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【J2第10節 千葉-福岡】胸を張れるドロー

130424_01.jpg 2013Jリーグ Div.2 第10節
日時/2013年4月21日(日)
16:03キックオフ
会場/フクダ電子アリーナ
結果/千葉 0-0 福岡
取材・文・写真/中倉一志

 チーム、監督、サポーター、そして福岡に関わる人たちにとっては、何とも表現のしようがない幕切れだった。提示された4分のロスタイムも残りは1分。ゴール前に千葉が上げたクロスボールも特別に難しいものではなかった。しかし、勝利に一歩近づいたと思った瞬間に下された同点ゴールの判定。やり切れない気持ち、そして「これもサッカー」「サッカーは何が起こるか分からない」と言いつくされた言葉が頭の中を巡る。最終スコアは1-1のドロー。勝利を目前にした福岡は勝点2を失った。

 しかし、ミックスゾーンに現れた選手が発した言葉は、同点ゴールを浴びたシーンのことではなく、自分たちのプレーに関する言葉ばかり。後半から出場し、気迫の先制ゴールを奪った坂田大輔は、訪れた決定機をモノに出来ず、2点目を奪えなかったことを悔やんだ。そして誰もが、アウェイで勝点1を得たこと、3連戦を2勝1分で乗り切ったことをポジティブに捉えていた。やり切れない想いは選手たちが一番強かったはず。しかし、選手たちの態度からは、過ぎたことを悔むのではなく、前を向いて進むだけという気持ちが伝わって来た。

 試合は立ち上がりから福岡の狙い通りに進んだ。「福岡はもうちょっと前から来るのかなという感じだったが、意外に来なかった」と話したのは鈴木淳監督(千葉)たが、それは福岡が意図的に仕組んだことだった。高いラインとコンパクトなゾーンを形成するのはいつもの通り。ただファーストディフェンダーがプレスを仕掛ける位置を少し下げて、中盤の構成を中原秀人、パク ゴン、岡田隆の3ボランチに変更。そして、千葉が自分たちのゾーンに入ってくる所を狙って激しくプレス。中原、岡田に千葉の両サイドに蓋をさせて、いつものように連動した守備でボールを絡め取った。その狙いを「前半は0-0で上手くゲームをコントロールして、後半に勝負に出ると言われていた」と話すのは坂田大輔。そして福岡は着実に試合を進めて行く。

 前半のスコアは0-0。千葉にチャンスらしいチャンスを与えず、許したシュートは1本と、ほぼ完ぺきと言える展開で後半に折り返すと、後半の頭から西田剛に代えて坂田を投入。マリヤン・プシュニク監督は、選手交代で攻撃に出ろとメッセージを送る。そして、このメッセージに選手たちが応えた。時間は49分、GK水谷雄一からのスローを受けた中原が右サイドを突破してクロスボールを送ると、ゴール前中央で佐藤勇人と競り合いながらボールをキープした坂田が右足を振り抜いた。さらに2点目を狙う福岡は、前がかりになる千葉の後ろのスペースを使って効率的に攻撃を仕掛ける。68分に再び坂田が放った決定的なシュートはGK岡本昌弘のファインセーブに阻まれたが、ここまでは、ほぼ狙い通りの展開だった。

 ただ、福岡に問題がなかったわけではない。プシュニク監督は話す。
「私は選手たちの戦いぶりを誇りに思っている。戦う意識は素晴らしかった。けれど、最後の15分は満足していない。また、下がり過ぎてしまった。私が彼らの事を信じているように、彼らは、もっと自分のことを信じなければいけない。もっと勇敢に戦ってほしい」。
 終盤、ラインが下がってしまうのは第3節の京都戦以来の課題。この日も最後はボールをはね返すだけで守備一辺倒になってしまった。それでも、開幕当初とは比較にならない粘り強さで千葉にゴールを許さなかったが、残り1分を切ったところで同点ゴールの判定が下され、試合は1-1のドローに終わった。

 福岡にしてみれば3連勝したかったというのが本音だろう。しかし、アウェイ2連戦を含む3連戦で2勝1分の成績は決して悪くはない。そして、北九州、群馬、千葉との対戦を通して、自分たちの志向するサッカーを表現する時間が増え、苦しい時間帯をチームとして粘り強く守れるようになったことは大きな収穫だったと言っていい。積み重ねてきた小さな変化が、いま大きな変化に変わろうとしている。

「ゴールの判定は審判とマッチコミッサリーが判断を下したこと。それに対して何も言うことはない。この3連戦でチームは大きく前進したと思う。今日の結果に心を乱されることなく、引き続き同じ気持ちを持ってハードに戦えば、結果は必ずついて来る」(プシュニク監督)。
 どんな状況にあっても、自分たちのやるべきことを見つめ、さらなる変化を求めて前に進む。それが今年のアビスパスタイル。その精神で福岡は次なる戦いに向かう。


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【フットボールな日々】ターニングポイントに出来るか

取材・文・写真/中倉一志

 今日は北九州、群馬、千葉と続く3連戦の最終戦。選手にとっては蓄積する疲労との戦いでもありますが、「リーグ戦で疲労は言い訳にならない。疲れているのなら、そうでない選手がプレーすればいいこと」とマリヤン・プシュニク監督は涼しい顔。古賀正紘も「このサッカーをやっていればきついのは当たり前。ハードワークなしには、このチームは勝てないということは全員が分かり切ってやっている。(きついのは)当たり前として捉えている」と話します。そして、その言葉を証明するかのように、雁の巣球技場には、平然とピッチの上を走りまわる選手たちの姿がありました。

 さて、いまチームは新しい変化の時を迎えているように思います。選手の中に自分たちが志向するサッカーに対する自信が深まって来ているからです。「どのように戦えば勝てるのかというイメージが共有できている」と話すのは岡田隆。北九州、群馬との連戦で、前線からのアグレッシブなプレスと、奪ってからの縦に速い攻撃を実践し、さらには、試合終盤の苦しい時間帯を粘り強く戦かって勝利を得たことで、自分たちが何をやるべきかが明確になったと選手たちは口を揃えます。

 プシュニク監督も手応えを感じているようです。
「選手たちには、自分たちが、どのクラブにも勝てるんだということを気付いてほしい。もっと、もっと、チームを信じ、いまの自信をさらに大きくしてほしい。けれど、ひとつになってトレーニングを重ねる中で、私がやろうとしていることを、選手たちが少しずつ、少しずつ、理解してくれるようになっている。その点については、スポンサーの皆さんやサポーター、そして、アビスパに関わる人たちにも気づいてもらいたい」

 その中で迎えるアウェイの千葉戦。プシュニク監督は、選手たちの背中を押すように話します。
「千葉は偉大なる伝統のあるチーム。いい選手も、いい監督もいる。けれど、それは机上の話でしかない。ピッチの上にあるのは11人と11人が戦うという事実だけだ。我々は自信を持って戦わなければならない。我々は千葉に勝点3を取りに行く。2連勝の勢い?それは関係ない。我々は引き続きハードワークするだけ。2連勝したからと言って空の上を歩いているわけではない。我々は地に足を付けて歩いている」

 プシュニク監督は、来日以来「チームが変わるには100日が必要」と言い続けてきました。そして、間もなく100日を迎えるにあたって、「それが実際のところ80日になるのか、それとも120日になるのか、そのスピードは選手たちにかかっている」と話します。それが試されるのが千葉との試合。言わば序盤戦のターニングポイントとも呼べる試合です。ここまで積み重ねてきた小さな変化を、より大きな変化にするために、しっかりと結果を出して欲しいと思っています。


【J2第9節 群馬-福岡】チーム一丸 それがアビスパスタイル

2013Jリーグ Div.2 第9節
日時/2013年4月17日(水)
19:04キックオフ
会場/正田醤油スタジアム群馬
結果/群馬 0-1 福岡
取材・文・写真/中倉一志

 提示されたアディショナルタイムは5分間。長いとか、短いとか、そういう感覚は一切なかった。ハードワークに徹し、勝利を目指してゴールを守るだけ。ピッチに立つ10人の選手は、ただそれだけに徹していた。その想いは彼らだけのものではない。それは、ベンチに控える監督、コーチ、選手、そしてゴール裏から力の限りに声援を送るサポーターにも共通した想い。全員がひとつになり、立ち上がり、力の限りに戦った。やがて5分が経過。相手陣内の右サイドで、ボールがラインを割ったところでホイッスルが高々と鳴り響く。スコアは0-1で福岡の勝利。チーム一丸で手に入れた勝利だった。

 試合は福岡のペースで進んだ。中2日で迎える試合も運動量に衰えは感じられない。そして、いつものように高い位置からアグレッシブにボールにプレッシャーをかけ、奪った瞬間に「守」から「攻」へ切り替えて、縦に速いサッカーでゴールを目指す。ここまでの8戦では、自分たちが目指すサッカーを表現できない試合もあったが、勝利の時も、敗戦の時も、常に自分たちと向きあってきたチームは、日々のトレーニングを通して小さな変化を積み重ねてきた。勝利を目前にして勝点2を失った水戸戦、終盤に追い込まれながらも1点差で逃げ切った北九州戦。それらの経験を経て、この日の試合では、自分たちのやるべきことを徹底して繰り返す姿があった。

 その流れのままにゴールが生まれたのは15分。福岡は自陣でボールを奪うと素早く前へ展開。右サイドから仕掛けた石津が右サイドを突破してゴール前にボールを送る。そこへ飛び込んだのは金森武志。おとりの動きでDFを引きつけた城後寿の背後からゴール前へ顔を出し、右足インサイドで合わせた。GKとDFの間に送ったグラウンターのクロスも、城後の動きも、そして金森のファーサイドからの飛び込みも、何度も練習で繰り返してきた形。狙い通りのゴールだった。

 もちろん課題もある。奪ってから攻撃に転ずる時にミスが多いことだ。この日も主導権を握っていたとは言え、中途半端なところで群馬に引っ掛けられてショートカウンターを仕掛けられる場面が目立つ。特に群馬の左サイドでは、群馬の小柳達司、加藤弘堅に何度も仕掛けられた。しかし、個々の役割が明確になっている福岡は、決してゴールを許さない。4連敗から脱しようとアグレッシブにプレーする群馬に対し、ここと言うところでは激しくボールに寄せて奪い返し、あるいは的確なカバーリングでピンチを凌いでいく。前半のスコアは1-0。課題はありつつも、福岡が目指すサッカーを表現した前半だった。

 そんな福岡にサッカーの神様が試練を与えたのは60分。金久保順が2枚目のイエローカードを受けて退場処分を受ける。しかし、福岡は慌てない。布陣を4-4-1に変更すると、ここから驚異的な粘りを発揮して群馬の攻撃を防いでいく。「チームとしての役割、個人のとしての役割は、監督からはっきり指示が出ているが、それが10人になってから、さらに明確になった」(古賀正紘)。ボールを一方的に群馬に支配されながらも、ここぞというところでは激しくプレッシャーをかけて群馬に攻撃のリズムを作らせない。
 決定的なピンチもあった。しかし、88分に平繁龍一に裏を取られてGKとの1対1のシーンを作られた場面では、堤、中原が懸命に戻ってクリア。90+1分に夛田凌輔が放ったシュートは水谷がはじき返し、さらに平繁がニアに飛び込んできたシーンでは、再び水谷がクロスボールを右手一本でボールに触って、シュートタイミングを狂わせた。

 そんな選手たちを、ベンチに控えるメンバー全員が立ち上がって声援を送る。交代選手もロッカールームに下がらずに、最後までベンチの中でともに戦い続けた。そして、5分のアディショナルタイムを経てホイッスルが鳴る。城後寿は話す。「ベンチにいる選手も悔しい想いをしているにも拘わらず、ずっと立って、声を枯らしながら応援してくれた。本当にうれしい。そうやって陰で支えてくれている選手がいるからこそ、チームはひとつになれるし、今日も勝てた」。チーム一丸。その言葉を実践して手に入れた勝利だった。

「選手たちを誇りに思う」。試合終了後の記者会見で、そう話したプシュニク監督。「少しずつ、少しずつ、私がやろうとしていることを選手たちが理解してくれている」とチームの変化を話す。しかし、それはまだ大きな変化への過程に過ぎない。それを1日も早く実現すべく、選手たちは同じ気持ちで次節の千葉戦へと向かう。


皇后杯のファイナリスト・千葉L、ジワリと浮上中。

002.jpg プレナスなでしこJリーグ 第2節
日時/2013年3月10日(日)
13:03キックオフ
会場/ゼットエーオリプリスタジアム
結果/ジェフL 1-0 浦和
取材・文・写真/西森 彰

 なでしこリーグ第2節。INAC神戸レオネッサに黒星を喫したジェフユナイテッド市原・千葉レディースは、ネジを巻き直して浦和レッドダイヤモンズレディース戦に挑んだ。千葉Lはケガ人続出で満身創痍。上村崇士監督によると、中間のトレーニングにもレギュラー数名が参加できないほどだった。

 この試合では、開幕戦で慣れないポジションに苦しんだ上野紗希を、左サイドバックに回した。「今週に入ってもケガで何名かは練習をしていないし、痛み止めの注射を打ってやっている状態。今日、ここに来るまでどうなるかわからなかった。細川はそのためにサブに回しました」(上村監督)。

 ベストメンバーが揃ったのは、試合が迫ってから。そんな1週間だったにも関わらず「気持ちの部分も含めて、いいトレーニングができました。失うものがないという点では前節のI神戸戦と同じですが、ホーム開幕戦。しかも、サポーターの人たちが、いろいろな所で私たちに声をかけてくれていたので、それが勢いを与えてくれました」」と櫻本尚子は振り返る。

 櫻本自身も含めて浦和Lのユニフォームを着ていた選手が千葉Lにおり、千葉L出身の選手が浦和Lにもいる。「個人的には(常盤木学園から一緒に浦和へ進んだ)後藤選手に負けたくないという気持ちがありました。私も、相手もお互いに特徴を知っていますから、そうなると『負けたくない』っていう気持ちの勝負ですよね」(櫻本)。

 試合によって戦い方を変える上村監督は、この試合へ臨むにあたり、浦和Lの起点・岸川奈津希へ川村優理をつけてきた。「(岸川のマークに)集中し過ぎてバランスを崩さないように気をつけた」と川村。出足良いディフェンスで岸川にプレッシャーをかけたかと思うと、柳井里奈と並んでディフェンスラインの前に壁を作る。

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 前半は、完全にホームチーム、千葉Lがゲームを支配した。「前半の立ち上がり10分、15分間はハマっていた」と上村監督は振り返ったが、ピッチ上の選手たちも「相手をしっかり研究しているので、自分たちはそれを伝えてもらってやるだけ。ジャンボさんの戦術が当った」(櫻本)と自信を持ってプレーしていた。

 前線では深澤里沙、小川志保が活発な動きでボールを呼び込んだ。13分の先制ゴールも、この2トップが絡んだ。右からのクロスを小川が頭で触り、流れたボールを筏井りさがシュート。これは、浦和DFに防がれたが、このこぼれ球にいち早く反応したのが、千葉の頼れる背番号8。前節、I神戸に一矢を報いた深澤が、結果的にこの試合唯一となるゴールを奪った。

 浦和Lの手塚貴子監督は、ハーフタイムに修正を施す。ケガで出遅れていた吉良知夏をターゲットとして中央に送り込み、ポジションも修正。「難しいことをやるのではなく、今までやってきたことを精度を上げていこう。ボールサイドに集中するので、サイドを変えながら攻撃していこうと」(手塚監督)した。吉良は「ケガをしている期間が長かったので、彼女の持っているものの半分もでていない」(手塚監督)状態ながら、何度かチャンスを作り出した。

 これに対して千葉Lの上村監督は「相手の修正に対応し過ぎると、全部のバランスが崩れてしまうことがありますから、まずは選手に頑張ってもらう。浦和Lは上手いチームですから、ボールも人も動きますが、最後は必ずゴールに来ますから、そこではね返してもらう」。とは言え、試合前から両サイドハーフには「サイドチェンジされた時にはしっかりついて、DFラインに入るシーンもイメージさせていた」というから、苦しさも想定内のもの。鴨川実歩、安齋結花ら若い選手、そして攻撃に持ち味のある細川が、守備を懸命にこなして最後まで1点のリードを守り切った。

「よく辛抱したなというゲーム。ゼロで終われるとは思っていなかった。1点とられてもう1点とりにいく展開をイメージしていた。DFがよくやった」と上村監督。キャプテンの櫻本も「ハーフタイムでも互いに『できる、できる』という感じでした。現状ではある程度できた。(採点すると)甘く付けて75点」という試合で、今季初勝利をゼットエーオリプリスタジアムに足を運んだサポーターに捧げた。

 開幕戦の敗戦をすぐに埋め合わせた千葉Lは、続く第3節ではFC吉備国際大学Charmeに先手を奪われたが、追いつき、ロスタイムに勝ち越す勝負強さを見せた。さらに、福岡J・アンクラスから、川村真理の獲得を発表。3試合を終えて勝ち点6。戦前の目標通り、なでしこリーグ優勝を本気で目指している。


【J2第7節 鳥取-福岡】消えたアビスパらしさ

130411_01.jpg 2013Jリーグ Div.2 第7節
日時/2013年4月7日(日)
13:03キックオフ
会場/とりぎんバードスタジアム
結果/鳥取 0-0 福岡
取材・文・写真/中倉一志

「パスは全然つながらないし、イージーミスが多すぎた。前節の水戸戦では、簡単なミスが多かったり、最後の質が足りなかったために得点が取れなかったということを理解しての今日のゲームだったので、何も成長していないということだと思う。雨の中、寒い中、福岡から応援しに来てくれたサポーターの方々に本当に申し訳ない」(城後寿)
 勝点2を落としたとは言え、前節の水戸戦で引き分けて連敗を3でストップした福岡は、終了間際に喫した同点ゴールを教訓にして、反攻の4月をスタートさせるべく鳥取戦に臨んだはずだった。しかし、この日の福岡からアグレッシブな姿勢は見えず。自分たちのサッカーを表現することなくスコアレスドローに終わった。

 ピッチ看板が倒れてしまうほどの強風と、断続的に激しく降り続く雨。そして、あられが落ちてくるほどの寒さ。雷が鳴らない限りプレーするのがサッカー。天候は言い訳にならないとはいえ、その条件は厳しかった。福岡が自分たちのサッカーを表現できなかった理由の一つには、そうした悪コンディションが影響していたこともあっただろう。しかし、そうしたことを差し引いても、この日、福岡が自分たちのサッカーを出来なかったことの理由にはならない。「普段の練習の20%も出せなかった。選手たちはミスをすること、勝つことを怖がっていた」というプシュニク監督の言葉が、この日の試合を如実に物語る。

 前半は、守備では福岡らしさも垣間見えた。岡田隆、中原秀人、堤俊輔で構成する中盤で常に数的優位を作り、慎重にボールを扱おうとする鳥取に対してプレッシャーをかけ、簡単にボールを奪取。ボール支配率では鳥取を大きく上回っていた。しかし、奪ったボールを簡単に失い、ゴール前での精度に欠き、チャンスらしいチャンスが作れない。ようやくシュートを放ったのは37分。結局、ほとんどの時間帯でボールを支配しながらも、前半は、わずか2本のシュートしか打てなかった。

 流れを打開すべく、プシュニク監督は後半開始からキム・ミンジェに代えて金久保順を投入。岡田を左SBの位置へ動かした。しかし、指揮官の思惑とは裏腹に、福岡のパフォーマンスは更に低下していく。バランスが崩れた中盤は相手にプレスをかけられずに後手に回り、シンプルに縦にボールを入れて高い位置からプレッシャーをかけはじめた鳥取の前に最終ラインが慌て始める。55分に西田剛に代えて坂田大輔を、59分には金森健志に代えて船山祐二をピッチに送り出すが、途中交代の3人が精彩に欠いては試合の流れは変わらない。そして、試合は一方的な鳥取のペースに。福岡は、ただ、ただ、後手に回って振り回され続ける時間帯が続く。

 それでも、福岡が失点を喫しなかったのは、鳥取も、福岡同様にラストパスの精度にかけていたからだ。54分には柳楽智和のヘディングシュートが右ポストを、85分には田中雄大のミドルシュートがクロスバーを叩いたが、鳥取が後半に放ったシュートは結局3本。攻めているように見えて、鳥取もまた自らの手でチャンスを潰していた。そんな鳥取は、終盤になって勢いに衰えを見せたが、福岡もイージーミスを連発。結局、試合はスコアレスドローに終わった。「酷過ぎた」。西田剛が発した言葉が強く耳に残る。

 この日、記者会見でプシュニク監督の怒りは収まらなかった。それは、内容の悪い試合をしたという単純な理由ではない。トレーニングで取り組んできたことを試合で発揮できないこと、自分たちが取り組んでいることにチャレンジしようという姿勢が見えなかったからに他ならない。

 もちろん、トレーニングと試合ではプレッシャーが違う。すべてが思惑通りに運ぶわけではない。しかし、それにしても、その差は大きすぎると言わざるを得ない。「練習でできていることが、ほとんどできなかった。大半が自分たちの問題だったと思う。練習の中でやっているパススピードだとか、ワンタッチコントロールだとか、そういう基本的な部分が試合の中で反映されておらず、練習と試合では別のサッカーになっている。そこは試合の中で徹底する必要がある」とは古賀正紘の言葉。勝ち星から見放されるようになってからクローズアップされているメンタル面での問題が、またもや露呈した試合だった。



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