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【美酒佳肴】毎日でも通いたい

焼きとり かい
山梨県甲府市丸の内2-1-7

甲府駅から徒歩2分。南口を出て駅前通りを右へ。最初の路地を左の曲がると表れる路地裏の飲み屋街の中にある。B級と「吉田類の酒場放浪記」をこよなく愛する呑んべ向けのお店。店主の暖かい人柄と、お酒好きが感じられる店内の空気が心地よい。

文・写真/中倉一志

 アウェイ取材の目的のひとつは、その町の普段着の空気を直接吸うこと。観光客向けの店や、名物をそれなりの値段で出す店ではなく、地元の人たちが、普段着のままで通う店へ行くのは、そうした理由です(経費的に高級店は厳しいという個人的な理由もありますが…汗)。ある程度の下調べはするものの、基本的には、その場の雰囲気で飛び込むのが原則。当たりもあれば外れもありますが、中には、何度も通いたいと思う店と出会うことがあります。そのひとつが甲府駅前にある「焼きとり かい」です。

 この店と初めて出会ったのは昨年のアウェイゲーム。路地裏の飲み屋街をふらふらと歩いている時に見つけました。見るからにB級なお店でしたが、暖簾をくぐって大正解。店内は「コの字型」のカウンターだけですが、何とも言えない暖かな雰囲気と、大将のお酒好きが伝わってきます。大将が、どことなくなでしこジャパンの佐々木監督に似ているのも好高感度が上がった理由のひとつでした(声はそっくり)。「この店に通いたい」。そして、今年も行ってきました。

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 店名には「焼きとり」とありますが、壁に張られたメニューは無国籍。焼き鳥はもちろん、刺身もあれば、イタリアンもあります。お酒も日本酒から、ビール、ホッピー、焼酎、ウイスキーと何でもござれです。まずは、黙って座ると出される2種類のお通しを肴に生ビールを飲み干し、そしてホッピーと最も相性が良いとされているキンミヤ焼酎(甲類)とホッピーのセットを注文。やや濃い目に作って喉に流せば、キンミヤの柔らかな味がホッピーと絶妙なハーモニーを醸し出します。

 そして、いろいろとあるメニューの中から「馬の煮込み」をチョイス。ほどなく、大ぶりにカットされ、柔らかく煮込まれた馬モツが運ばれてきます。牛モツほどの濃厚さはなく、比較的あっさりとした味ですが、程よい噛み応えのある煮込みは美味。その塊を味わいながらホッピーで喉を潤せば、至福の時がやってきます。そしていつの間にか、大将と飲み屋話。話題がヴァンフォーレ甲府になったところで、「そう言えば、一度来たことがあるよね」と大将。1年前の、たった1回の訪問を覚えてくれていたようです。

 程よく酔っ払ったところで締めの肴は赤ウインナー。昭和世代には忘れられない味です。粗挽きウインナーのようなプチプチとした食感もなく、肉々した味もない、ありふれた味の魚肉ソーセージですが、子ども時代を昭和で過ごした世代にとっては、これこそがウインナー。その味が懐かしい思い出とともに口に広がっていきます。生ビール、濃い目のホッピー3杯と肴で2,000円台というリーズナブルな値段も魅力。店が醸し出す雰囲気も相まって、毎日でも通いたい店です。「来年も必ず来ます(もちろん、J1の取材で)」。そう約束して店を後にしました。

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