INSIDE WEB

 

生き残りをかけた戦い 始まる

120917_01.jpg 2012なでしこリーグ 第10節
福岡AN-日テレ・ベレーザ
日時/2012年9月15日(土)19:00
会場/レベルファイブスタジアム
結果/福岡AN0-3ベレーザ

取材・文・写真/中倉一志

「リーグ最下位の福岡ANが、日テレからサンドバッグにされた」。16日に某誌のWEBに掲載された、なでしこリーグ第10節・福岡Jアンクラス-日テレ・ベレーザの記事の一節だ。スコアは0-3。放ったシュートの数はベレーザの26本に対して、アンクラスの7本。スコアとスタッツだけを見るのなら、その表現は正しい。

 しかし、日テレは、先日行われたプレナスなでしこリーグカップ決勝戦で、INAC神戸レオネッサに土を付け(INACの公式戦での敗戦は2010年10月以来)、リーグカップ3連覇を果たしたチーム。リーグ戦ではINACに首位を譲っているものの、前期を終了して6勝3分1敗、総得点22、総失点4の成績は、INACと並んで、女子サッカー界の2強として君臨している。なでしこリーグの中でも、日テレと伍して戦えるチームは少ない。

 それでもアンクラスは粘り強く試合を進めた。3列のラインを敷いて守備ブロックを形成すると、ボールホルダーに対して不用意に飛びこまずに、粘り強く日テレの攻撃をはね返す。前半は最終ラインが下がり気味になるという問題もあったが、そのスペースを川村真理が献身的にカバー。そして前線では、田頭陽子が仲間の頑張りを支えようと、必死になってボールを収めようと試みる。時間の大半は守備に追われたが、「気持ちがひとつになっていた感じはある」と磯金みどりが語ったように、チームとしてのまとまりは生まれつつある。

 ただ試合を通して残念だったのは、ボールを奪った後の攻撃へのイメージがなかったこと。そのせいか、あと1本のパスをつなげればチャンスというところでのパスミスや、判断の遅れが目立った。なでしこリーグ残留を果たすためには、粘り強く守ることはもちろんだが、この部分を修正することも求められている。また、中断期間中に合流した2人の韓国人選手とのコンビネーションもいまひとつだった。合流してから1カ月程度の期間ではやむを得ない部分もあるが、この部分の精度を上げることも急務だ。

 さてアンクラスは、なでしこリーグ残留を果たすための最初の山場として、第12節の大阪高槻(9位)戦を位置づける。まずは、この試合で勝利を挙げること。それが、残留のための必要最低条件になる。「グループとして、どうやって守り、どうやって攻めるのかを、もう少しはっきりさせれば、もっといい試合ができる。そのために、もっとコミュニケーションをとって、問題点を修正して高槻戦を迎えたい」と話すのは磯金。2週間後に控えた最初の山を越えるべくアンクラスは準備を重ねる。

【プレナスなでしこリーグ第12節】
 対戦:福岡J・アンクラスvs大阪高槻
 日時:9月30日(日)13:00キックオフ
 会場:小郡市陸上競技場(福岡県)


【フットボールな日々】守備重視も悔しいドロー

120916_02.jpg 2012Jリーグ Division2 第33節
東京V-アビスパ福岡
日時/2012年9月14日(金)19:00
会場/味の素フィールド西が丘
結果/東京V1-1福岡

取材・文・写真/中倉一志

「今日はヴェルディさんにボールを持たせておくという感じだったが、危険なエリアに入ってきたらスイッチを入れようということで、途中から、ハーフコートに入ってきたボールにはしっかりと対応して、そこからボールを奪ってカウンターということにシフトを変えた」(前田浩二監督)
 第33節・東京V戦。累積警告で鈴木惇を、練習中の怪我により成岡翔を欠いた福岡が取った戦い方は、自陣に引いて守りを固めてから前へ出て行くというもの。これまでの路線とは一線を画すものでした。

 前半は、この狙いが上手くはまったように思います。東京Vはボールをポゼッションするものの、攻撃のスイッチが入るのは、最終ラインからのロングボールと大きなサイドチェンジ。福岡は、このロングボールに丁寧に対応して東京Vにチャンスを与えず。森勇介のオーバーラップには手ごずりましたが、それも、ゴール前を徹底して固めることで決定的なチャンスを与えませんでした。そして攻撃では、20分に得たCKのチャンスに古賀正紘が頭で合わせて先制。前半は、アウェイの戦い方としては悪くなかったと思います。

 けれど、鈴木、成岡不在の影響は、やはり大きかったようです。ボールの預けどころのない福岡は、クリアボールをことごとく拾われて連続攻撃にさらされ、時間の経過とともに、ボールを奪う位置が後方へ。加えて、中盤を自由自在に動き回る西紀寛(東京)の存在に、次第に中盤のバランスが崩れてバイタルエリアへ縦パスを通されるシーンが増えていきます。流れを変えるために投入された末吉隼也、石津大介、木原正和も機能せず、失点は時間の問題でもありました。

 そして、悔やまれるのは83分の同点ゴールを許すことになったシーン。福岡が久しぶりに高い位置へ運び出したところに、激しくプレッシャーをかけられてボールを奪われたことが失点の始まりでしたが、ボールを受けた岡田隆を誰かがサポートしていれば十分にボールを保持できたシーン。粘り強くボールに喰らいつき、ゴール前では体を張って跳ね返すなど泥臭く守っていただけに、肝心なところでディテールにこだわれなかったことが残念でなりません。

 アウェイでのドローは悪い結果ではありません。今までとは違う戦い方で、違った側面も見せた試合でもありました。しかし、どこで戦おうと勝点3が必要なのが今の福岡。古賀は試合を次のように振り返りました。
「1点を守れば勝てたということを考えれば、たとえ1点でも大きな失点。最後までしっかりと守りきらなければいけなかった。失点してしまったことを真摯に受け止め、次に向けてしっかりと修正して、今度こそ勝ちたいと思う」
 悔しい勝点1。もったいなくも、情けない勝点1。しかし、下を向いても何も始まりません。次の試合で勝利すること。それが、この日の悔しさを払拭する唯一の方法です。


【フットボールな日々】差は見せつけたものの

120912_01.jpg 取材・文・写真/中倉一志

 当たり前のことですが、プロとアマチュアの差を示した試合。それが天皇杯2回戦だったと感じています。試合内容は決して満足のいくものではありませんでしたし、福岡大学に許した2失点は、今シーズンのリーグ戦で繰り返している失点と同様のもので、チーム状況に変化は感じられませんでした。それでも、4-2とスコアの上では福岡大学に対して完勝したという結果は、随所に見られた差がもたらしたもの。福岡は順当に3回戦へと駒を進めました。

 乾真寛監督(福岡大学)が振り返ったように(J's GOAL記者会見コメント参照)、互いの間にあった差は、スピードと細かいところでのポジショニング。特に攻守の切り替えの速さの違いは顕著で、先制点と福岡の2点目は、まさに、その違いを見せつけたものだったと言えます。そして、福岡大学が攻守に渡ってバイタルエリアを空けるという部分も福岡にとっては好都合でした。常に相手のバイタルエリアで一息つく時間帯を作ることができましたし、2点目、4点目は、そのスペースを使って生まれたものでした。

 そして、勝利の立役者は間違いなく城後寿。今の福岡の状況から言って無失点で試合を終えることは難しく、いかに先制点を奪うか、そして常にリードを奪う展開で試合を進められるかが一番のポイントだと思っていましたが、その大事なゴールをしっかりと決めてくれました。特に2点目のゴールは「(同点になった後)城後のゴールが入ったことで、チームとしても気持ちが楽になって落ち着けた」と高橋泰が振り返ったように、試合の大勢を決めるゴールになりました。

 ただ、この日は福岡大学相手にディテールでの差を見せた福岡ですが、リーグ戦では、逆にディテールの部分に現れる差で勝点を落とし続けているのが福岡。勝利したとは言え、前述の通り、チームが抱えている問題は解決されていません。試合後、選手たちが笑顔を見せなかったのは、勝って当然というシチュエーションに加え、チーム状態に変化を感じられなかったからだと思います。やはり、問題は失点シーン。大学生相手にも2失点するという事実は非常に重たいと思っています。

 勝負の世界では守れない者が勝利を得ることはありません。そして、守備の重要性はレベルが上がれば上がるほど高まっていきます。前田浩二監督の言葉を借りれば「カウンターサッカーから、攻守に渡って主導権を握るサッカーへの転換のプロセス」を歩んでいる福岡ですが、まずは守備を構築しなければ、そのプロセスも先へ進むことはできません。福岡に残されているリーグ戦10試合と天皇杯で、どこまで守備組織を整備できるか。それが福岡の未来を決めると思っています。


人をつくる 組織をつくる

120910_01.jpg 9/7配信のゲストは福岡J・アンクラスの田頭陽子選手(左)と磯金みどり選手でした。最初は緊張気味でしたが、サッカーから普段の生活まで、楽しいお話しをお伺いすることがではました。番組はアーカイブでもご覧に慣れますので、是非、ご視聴ください。

INSIDE-FUKUOKA(USTREAM)は「福岡の町で頑張っている人たちを、福岡の町に住む私たちが応援しよう」をキャッチフレーズにお送りする福岡発スポーツ情報番組です。毎回、素敵なゲストをお迎えして、アビスパ福岡情報とともに、スポーツの魅力をお届けします。
 9/12(水)の配信では、コカ・コーラウエストレッドスパークスの向井昭吾GM兼総監督をゲストにお招きします。向井昭吾GM兼総監督は、日本代表のフルバックとして1987年の第1回W杯に出場。現役引退後は、東芝府中ラグビー部の監督を務め、1994年度全国社会人大会準優勝。1996年度から堂チームを日本選手権3連覇に導きました。そして、2000年12月には、日本ラグビー界初の専任代表監督となり、2003年W杯出場を果たしました。ラグビーの話はもちろん、幅広い経験に基づいた奥の深いお話をお伺いしたいと思っています。

なお、9月の配信スケジュールは以下の通り。また、過去に配信した番組についてもアーカイブでご覧になれますので、ぜひ、お楽しみください。

【視聴URL】 http://www.ustream.tv/channel/inside-fukuoka

【9月の配信内容とゲスト】いずれも20:00からの配信です
 9月07日(金)田頭陽子選手・磯金みどり選手(福岡J・アンクラス)
 9月12日(水)向井昭吾(コカ・コーラウエストレッドスパークスGM兼総監督)
 9月19日(水)仲西淳選手(ライジング福岡)
 9月26日(水)ゲスト未定

※ゲストは決定次第、番組視聴ページ、Twitter、FACEBOOK等で告知します。
 Twitter acount @nakakurahitoshi
 FACEBOOK https://www.facebook.com/h.nakakura
※番組へのご要望、お問い合わせ、ゲストの方へのご質問等は、以下のアドレスへメールにてお願いします。
 inside-fukuoka@office-eleven.co.jp


「REBORN」新たなチャレンジ

トップキュウシュウリーグ第1節
日時/2012年9月8日(土)17:00
会場/さわやかスポーツ広場
試合結果/
 コカ・コーラウエスト 111
 中国電力        0
取材・文・写真/中倉一志

 ラグビー・トップリーグ2012の開幕から遅れること2週間。平成24年度トップキュウシュウリーグが開幕した。さわやかスポーツ広場に中国電力を迎えて開幕戦を戦ったコカ・コーラレッドスパークスは、立ち上がり早々に奪ったトライを皮切りに、前半だけで9トライ、7ゴール。後半も攻撃の手を緩めずに8トライ、6ゴールを重ねて中国電力を111-0と圧倒した。昨シーズン、トップリーグからの降格が決まり、今シーズンの最大にして唯一の目標をトップリーグ復帰に置くチームは、まずは幸先のよい形でスタートをきった。

「REBORN」。それが、今シーズンのコカ・コーラウエストレッドスパークスのスローガン。新たにチームの指揮を執る山口智史ヘッドコーチ(HC)は次のように話す。
「いろんな意味で変わろうということ。ラグビーの質もそうだが、何よりもチーム文化というものが薄れていると感じたので、もう1度、1からチーム文化を作り上げようという想いがあって、この言葉をスローガンにした。勝つためには、規律のある組織でなければいけない。それがチームの文化になれば、練習でも、試合でも、自分の力を出し切るという文化が生まれ、その結果として勝ちが付いてきて、結果を出すことでチームがいいサイクルで周り、勝つ文化が生まれる」
 春先から取り組んだのはフィジカルの強化。そして、プレッシャーをかけ続けること、勇気を持って前に出続けることを徹底してきた。それは原点に戻ろうという意思表示でもあった。

120909_02.jpg
120909_03.jpg
 開幕戦の中国電力戦では、勝利することはもちろん、それ以上に、自分たちが取り組んでいることを出し切れるかどうかが問われていた。正直に言えば、中国電力との間には圧倒的とも言える地力の差がある。その中で、何点を奪うのかではなく、80分間、アタックし続けるということがターゲット。そして選手たちは、最後まで集中を切らすことなく走り続け、プレッシャーをかけ続けた。111-0というスコアは、あくまでも結果。それよりも、前に出続けた選手たちの姿勢に対し、指揮官は「収穫があった」と口にした。

 だが山口HCは、指揮官としての初戦で勝利を飾ったことで表情に安堵感を浮かべながらも、冷静に試合を分析する。 「チームとしてフォーカスしてきたところが出来た部分と、出来なかった部分があった。良かった点はディフェンスの部分。春先から取り組んできた、プレッシャーをかけ続けるということが出来た。その一方、ブレイクダウンで思うようにプレッシャーをかけられなかったというのが課題。そこはしっかりと修正したい。まだまだ足りないなと言うのが正直なところ。まだ半分もできていないかも知れない」

 生まれ変わることをテーマに新しいシーズンをスタートさせたチームが本番として捉えるのは、12月から始まるトップチャレンジシリーズ。トップキュウシュウでは、単に結果を積み重ねることではなく、自分自身と正面から向き合い、自分自身を厳しく律しながら、自分たちのラグビーをやり切る力を身につけることが求められている。その自分自身との戦いに勝利した時、再びトップリーグの舞台が見えてくる。コカ・コーラウエストレッドスパークスの新しいチャレンジは始まったばかりだ。

120909_05.jpg 120909_06.jpg 120909_07.jpg



123456789101112131415161718192021222324252627282930 09