシブに反応して、人数をかけて押し上げてきます。ここまでの総得点26が示すように得点力は高くはありませんが、上下動の激しい、どちらかというと慌ただしいとすら感じられるリズムに巻き込んでしまうところに松本の本当の狙いがあるように思います。

 この戦術を支えているのが前線のスピードと、チーム全員の豊富な運動量とハードワーク。攻撃に人数がかかっているのは前述の通りですが、縦に慌ただしい攻撃にも拘わらず、相手ボールの時には自陣に全員が戻ってスペースを消してしまいます。そして、それを90分間に渡って徹底して繰り返します。このパターンに付き合って、互いのゴール前を頻繁にボールが行き来する展開に引き込まれると、全体が間延びし、バタバタした展開からカウンターを受けて失点するという悪循環にはまってしまいます。

 前回対戦時に福岡が引き分けたのは、まさにこのパターン。そして、前節、松本と戦った京都も、同じように相手のリズムに巻き込まれて0-1で敗れています。ボールの出しどころにしっかりとプレッシャーをかける、あるいは、セカンドボールをしっかりと保持するなど、福岡も対応策は練っていると思いますが、余りにもシンプルな松本のサッカーは「やりにくい」というのが正直な感想だと思います。その中で、いかに平常心を保つか。それが今日の試合の最大のポイントであるように思います。

 おそらく、ボールを保持するのは福岡でも、自分たちのリズムでサッカーをやらせてもらえない時間帯が多くなるのではないかと予想しています。そんな時に、急いで攻めれば相手の思う壺。たとえ、どんな状況にあっても、しっかりと我慢することが最大の鍵になるように思います。福岡にとって求められているのは、残り12試合を勝ち続けること。素晴らしい内容で相手を圧倒することにあるのではありません。難しい時間帯が多くなるでしょうが、90分間で勝つということを肝に銘じて戦ってほしいと思います。


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